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銀行
メガバンク・大手信託
2026年3月期 通期
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2026年5月17日
NEW · 3日前

メガバンク3社・2026年3月期通期——「金利ある世界」で全社過去最高益、三菱UFJは2.4兆円で独走

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銀行業
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株主還元
投資家向け
就活トレンド

今期の総括

金利上昇を味方に全社最高益、稼ぐ力の格差が鮮明に

国内の金利上昇がメガバンクに空前の利益をもたらしました。三菱UFJが純利益で日本銀行業の歴史を塗り替える一方、三井住友は還元姿勢を鮮明に。みずほも悲願の純利益1兆円を突破しました。全社が過去最高益を更新し、長年の「稼げない時代」に完全な終止符を打った決算となりました。

業界全体の動き

銀行業界を動かした共通テーマは主に3点です。

  • 金利ある世界への回帰

日米欧の金利上昇により、貸出利ざやが劇的に改善しました。特に国内での利上げが各社の収益を底上げしました。

  • 非金利ビジネスの躍進

キャッシュレス決済や資産運用のコンサル料が伸びました。利息に頼らない収益源が太くなっています。

  • 株主還元の強化

増益を背景に、各社が自社株買いや増配を発表しました。投資家への姿勢がより積極化しています。

売上高 前年同期比

業界平均

三菱UFJと三井住友が6〜7%の伸びを見せたのに対し、みずほは0.6%増と、規模の拡大に苦戦しました。

純利益 前年同期比

業界平均

増益率ではみずほが41%とトップ。過去の低迷から脱し、利益を絞り出す力が急激に回復しています。

勝者と敗者

今期の勝者は、圧倒的な規模感を見せた三菱UFJです。純利益は前年比 30.3%増2兆4,272億円 と歴史的水準です。営業利益率も 23.3% と3社で最も高く、稼ぐ力が頭一つ抜けています。

一方、相対的な苦戦はみずほです。売上高は前年比 0.6%増 と横ばいで、成長スピードで他2社に劣りました。営業利益率も 17.3% と3社中唯一の10%台に留まり、効率改善が今後の課題と言えます。

勝者

三菱UFJフィナンシャル・グループ

みずほ

苦戦

みずほフィナンシャルグループ

売上高ランキング

業界平均

三菱UFJが14兆円超えで圧倒的首位。みずほは売上成長が鈍化しており、規模の格差が広がっています。

営業利益ランキング

業界平均

全社が前年比25%以上の大幅増益。金利環境の変化が、本業の儲けを劇的に押し上げたことがわかります。

営業利益率ランキング

業界平均

三菱UFJが23.3%で首位。収益効率では三菱と三井住友が競り、みずほが追いかける構図です。

注目の動き・戦略比較

各社の戦略には明確な色の違いが出ています。

  • 三菱UFJ:海外投資を加速。インドの大手ノンバンクへ約 7,000億円 を出資しました。成長市場を取り込む姿勢が鮮明です。
  • 三井住友:株主還元に執念を見せました。1,800億円 の自社株買いに加え、1対2の株式分割を実施。株価の流動性を高めています。
  • みずほ:悲願の純利益1兆円を突破。政策保有株式を売却し、3,251億円 の売却益を出して財務体質を強化しました。

業界共通のリスク

全社好決算ですが、以下の懸念も残ります。

  • 世界的な景気後退による貸倒コストの増加
  • 海外のインフレに伴う人件費や物件費の高騰
  • ITシステムの更新やサイバーセキュリティ対策費の増大
  • 政策保有株式の売却が進み、将来の利益源が減ること

就活生・転職希望者へ

メガバンクは今、最も勢いのある業界の一つです。過去最高益を背景に、待遇面での向上が期待できます。ただし、金利という外部環境に頼らない「個の稼ぐ力」が求められるフェーズに入っています。