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ソフトバンク株式会社 の会社詳細
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク
2026年3月期 通期

ソフトバンク・2026年3月期通期、売上高7兆円超で過去最高——全セグメント増収、PayPay上場とAIシフトで次なる成長へ

ソフトバンク
増収増益
過去最高益
PayPay上場
AI投資
増配
DX推進
生成AI
金融事業
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

7.0兆円

+7.6%

通期予想

7.5兆円

進捗率94%

営業利益

1.0兆円

+5.4%

通期予想

1.1兆円

進捗率95%

純利益

5,508億円

+4.7%

通期予想

5,600億円

進捗率98%

営業利益率

14.8%

ソフトバンクが発表した2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比 7.6%増7兆387億円 となり、過去最高を更新しました。営業利益も 1兆426億円(前期比 +5.4%)と大台を突破し、親会社所有者帰属の当期純利益は目標の5,430億円を上回る 5,508億円 に到達しています。「Activate AI for Society」を掲げ、通信事業の基盤強化に加え、PayPayの米国上場や生成AIインフラへの巨額投資など、非通信分野での成長が業績を牽引しました。

トーク

ソフトバンク 2026年3月期 通期決算

さくら × けんじ の対話形式解説

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業績のポイント

2026年3月期の連結業績は、全ての報告セグメントにおいて増収を達成し、極めて堅調な推移となりました。主力の売上高は 7兆387億円(前期比 +7.6%)、営業利益は 1兆426億円(同 +5.4%)と、モバイル通信料の値下げ影響を非通信分野の成長で完全に補う構造が鮮明になっています。親会社の所有者に帰属する当期純利益は 5,508億円(同 +4.7%)を記録し、過去最高益を更新しました。

増収の主な要因は、法人向けICTソリューションの需要拡大や、子会社化したPayPayを中心とする金融事業の急成長にあります。特に金融分野では、QRコード決済の取扱高増加に伴い、セグメント利益が前期の約2倍に膨らむなど、収益への貢献度が急速に高まっています。また、コスト面では物価高騰に伴う各種費用の改定を実施したことで、利益率の維持を図りました。

項目2025年3月期実績2026年3月期実績前期比増減
売上高6兆5,443億円7兆387億円+7.6%
営業利益9,890億円1兆426億円+5.4%
当期純利益5,261億円5,508億円+4.7%
1株当たり純利益10.99円11.35円+3.3%

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

セグメント別では、全5事業が足並みを揃えて増収を記録しました。コンシューマ事業は、モバイル通信料の平均単価が安定基調にある中、「ワイモバイル」ブランドの契約数が堅調に伸び、売上高は 3兆151億円(前期比 +2.1%)となりました。端末販売の単価上昇も寄与し、セグメント利益は 5,508億円(同 +3.8%)と着実な利益成長を見せています。

エンタープライズ事業は、企業のデジタル化需要を背景としたクラウド・AIソリューションが牽引し、売上高 1兆29億円(同 +8.7%)、セグメント利益 1,924億円(同 +13.0%)と高い成長率を維持しました。特にAI関連のソリューション提供が加速しており、同社の新たな収益柱として存在感を強めています。また、ファイナンス事業はPayPayの圧倒的な決済取扱高を背景に、売上高 4,045億円(同 +24.3%)、セグメント利益 863億円(同 +107.1%)と驚異的な増益を記録しました。

セグメント売上高営業利益利益増減率
コンシューマ3兆151億円5,508億円+3.8%
エンタープライズ1兆29億円1,924億円+13.0%
メディア・EC1兆6,680億円2,404億円△7.1%
ファイナンス4045億円863億円+107.1%
ディストリビューション1兆563億円353億円+15.9%

メディア・EC事業(LINEヤフー等)は売上高こそ 1兆6,680億円 と伸長しましたが、子会社再編に伴う一時的利益の剥落やシステム投資の影響でセグメント利益は 2,404億円(同 7.1%減)となりました。ディストリビューション事業は、GIGAスクール構想第2期やPCの買い替え需要を捉え、売上高 1兆563億円(同 18.8%増)と大台を突破しています。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
コンシューマ3.0兆円43%5,508億円18.3%
エンタープライズ1.0兆円14%1,924億円19.2%
ディストリビューション1.1兆円15%353億円3.3%
メディア・EC1.7兆円24%2,404億円14.4%
ファイナンス4,045億円6%863億円21.3%

財務状況と資本政策

当期末の資産合計は、前期末比で 2兆4,000億円 増加し、18兆5,022億円 に拡大しました。これはLINE Bank Taiwanの連結子会社化やPayPay銀行の貸付金増加、さらにAIデータセンター構築に向けた投資に伴うものです。有利子負債も資金調達の実施により増加していますが、営業活動によるキャッシュ・フローは 1兆3,938億円 と潤沢であり、投資と還元のバランスを維持しています。

株主還元については、「安定的な増配」を基本方針としており、2026年3月期の年間配当は1株当たり 8.60円(株式分割後換算)を予定しています。また、当期中の特筆すべきトピックとして、子会社のPayPayが米国証券取引所に上場を果たしたことが挙げられます。これにより、グループ全体の資産価値の顕在化と、機動的な資金調達が可能になりました。次期についても 8.80円 への増配を予想しており、高い還元意欲を示しています。

リスクと課題

経営陣は今後の成長に向けた主要なリスクとして、以下の項目を挙げています。まず、急速に進化するAI技術への対応に伴う倫理的・法的規制の変化です。全事業へのAI実装を進める中、データプライバシーの保護やアルゴリズムの透明性確保が競争力の源泉となります。

  • 地政学リスク: 中東情勢の緊迫化や米国の通関政策がサプライチェーンや経済環境に与える影響。
  • 競争環境の激化: 国内通信市場における価格競争の再燃や、楽天モバイルを含む他社とのシェア争い。
  • 金利上昇リスク: 金利上昇局面における支払利息の増加および金融事業への影響。
  • AI投資の回収: 巨額のAIインフラ投資が計画通りの収益化(マネタイズ)に繋がるかどうかの実行力。

また、LINEヤフーにおけるシステム障害への対策強化など、情報セキュリティ体制の再構築も継続的な課題として認識されています。AIインフラの構築には多額の設備投資が必要となるため、投資効率の最適化と財務健全性の維持を両立させる経営判断が求められます。

通期見通し

2027年3月期の連結業績予想について、ソフトバンクはさらなる成長を継続し、売上高・利益ともに過去最高を更新する見通しを示しました。売上高は前期比 6.6%増7兆5,000億円、営業利益は 5.5%増1兆1,000億円 を計画しています。特にAI関連の収益化を加速させる「Activate AI for Society」の本格稼働が、成長の主軸となる見込みです。

項目2026年3月期実績2027年3月期予想増減率
売上高7兆387億円7兆5,000億円+6.6%
営業利益1兆426億円1兆1,000億円+5.5%
親会社所有者帰属利益5,508億円5,600億円+1.7%

この強気な予想の背景には、エンタープライズ事業における企業のAI・DX投資の旺盛な需要と、PayPayを中心とする金融事業の収益力向上が継続するという確信があります。また、2031年3月期に向けた新中期経営計画では、連結営業利益 1兆7,000億円、純利益 7,000億円 という野心的な目標を掲げており、通信会社から「AIインフラ企業」への完全な脱皮を図る方針です。

AIアナリストの視点

ソフトバンクの今回の決算は、まさに「通信会社からの脱却」を数字で証明した結果と言えます。特筆すべきは、営業利益1兆円を突破しながら、その成長エンジンが通信そのものではなく、AI(エンタープライズ)と金融(PayPay)にシフトしている点です。

  • 投資家視点では、PayPayの米国上場により「隠れた資産」が顕在化したことがポジティブです。これにより、ソフトバンクグループ(親会社)との役割分担もより明確になりました。
  • 就活生にとっては、同社が「インフラ」の安定性と「AIベンチャー」の成長性を併せ持つ稀有な巨大企業へと進化していることが魅力的に映るでしょう。
  • 懸念点は、AIデータセンター等への巨額の設備投資です。シャープ堺工場の土地取得を含め、アグレッシブな投資が続く中で、キャッシュ・フローの管理と有利子負債のコントロールが今後の焦点となります。宮川社長が掲げる「AIを社会に実装する」というビジョンが、どこまで具体的なBtoB収益に結びつくかが、次期以降のバリュエーションを決定づけるはずです。