テルモ、26年3月期中間は営業利益15.1%増の1,009億円——海外販売好調と円安が利益を押し上げ
売上高
5,349億円
+5.2%
通期予想
1.1兆円
営業利益
1,010億円
+15.1%
通期予想
1,815億円
純利益
769億円
+21.7%
通期予想
1,360億円
営業利益率
18.9%
医療機器大手のテルモが発表した2026年3月期第2四半期決算は、世界的な医療需要の拡大と円安効果により、中間期として増収増益を達成しました。心臓血管および血液・細胞事業が海外で堅調に推移したほか、英国OrganOx社の大型買収を完了するなど、将来の成長に向けた布石を打っています。
業績のポイント
当中間期の業績は、グローバルでの販売好調と為替のプラス影響により増収増益となりました。
- 売上収益: 5,349億円(前年同期比 ▲5.2%増)
- 営業利益: 1,009億円(同 ▲15.1%増)
- 親会社株主に帰属する中間利益: 768億円(同 ▲21.7%増)
- 営業利益率: 18.9%
海外売上高が全体の約8割を占める中、カテーテルなどのアクセス製品や血漿イノベーションビジネスが成長を牽引しました。為替影響を除いた実質ベースでも売上高は 8.0%増 と、高い成長率を維持しています。
業績推移(通期)
セグメント別動向
主力3カンパニーすべてで増収増益を確保しました。
- 心臓血管カンパニー: 売上収益 3,220億円(前年同期比 ▲5.2%増)、調整後営業利益 870億円。海外でのインターベンショナルシステムズ事業が成長し、全体の稼ぎ頭として業績を支えました。
- メディカルケアソリューションズカンパニー: 売上収益 1,056億円(同 ▲1.3%増)、調整後営業利益 135億円。日本国内でのファーマシューティカルソリューション事業が好調でした。
- 血液・細胞テクノロジーカンパニー: 売上収益 1,071億円(同 ▲9.2%増)、調整後営業利益 156億円。北米における血漿イノベーションビジネスの展開加速が寄与しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 心臓血管カンパニー | 3,221億円 | 60% | 870億円 | 27.0% |
| メディカルケアソリューションズカンパニー | 1,056億円 | 20% | 135億円 | 12.8% |
| 血液・細胞テクノロジーカンパニー | 1,071億円 | 20% | 156億円 | 14.6% |
財務状況と資本政策
資産合計は前期末比 664億円 増の 1兆8,948億円 となりました。生産設備への投資やドイツの薬剤製品工場の取得により、有形固定資産が増加しています。
株主還元と資本効率の状況:
- 親会社所有者帰属持分比率: 75.9%(前期末比 +1.1ポイント 上昇)
- 年間配当予想: 30円(前期実績比 +4円 の増配)
また、後発事象として英国の臓器保存デバイス企業、OrganOx社の買収(約15億ドル)に伴い、総額 2,400億円 の資金借入を実施しており、今後のレバレッジ管理が注目されます。
通期見通し
通期連結業績予想を修正しました。売上高と調整後営業利益は上方修正する一方、買収関連費用等の計上により最終利益は下方修正しています。
修正後の通期予想:
- 売上収益: 1兆1,080億円(前回発表比 ▲280億円増)
- 調整後営業利益: 2,215億円(同 ▲55億円増)
- 親会社株主に帰属する当期利益: 1,360億円(同 ▼40億円減)
好調な事業環境を背景にトップラインは伸びるものの、OrganOx社の買収に伴う一時費用や減損損失(45億円)の計上が利益を下押しする見込みです。
リスクと課題
今後の成長維持に向けた主な課題は以下の通りです。
- M&Aの統合(PMI): 約15億ドルを投じたOrganOx社の早期収益化と、借入金2,400億円の返済計画の着実な実行が求められます。
- 一時的コストの発生: 買収関連費用や事業再編費用など、利益を圧迫する非経常的費用の動向に注意が必要です。
- 為替変動リスク: 海外比率が高いため、期末にかけて円高が進行した場合、円換算での業績が下振れる可能性があります(通期予想前提:1ドル148円)。
