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株式会社オープンハウスグループ の会社詳細
株式会社オープンハウスグループ
オープンハウスグループ
2026年9月期 第2四半期

オープンハウスG・2026年9月期Q2、純利益22.4%増の570億円——マンション事業の黒字化と収益不動産が牽引

オープンハウス
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増収増益
上方修正
配当増額
自己株買い
不動産
マンション黒字化
富裕層ビジネス
第2四半期累計期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

6,892億円

+7.1%

通期予想

1.5兆円

進捗率46%

営業利益

844億円

+14.4%

通期予想

1.8兆円

進捗率5%

純利益

570億円

+22.4%

通期予想

1,185億円

進捗率48%

営業利益率

12.2%

オープンハウスグループが発表した2026年9月期第2四半期(中間期)決算は、売上高が前年同期比 7.1%増6,891億円、純利益が同 22.4%増570億円 と大幅な増益を達成した。都市部における戸建住宅の底堅い需要に加え、前年同期に苦戦したマンション事業が大幅な増収により黒字転換を果たしたことが利益を押し上げた。好調な進捗を背景に、同社は通期業績予想の上方修正年間配当の増額を同時に発表し、成長への自信を覗かせている。

トーク

オープンハウスグループ 2026年9月期 第2四半期決算

さくら × けんじ の対話形式解説

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業績のポイント

2026年9月期の中間決算は、主力の戸建事業が安定的に推移する中で、マンション事業と収益不動産事業が大きく伸長し、全体を牽引する結果となった。売上高は 6,891億7,600万円(前年同期比 +7.1%)、営業利益は 843億9,800万円(同 +14.4%)を記録している。特に純利益は 570億1,700万円(同 +22.4%)と高い伸びを見せた。

背景には、2023年11月に策定した「3カ年の経営方針」に基づく攻めの経営がある。建築資材の高騰などのコスト圧力はあるものの、都市部での圧倒的な仕入れ力と販売力を武器に、需要の取り込みに成功した。また、物件の引渡し時期が第4四半期に集中する傾向があるマンション事業においても、中間期での引渡しが順調に進んだことが収益の安定化に寄与した。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

主力事業である戸建関連事業は、売上高 3,809億3,000万円(前年同期比 +5.5%)、営業利益 431億1,800万円(同 +5.3%)と着実な成長を維持した。都市部での戸建住宅に対する根強い需要を背景に、将来の売上に繋がる販売契約も好調に推移している。

マンション事業は劇的な改善を見せた。売上高は 260億4,800万円(前年同期比 +331.4%)と急拡大し、営業利益は前年同期の赤字から 44億5,100万円 の黒字へと転換した。収益不動産事業も、事業法人や富裕層からの賃貸マンション・オフィスビル投資需要を取り込み、売上高 1,133億5,800万円(同 +18.2%)、営業利益 132億5,100万円(同 +21.1%)と2桁の増収増益を達成している。

一方で、米国不動産を含む「その他」セグメントは、売上高が前年比 2.8%減、営業利益が同 8.7%減 とやや精彩を欠いた。子会社のプレサンス(旧プレサンスコーポレーション)については、投資用マンションの販売に注力し、営業利益 142億2,200万円(同 +0.3%)と横ばい圏での推移となった。

セグメント名売上高 (百万円)前年同期比営業利益 (百万円)前年同期比
戸建関連380,930+5.5%43,118+5.3%
マンション26,048+331.4%4,451黒字転換
収益不動産113,358+18.2%13,251+21.1%
プレサンス97,551△9.0%14,222+0.3%
その他71,278△2.8%8,175△8.7%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
戸建関連事業3,809億円55%431億円11.3%
マンション事業260億円4%45億円17.1%
収益不動産事業1,134億円16%133億円11.7%
プレサンス976億円14%142億円14.6%

財務状況と資本政策

当期末の総資産は、前連結会計年度末から 976億円 増加し 1兆5,096億円 となった。主に事業拡大に伴う販売用不動産および仕掛販売用不動産の積み増し(約931億円増)が要因であり、将来の収益源となる在庫確保を積極的に進めていることが伺える。

資本政策においては、株主還元の強化が鮮明だ。中間配当を当初予想から引き上げ、1株当たり 100円(前期は84円)とした。年間配当予想も前期の178円から 200円 への増配を予定している。さらに、当中間期において約 100億円 規模の自己株式取得を実施し、あわせて 219億円 相当の自己株式を消却するなど、機動的な資本効率の向上に取り組んでいる。

通期見通しと戦略トピック

足元の好調な業績を受け、同社は2026年9月期の通期連結業績予想を上方修正した。新たな予想では、売上高を最大 1兆5,000億円、営業利益を最大 1,800億円 と見込んでいる。修正の背景には、収益不動産事業の想定以上の伸長や、マンション事業における引渡しの順調な進捗がある。

項目前回予想今回修正 (レンジ)前期実績
売上高1兆4,200億円1兆4,850億〜1兆5,000億円1兆3,365億円
営業利益1,650億円1,765億〜1,800億円1,459億円
純利益1,060億円1,165億〜1,185億円1,006億円

戦略面では、2026年4月1日付で連結子会社の「プレサンスコーポレーション」を「プレサンス」へ商号変更した。グループブランドの統合と実態に即した名称変更により、関西・中京圏でのさらなるシェア拡大を目指す方針だ。

リスクと課題

今後の成長に向けた課題として、以下の要因が挙げられる。

  • 金利動向の影響: 国内の金利上昇局面において、住宅ローンの金利上昇が消費者の購買意欲に与える影響。
  • 建築コストの変動: 物価上昇に伴う資材価格や人件費の高騰が、粗利益率を圧迫するリスク。
  • 用地取得競争: 都市部における好立地物件の確保に向けた競合他社との仕入れ競争の激化。
  • 米国事業の不透明感: 米国の金利環境や景気動向による、海外不動産投資需要の減退リスク。
AIアナリストの視点

オープンハウスグループの決算は、成長企業の勢いを象徴する非常に力強い内容となりました。特筆すべきは、単なる増収増益に留まらず、自己株式の取得・消却と増配を組み合わせた「資本効率の追求」を同時に行っている点です。

セグメント別で見ると、戸建一辺倒からマンションや収益不動産へと収益の柱が多角化しており、引渡し時期のズレによる利益のブレ(ボラティリティ)を克服しつつあります。特に収益不動産事業が富裕層の節税・投資需要を捉えて営業利益率約11.7%と高水準を維持している点は、同社の営業力の強さを示しています。

懸念点としては、借入金(短期・長期合計)が約6,780億円から約7,680億円へと増加しており、金利上昇局面での金利負担増が今後の重石になる可能性がありますが、自己資本比率を38.5%と健全な水準に保っている点は評価できます。