株式会社SHIFT の会社詳細
株式会社SHIFT
SHIFT
2026年8月期 第2四半期(中間期)

SHIFT・2026年8月期Q2、売上高16.8%増の720億円で過去最高——AI先行投資と採用正常化で利益は一時的減益も成長加速へ

SHIFT
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ソフトウェアテスト
AI投資
M&A
株式分割
自社株買い
DX
ニッセイコム
増収減益
第2四半期累計期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

720億円

+16.8%

通期予想

1,500億円

進捗率48%

営業利益

69億円

-14.3%

通期予想

200億円

進捗率35%

純利益

40億円

-10.7%

通期予想

135億円

進捗率30%

営業利益率

9.6%

ソフトウェアテスト国内大手のSHIFTが14日に発表した2026年8月期の中間決算は、売上高が前年同期比 16.8%増72,035百万円 となり、中間期として過去最高を更新しました。一方で、営業利益は 14.3%減6,907百万円 にとどまりました。これは「生成AIネイティブカンパニー」への変革に向けたAI関連の先行投資や、前年に抑制していた採用活動の正常化に伴うコスト増が主な要因です。同社はこれを「将来の非連続な成長のための意図的な投資」と位置づけています。

トーク

SHIFT 2026年8月期 第2四半期(中間期)決算

さくら × けんじ の対話形式解説

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業績のポイント

当第2四半期累計期間(2025年9月〜2026年2月)の業績は、主力事業であるソフトウェアテストの需要が底堅く推移し、増収を確保しました。売上高は 72,035百万円 (前年同期比 +16.8% )と伸長しましたが、利益面では営業利益が 6,907百万円 (同 -14.3% )、親会社株主に帰属する中間純利益が 4,011百万円 (同 -10.7% )の増収減益となりました。

利益減少の背景には、2つの明確な経営判断があります。一つは、急速に普及する生成AIをビジネスに実装するための「AIテストエージェント」などの開発投資を先行して実行したことです。もう一つは、成長の源泉となる人材確保のため、前年同期に一時的に抑制していた採用活動を正常化させたことで、採用費や人件費が増加したことです。会社側は、「AI関連サービスの受注はすでに立ち上がっており、下期には収益回復が見込まれる」と説明しており、足元の減益を成長の踊り場と捉えています。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

主力のソフトウェアテスト関連サービスが全体を牽引する一方、投資フェーズの違いにより利益率には差が出ています。

ソフトウェアテスト関連サービスは、売上高が 47,331百万円 (前年同期比 +19.5% )と大きく成長しました。顧客目線での提案徹底により受注が拡大した一方、採用活動の正常化による費用増が響き、セグメント利益は 9,731百万円 (同 -7.5% )となりました。

ソフトウェア開発関連サービスは、売上高が 21,313百万円 (前年同期比 +8.0% )となりました。こちらも採用費の先行投資が重く、セグメント利益は 1,204百万円 (同 -23.9% )と苦戦しました。

一方、その他近接サービスは、Windows11への入れ替え需要を背景としたキッティング業務などが好調で、売上高が 6,450百万円 (前年同期比 +32.1% )、セグメント利益が 556百万円 (同 +127.8% )と大幅な増収増益を達成しました。

セグメント名売上高前年比営業利益前年比
ソフトウェアテスト47,331+19.5%9,731△7.5%
ソフトウェア開発21,313+8.0%1,204△23.9%
その他近接6,450+32.1%556+127.8%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ソフトウェアテスト関連サービス473億円66%97億円20.6%
ソフトウェア開発関連サービス213億円30%12億円5.7%
その他近接サービス65億円9%6億円8.6%

戦略トピック:大型M&Aの実施と成長戦略

SHIFTは当期間、さらなる事業拡大に向けた重要な経営判断を相次いで下しています。2026年4月には、システム開発に強みを持つ株式会社ニッセイコムの全株式を 17,792百万円 で取得し子会社化することを決定しました。これにより、首都圏以外の顧客基盤強化や、公共・医療といった専門領域でのシェア拡大を狙います。

また、同年6月には株式会社ステップの株式取得(予定価格 6,000百万円 )も決定しており、航空・防衛などの高度な信頼性が求められるインフラ分野への進出を加速させます。これらのM&A資金として、みずほ銀行から 17,700百万円 の借入を実施するなど、積極的なレバレッジ経営によって「売上高3,000億円」という長期目標(SHIFT3000)の達成を確実なものにする構えです。

財務状況と資本政策

総資産は、前連結会計年度末比で 3,388百万円 増加し、 80,389百万円 となりました。売上拡大に伴う売掛金の増加に加え、短期借入金 10,000百万円 の新規実行により手元流動性を確保しています。一方で、自己資本比率は 47.5% (前期末は52.7%)に低下しましたが、これは積極的な成長投資と後述する自己株買いの影響によるものです。

資本政策においては、2025年1月に実施した1株につき15株の株式分割に加え、当期間中に約 6,341百万円自社株買いを実施しました。配当については引き続き「内部留保による成長投資の最大化」を優先し、無配を維持していますが、機動的な自社株買いを通じて株主還元と資本効率の向上を図る姿勢を鮮明にしています。

通期見通し

2026年8月期の通期業績予想については、期初予想を据え置いています。上期は先行投資により利益が押し下げられましたが、下期にはAI関連案件の寄与や採用コストの平準化により利益率が改善するシナリオを描いています。特に、大型M&Aによる連結範囲の拡大が今後の売上高・利益にどう上乗せされるかが注視されます。

項目通期予想前期実績増減率
売上高150,000129,881+15.5%
調整後営業利益20,00017,639+13.4%
調整後当期純利益13,50010,858+24.3%

※「調整後」利益はのれん償却費などを加算した実質的な収益力を示す指標。

リスクと課題

同社が直面する主な課題とリスクは以下の通りです。

  • 採用・教育リスク: 成長の柱であるエンジニアの確保が計画通り進まない、あるいは採用コストがさらに高騰するリスク。
  • M&Aの統合(PMI)リスク: 相次ぐ大型買収において、買収先企業とのシナジー創出や文化統合が遅れる可能性。
  • AI投資の回収期間: 先行実行しているAI関連投資が、期待されるスピードで収益化につながらないリスク。
  • マクロ経済環境: IT投資抑制の動きが強まった場合、顧客のプロジェクト延期や中止が発生する可能性。
AIアナリストの視点

SHIFTの決算は、一見すると営業減益というネガティブな数字ですが、中身は極めて「攻めの姿勢」が鮮明な内容です。特に注目すべきは以下の3点です。

  • 「AIネイティブ」への脱皮: 単なるソフトウェアテスト会社から、AIを駆使した高付加価値な品質保証集団への転換を急いでおり、そのためのコストを今期に「あえて」ぶつけてきている印象です。
  • M&Aのスケールアップ: 従来の中小規模な買収から、ニッセイコム(177億円)のような大型案件へと舵を切りました。これにより、既存のオーガニック成長に非連続な成長が加わるステージに入っています。
  • 資本効率の意識: 株式分割と多額の自社株買いをセットで行うなど、株価意識も非常に高い企業です。下期に向けた「AI案件の収益化」が計画通り進めば、通期での利益目標達成は十分射程圏内といえるでしょう。投資家や就活生にとっては、足元の減益よりも「将来の成長余地」に目を向けるべき決算といえます。