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電気機器
半導体製造装置
2026年3月期 第3四半期
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半導体製造装置5社・2026年3月期Q3——生成AIが分けた明暗、アドバンテストが利益2倍の独走

半導体製造装置
電気機器
東京エレクトロン
アドバンテスト
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SCREEN
ディスコ
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決算分析
高収益企業

今期の総括

AI特需を掴んだ企業が利益を総取りする「勝者総取り」の様相

今回の決算は、生成AIの恩恵を直接受ける企業と、米中投資の停滞に苦む企業の差が鮮明に出ました。アドバンテストが営業利益2.1倍と爆発的な伸びを見せる一方、SCREEN23.0%減益と苦戦。業界全体では、単なる「装置の販売」から「高付加価値化と保守サービス」へ稼ぎ方がシフトしています。

業界全体の動き:AI特需と「二極化」の波

半導体製造装置業界を動かした共通テーマは以下の3点です。

  • 生成AI向け投資の爆発的拡大

データセンター用のAIサーバー需要が世界中で加速しました。特にアドバンテストディスコの製品が不可欠となっています。

  • 高付加価値化による利益率の向上

先端半導体向けは装置が複雑で単価が高いです。これが各社の高い営業利益率を支える源泉となりました。

  • 中国・米国市場の投資停滞

汎用的なロジック半導体向けは、地政学リスクや景気減速で伸び悩みました。この影響を強く受けたのがSCREENです。

営業利益ランキング

業界平均

アドバンテストが売上の規模に比して極めて高い利益を出し、王者の東京エレクトロンに肉薄しています。

営業利益率ランキング

業界平均

レーザーテックを筆頭に3社が40%を超える異常な高収益を実現。独占的な技術力の強さが分かります。

売上高 前年同期比

業界平均

アドバンテストとディスコの2社のみがAIの波に乗り、2桁以上の成長を遂げる「二極化」が鮮明です。

純利益 前年同期比

業界平均

アドバンテストの105%増が際立つ一方、大手2社がマイナス成長に沈む、市場環境の激変を映した結果です。

勝者と敗者:利益110%増の独走と23%減の苦境

明暗を分けたのは「AI特化」の度合いです。

  • 勝者:アドバンテスト

営業利益は前年比110.8%増3,460億円。過去最高を更新しました。AI用メモリ「HBM」の検査需要を独占的に取り込み、利益率も43.2%と驚異的です。

  • 苦戦:SCREENホールディングス

営業利益は前年比23.0%減774億円。主力である中国・米国向けの洗浄装置が振るいませんでした。将来への固定費負担も重なり、利益率が18.2%まで低下しました。

アドバンテスト

勝者

アドバンテスト

SCREEN

苦戦

SCREENホールディングス

注目の動き・戦略比較:攻めの還元と安定収益

各社は次なる成長に向けた独自戦略を打ち出しています。

  • 東京エレクトロン:資本政策の転換

減益ながら、1,500億円の自社株買いを発表。攻めの株主還元で投資家を惹きつけています。

  • レーザーテック:ストック型ビジネスへの進化

装置販売は横ばいですが、保守サービス売上が35%超の伸び。収益の安定感を高めています。

  • ディスコ:圧倒的なシェアと技術力

切断・研削装置で世界トップ。10-12月期の出荷額は四半期で過去最高を記録しました。

業界共通のリスク:光の裏に潜む影

全社が共通して抱えるリスクは無視できません。

  • 地政学リスク:米中対立による輸出規制の強化
  • 為替変動:円高進行による海外売上高の目減り
  • 開発費の増大:次世代技術への巨額投資による利益圧迫

売上高ランキング

業界平均

東京エレクトロンが1.7兆円超で首位を維持するも、成長率では46%増のアドバンテストが猛追しています。

就活生・転職希望者へ:驚異の高収益とやりがい

この業界は「日本で最も稼ぐ力がある」セクターの一つです。

  • 年収水準の高さレーザーテックアドバンテストなど、営業利益率40%超の企業は給与還元も期待大です。
  • グローバルな舞台:売上の大半が海外。世界最先端のAI進化を裏方から支える醍醐味があります。