テルモ株式会社 の会社詳細
テルモ株式会社
テルモ
2026年3月期 第3四半期

テルモ・2026年3月期Q3、売上高7.7%増の **8,316億円** ——海外需要が拡大、英国企業の大型買収で成長加速

増収増益
医療機器
M&A
海外展開
増配
臓器移植
カテーテル
CDMO
IFRS
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

8,316億円

+7.7%

通期予想

1.1兆円

進捗率75%

営業利益

1,449億円

+8.5%

通期予想

1,815億円

進捗率80%

純利益

1,095億円

+11.1%

通期予想

1,360億円

進捗率81%

営業利益率

17.4%

世界的な医療需要の拡大により、売上高は前年比 7.7%増8,316億円 と好調です。特に北米の血液関連事業が大きく伸び、全体の成長を支えています。英国 OrganOx社の買収 により臓器移植分野へ参入したほか、ドイツ工場の取得で製造体制も強化し、攻めの姿勢が鮮明な決算となりました。

業績のポイント

売上・利益ともに前年を上回り、好調な結果となりました。

  • 売上収益は前年より 7.7% 増え、 8,316億円 でした。
  • 営業利益は前年より 8.5% 増え、 1,449億円 となりました。
  • 海外売上が全体の 8割 を占め、 9.2%増 と成長を牽引しています。
  • 世界的な医療ニーズの高まりが、追い風となりました。
  • 円安の影響を除いても、実質 8.6% の増収を達成しています。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

主力事業が堅調に推移し、新しい事業も加わりました。

  • 心臓血管: 売上 4,968億円 (前年比 7.0%増 )。カテーテル製品が海外で大きく伸びました。
  • メディカルケア: 売上 1,632億円 (前年比 2.2%増 )。製薬会社向け事業が成長しました。一方で、日本の一部の病院向け事業は終了し、減収となりました。
  • 血液・細胞: 売上 1,685億円 (前年比 13.8%増 )。北米で血漿(けっしょう)関連ビジネスが絶好調でした。
  • OrganOx: 売上 29億円 。2025年10月に買収した、臓器保存デバイスの新事業です。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
心臓血管カンパニー4,968億円60%
メディカルケアソリューションズカンパニー1,632億円20%
血液・細胞テクノロジーカンパニー1,685億円20%
OrganOx29億円0%

財務状況と資本政策

将来の成長に向けた大型投資を積極的に行っています。

  • 総資産は 2兆2,569億円 となり、前期末から 4,285億円 増えました。
  • 英国OrganOx社の買収に、約 2,256億円 を投じました。
  • 自己資本比率は 67.5% と、引き続き高い水準を保っています。
  • 年間配当は前期の26円から 4円増配30円 を予定しています。

戦略トピック

事業の幅を広げるための「攻め」の投資が目立ちました。

  • 英国 OrganOx社を完全子会社化 しました。臓器移植という新しい成長分野に本格参入します。
  • ドイツの薬剤充填シリンジ工場を取得しました。 CDMO(受託製造)事業 の世界展開を加速させます。
  • これら買収に伴い「のれん」などの無形資産が大きく増えています。

リスクと課題

成長が続く一方で、以下の点には注意が必要です。

  • 欧州の新しい医療機器規制(MDR)への対応費用が、利益を押し下げています。
  • 買収した新事業が、計画通りに収益を生むかが今後の焦点です。
  • 為替レートの変動や、不透明な世界情勢がリスク要因です。

通期見通し

期初からの好調を受け、通期予想は据え置いています。

  • 通期の売上収益は 1兆1,080億円 (前年比 6.9%増 )を見込みます。
  • 純利益は 1,360億円 (前年比 16.3%増 )と過去最高を狙う計画です。
  • 為替前提は1ドル148円としており、足元の水準と大きな乖離はありません。
AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、英国OrganOx社の大型買収による 「臓器移植分野への本格参入」 です。既存の心臓血管や血液事業で培った高い技術力を、成長性の高い新市場へぶつける明確な戦略が見て取れます。

また、単なる製品販売だけでなく、ドイツ工場の買収を通じて CDMO(医薬品の受託製造) の拠点を確保した点も重要です。これにより、製薬会社とのパートナーシップを深め、より安定した収益基盤を築こうとする姿勢が感じられます。

懸念点としては、買収による負債やのれんの増加、欧州の規制対応コストが挙げられますが、本業の稼ぐ力(キャッシュフロー)は非常に強く、財務の健全性は保たれています。就活生にとっては、日本発のグローバル企業として、最先端の医療領域で果敢に勝負を仕掛けるダイナミックなフェーズにある企業といえるでしょう。