みずほフィナンシャルグループ の会社詳細
みずほフィナンシャルグループ
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2026年3月期 第3四半期

みずほFG・2026年3月期Q3、純利益19%増の1兆198億円——国内利上げで資金利益拡大、通期目標へ進捗率9割超

みずほFG
8411
メガバンク
増収増益
利ざや改善
配当増額
利上げ影響
純利益1兆円
金融業界決算
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

6.6兆円

-6.5%

営業利益

1.3兆円

+11.3%

純利益

1.0兆円

+19.2%

通期予想

1.1兆円

進捗率90%

営業利益率

19.0%

みずほフィナンシャルグループが発表した2026年3月期第3四半期累計(4〜12月)の連結決算は、最終的な儲けを示す親会社株主に帰属する四半期純利益が前年同期比 19.2%増1兆198億円 となり、第3四半期時点で初めて1兆円の大台を突破しました。日本銀行の政策金利引き上げに伴う国内の 利ざや改善 が収益を押し上げたほか、法人向けの役務取引手数料も堅調に推移しました。経常収益こそ減収となりましたが、本業の収益力を示す連結業務純益が大きく伸びており、通期計画に対する進捗率は 90.3% と極めて高い水準にあります。

業績のポイント

今回の決算で特筆すべきは、金利上昇局面を捉えた収益構造の強化です。連結累計の経常収益は前年同期比 6.5%減6兆6,134億円 となりましたが、これは主に有価証券運用関連の収益変動によるもので、実質的な稼ぎは大幅に増加しています。特に連結粗利益は 2兆5,788億円(前年同期比 +3,133億円)と大きく伸び、その内訳では金利差収入を示す資金利益が 9,903億円(同 +34.3%)と急拡大しました。

利益面では、経常利益が前年同期比 11.3%増1兆2,546億円 を記録しました。コスト面では人件費やシステム投資による営業経費が増加(1兆5,091億円、前年比 +1,513億円)したものの、それを上回る収益の伸びが利益を押し上げました。また、与信関係費用(貸し倒れに備える費用)の抑制や戻し入れが継続しており、グループ全体の財務健全性と収益性の両立が鮮明となっています。

指標2026年3月期 Q3累計2025年3月期 Q3累計前年同期比
経常収益6,613,425 百万円7,073,521 百万円△6.5%
経常利益1,254,665 百万円1,126,538 百万円+11.3%
親会社株主帰属純利益1,019,890 百万円855,374 百万円+19.2%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計

セグメント別動向

顧客部門別では、金利上昇の恩恵を直接受けた国内法人部門と、市場環境を捉えたマーケッツ部門が牽引しました。特に大企業向けのコーポレート&インベストメントバンキング(CIBC)は、貸出利回りの改善に加え、企業のM&A支援や証券化などの手数料ビジネスが拡大し、業務純益を大きく伸ばしました。

  • RBC(リテール・事業法人): 国内個人・中小企業向け。貸出利回りの上昇により、業務純益は 1,481億円(前年同期比 +86.0%)と急伸。預金金利の上昇によるコスト増を貸出金利の上昇が上回りました。
  • CIBC(コーポレート&インベストメントバンキング): 国内大企業・金融法人向け。業務純益は 3,358億円(同 +23.8%)。デット・キャピタル・マーケット(DCM)などの引受業務が好調でした。
  • GCIBC(グローバルコーポレート&インベストメントバンキング): 海外企業向け。業務純益は 2,930億円(同 +0.5%)。米国の金利高止まり背景に利ざやを確保しつつ、リスク管理を徹底し横ばい圏を維持しました。
  • GMC(グローバルマーケッツ): 金利・為替などの市場取引。業務純益は 3,019億円(同 +26.3%)。市場のボラティリティを適切に捉えたセールス&トレーディング業務が収益を押し上げました。
セグメント(業務純益ベース)当期実績前年同期増減率
RBC (リテール)1,481億円796億円+86.0%
CIBC (大企業)3,358億円2711億円+23.8%
GCIBC (海外)2,930億円2914億円+0.5%
GMC (市場運用)3,019億円2389億円+26.3%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
RBC(リテール・事業法人)6,918億円26%1,482億円21.4%
CIBC(国内大企業・金融法人)5,086億円19%3,359億円66.0%
GCIBC(海外法人)6,462億円25%2,930億円45.3%
GMC(マーケッツ)5,968億円23%3,020億円50.6%
AMC(アセットマネジメント)550億円2%124億円22.6%

財務状況と資本政策

総資産は、貸出金の増加などを背景に前期末比から約14兆円増加し、297兆5,701億円 となりました。負債の大部分を占める預金残高も 159兆388億円 と安定的に推移しており、強固な資金調達基盤を維持しています。自己資本比率(独自基準)は 3.7% と、前期末の 3.6% からわずかに上昇し、資本の厚みを増しています。

株主還元については、2026年3月期の年間配当を前期実績から5円増配となる 145円(中間72.5円、期末予想72.5円)とする方針を据え置いています。当期純利益の進捗が非常に好調であることから、投資家の間では期末に向けた 追加の還元施策 や次期の増配への期待が高まっています。会社側は「安定的な配当」と「成長投資への資本配分」のバランスを重視する姿勢を継続しています。

リスクと課題

好決算の一方で、経営陣は外部環境の不確実性に対して警戒感を緩めていません。主なリスク要因として、以下の3点を挙げています。

  • 金利・為替の急激な変動: 日銀の追加利上げのタイミングや、米国の利下げペースの不透明感は、有価証券運用の評価損益や外貨調達コストに影響を与える可能性があります。
  • 海外経済の減速: 特に米国や中国の景気動向は、海外貸出先の与信コスト増大につながるリスクを孕んでいます。
  • サイバーセキュリティ・システムリスク: デジタル化の進展に伴い、基幹システムの安定稼働と高度化するサイバー攻撃への対応は、継続的な投資課題となっています。

通期見通し

2026年3月期の通期連結業績予想について、親会社株主に帰属する当期純利益 1兆1,300億円(前期比 27.6%増)とする従来予想を据え置きました。第3四半期までの純利益 1兆198億円 は通期目標に対して 90.3% に達しており、通期での 上方修正や過去最高益の更新 が射程圏内に入っています。

項目前回予想今回修正前期実績(2025/3)
親会社株主帰属純利益1,130,000 百万円1,130,000 百万円885,737 百万円
1株当たり当期純利益454.39 円454.39 円349.56 円
AIアナリストの視点

みずほフィナンシャルグループの今回の決算は、日本の金利のある世界への回帰が銀行経営に強烈な追い風となっていることを証明しました。特に国内個人・中小企業部門(RBC)の業務純益が86%増という数字は、預金金利の引き上げをこなしつつ、貸出金利への転嫁がスムーズに進んでいることを示唆しています。

他メガバンクとの比較においても、進捗率9割超えという数字は際立っており、保守的な期初予想に対してかなりの余裕を持った着地が見込まれます。就職活動中の学生にとっても、単なる「安定した銀行」から、金利上昇を収益に変える「成長フェーズにある金融企業」としての側面が強く印象付けられる内容です。今後は、積み上がった余剰資本を国内のデジタル投資や海外の非金利ビジネス(手数料ビジネス)にどう再配分していくかが、中長期的な株価と競争力の焦点になるでしょう。