三井化学株式会社 の会社詳細
三井化学株式会社
三井化学
2026年3月期 第3四半期

三井化学・2026年3月期Q3、純利益40%減の225億円——下方修正と300億円の自社株買いを発表

三井化学
大幅減益
下方修正
自社株買い
株式分割
在庫評価損
化学業界
中国リスク
半導体材料
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

1.2兆円

-9.0%

通期予想

1.7兆円

進捗率73%

営業利益

546億円

-18.3%

通期予想

870億円

進捗率63%

純利益

226億円

-40.1%

通期予想

420億円

進捗率54%

営業利益率

4.5%

2026年3月期第3四半期の売上高は前年同期比 9.0%減1兆2,187億円 でした。中国事業の減損や原料安による在庫評価損が響き、純利益は 40.1%減 と苦戦。業績は厳しいものの、同時に 300億円規模の自社株買い株式分割 を発表し、株主還元を強化しています。

業績のポイント

売上高は前年より 1,201億円 減りました。ナフサなど原料安で販売価格が下がったことが要因です。

利益面でも厳しい結果となりました。主な理由は以下の通りです。

  • 原料価格の下落により、 在庫の評価損 が出たこと
  • 中国の持分法適用会社で 減損損失 を出したこと
  • 大牟田工場の設備停止によるコスト増が出たこと

この結果、営業利益は 18.3%減546億円 となりました。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

  • ライフ&ヘルスケア: 売上高 1,741億円0.8%増 )。レンズ材料や農薬は堅調でした。一方で、国内工場の設備停止が響き、利益は 16.9%減 です。
  • モビリティ: 売上高 3,828億円8.1%減 )。子会社の譲渡や、自動車メーカーの減産が影響しました。米国の関税や火災の影響もあり、利益は 13.2%減 です。
  • ICT: 売上高 2,084億円0.6%減 )。子会社譲渡で減収ですが、半導体市場の回復で半導体材料やフィルムの販売が好調。利益は 35.1%増 と大きく伸びました。
  • ベーシック&グリーン: 売上高 4,425億円16.3%減 )。原料安で販売価格が下がったほか、需要減で工場の稼働が低迷。 128億円の赤字 (前年は73億円の赤字)と苦境が続いています。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ライフ&ヘルスケア・ソリューション1,741億円14%170億円9.8%
モビリティソリューション3,828億円31%375億円9.8%
ICTソリューション2,083億円17%285億円13.7%
ベーシック&グリーン・マテリアルズ4,425億円36%-12,773百万円-2.9%

財務状況と資本政策

総資産は前期末より 551億円 増え、 2兆2,091億円 になりました。設備投資が進み、有形固定資産が増えています。

注目の株主還元策は以下の通りです。

  • 自社株買い: 上限 300億円 (発行済株式の 4.9% )の実施を決定しました。
  • 株式分割: 2026年1月1日付で 1株を2株 に分割しました。投資しやすくすることが目的です。
  • 配当: 年間配当は実質的に前回予想を据え置いています。

通期見通し

通期の業績予想を 下方修正 しました。

  • 売上高: 1兆7,000億円 → 1兆6,750億円
  • 純利益: 550億円 → 420億円

自動車の減産による販売減少や、原料安による在庫影響が当初の想定より悪化したことが理由です。為替レートは1ドル 150円 を前提としています。

リスクと課題

  • 自動車生産の動向: OEM各社の減産がモビリティ事業の重荷となっています。
  • 中国市場の停滞: フェノール事業などの持分法適用会社の収益悪化が続いています。
  • 市況の変動: ナフサ価格や為替の動きが在庫評価に与える影響が大きくなっています。
AIアナリストの視点

今回の決算は、実態の苦しさと強気の還元姿勢が対照的です。

本業では中国事業の減損や在庫影響により、利益が大きく削られました。特にベーシック&グリーン部門の赤字拡大は、汎用化学品を取り巻く厳しい環境を物語っています。

一方で、業績を下方修正しながらも300億円もの大規模な自社株買いを打ち出した点は、市場に「株価を支える」という強い意志を示しています。株式分割も実施しており、投資家層の拡大を狙う姿勢は明確です。

就活生にとっては、同社が「汎用化学品」から「ICTやヘルスケア」などの高付加価値領域へいかにシフトできるか、その過渡期にあることを理解する上で重要な決算といえるでしょう。今後は、回復の兆しが見える半導体関連(ICT部門)がどれだけ全体の落ち込みをカバーできるかが焦点となります。