業界ダイジェスト
株式会社電通総研 の会社詳細
株式会社電通総研
電通総研
2026年12月期 第1四半期

電通総研・2026年12月期Q1、営業利益14%増の65億円——DX需要が拡大、ビジネスソリューション部門が倍増

電通総研
増収増益
DX投資
生成AI
株式分割
ビジネスソリューション
POSITIVE
STRAVIS
システム開発
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

438億円

+8.9%

通期予想

1,820億円

進捗率24%

営業利益

66億円

+14.0%

通期予想

255億円

進捗率26%

純利益

46億円

+13.1%

通期予想

180億円

進捗率26%

営業利益率

15.0%

株式会社電通総研が発表した2026年12月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比 8.9%増438億2,000万円 、営業利益が 14.0%増65億8,800万円 と増収増益を達成しました。企業によるDX(デジタルトランスフォーメーション)投資や生成AI活用の動きが活発化する中、人事・会計分野のビジネスソリューションが大幅な増益を牽引しました。製造業向けが一時的に苦戦したものの、全社ベースでは売上高・各段階利益ともに過去最高を更新し、堅調な滑り出しとなりました。

トーク

電通総研 2026年12月期 第1四半期決算

さくら × けんじ の対話形式解説

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業績のポイント

当第1四半期の業績は、売上高・利益ともに前年同期を上回り、順調な推移を見せました。売上高は 438億2,000万円 (前年同期比 +8.9% )、営業利益は 65億8,800万円 (同 +14.0% )、親会社株主に帰属する四半期純利益は 46億4,800万円 (同 +13.1% )となりました。

増益の背景には、受託システム開発や自社ソフトウェア製品の売上総利益率が向上したことがあります。研究開発費や人件費を中心とした販売管理費の増加( +8.0% )を、売上高の伸びと採算性の改善が十分に吸収した形です。特に、中長期経営計画「社会進化実装 2027」の2年目として、AIを活用した生産性改革や独自ソリューションの差別化が着実に成果に結びついています。

項目前年同期実績当期実績前年同期比
売上高40,244百万円43,820百万円+8.9%
営業利益5,779百万円6,588百万円+14.0%
経常利益5,995百万円6,725百万円+12.2%
四半期純利益4,109百万円4,648百万円+13.1%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

セグメント別では、ビジネスソリューション事業が驚異的な成長を見せた一方で、製造ソリューション事業が減速するという明暗の分かれる結果となりました。

ビジネスソリューションは、売上高が前年同期比 35.4%増77億2,600万円 、セグメント利益は 108.1%増20億6,000万円 と爆発的に成長しました。主力の人事ソリューション「POSITIVE」が電力業や商社向けに拡大したほか、連結会計ソリューション「STRAVIS」の導入も進み、企業の経営管理高度化への需要を的確に取り込みました。

金融ソリューションも堅調で、売上高は 9.6%増91億100万円 となりました。メガバンクや政府系金融機関向けの受託開発が拡大し、融資ソリューション「BANK・R」の導入も大手信用金庫向けに広がったことが寄与しています。一方、製造ソリューションは売上高が 3.5%減 、利益が 30.3%減 と低迷しました。これは輸送機器業界における投資抑制の影響を受け、コンサルティングサービスやSAPソリューションの導入が低調に推移したことが主因です。

セグメント名売上高前年比営業利益前年比
金融ソリューション9,101+9.6%1,408+27.4%
ビジネスソリューション7,726+35.4%2,060+108.1%
製造ソリューション15,601△3.5%1,792△30.3%
コミュニケーションIT11,390+13.1%1,326+19.2%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
金融ソリューション91億円21%14億円15.5%
ビジネスソリューション77億円18%21億円26.7%
製造ソリューション156億円36%18億円11.5%
コミュニケーションIT114億円26%13億円11.6%

財務状況と資本政策

2026年3月末時点の総資産は、前連結会計年度末から 38億4,200万円 増加し、 1,688億9,700万円 となりました。売上高の拡大に伴い売上債権が増加したほか、保守・サブスクリプション型サービスの前渡金が増加したことが主な要因です。自己資本比率は 59.7% と、前年末の60.7%から微減したものの、依然として極めて健全な水準を維持しています。

配当については、2026年1月1日付で実施した 1株につき3株の株式分割 を踏まえ、年間配当予想を 45.00円 (分割前換算で135円相当)としています。前期の年間配当(分割前120円)と比較すると、実質的な増配を計画しており、安定的な成長を株主還元に反映させる姿勢を鮮明にしています。内部留保については、引き続き中期経営計画に基づく「独自ソリューションの強化」や「AI生産性改革」への投資に充当する方針です。

リスクと課題

今後の経営リスクとして、会社側は以下の点を挙げています。第一に、中東情勢の緊迫化や米国の通商政策など、外部環境の不透明感に伴う国内経済の下押しリスクです。特に製造業セグメントで見られたような、特定の顧客業界における投資抑制の動きが長期化・拡大する懸念があります。

第二に、高度IT人材の確保と育成が成長の制約となるリスクです。現在、就業人員6,000名体制を目指して採用を強化していますが、人材獲得競争の激化によるコスト増が利益を圧迫する可能性があります。また、生成AIなどの急速な技術進化への対応遅れも事業競争力に直結する課題として認識されています。

通期見通し

2026年12月期の通期連結業績予想については、2026年2月に公表した数値を据え置いています。製造業向けの不透明感はあるものの、ビジネスソリューション部門の強い引き合いが全体の業績を下支えする見込みです。

項目前期実績今期予想前期比
売上高164,888百万円182,000百万円+10.4%
営業利益22,893百万円25,500百万円+11.4%
純利益16,368百万円18,000百万円+10.0%
1株当たり純利益83.84円92.22円
AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、ビジネスソリューション部門の爆発的な利益成長(前年比2倍超)です。ERP(基幹システム)から一歩進んだ「POSITIVE」や「STRAVIS」といった独自製品が、企業の生産性向上ニーズに完全に合致しています。

懸念点は製造業向けソリューションの減速ですが、これは輸送機器メーカーの投資サイクルやSAP更新需要の一服感によるものと考えられ、一時的な調整の範囲内と言えるでしょう。むしろ、製造業の落ち込みを他の3セグメントでカバーし、全社で14%の営業増益を確保した点に、同社の事業ポートフォリオの強固さが表れています。

2026年1月の3分割後も実質増配を維持しており、投資家にとっても「成長と還元のバランス」が取れた優良な決算内容と評価できます。今後の焦点は、下期に向けて製造業向けの投資がどこまで回復するか、そして中計目標である営業利益率15%を安定的に維持できるかにあるでしょう。