2026年3月期 第3四半期
HOYA・2026年3月期Q3、純利益32%増の1,988億円——主力事業好調、1,000億円の自社株買い発表
HOYA
増収増益
自社株買い
半導体
メガネレンズ
高収益
IFRS
株主還元
7741
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
6,996億円
+7.8%
通期予想
9,400億円
進捗率74%
営業利益
2,501億円
+30.1%
通期予想
3,240億円
進捗率77%
純利益
1,989億円
+32.1%
通期予想
2,540億円
進捗率78%
営業利益率
35.7%
売上収益は前年比 7.8%増、純利益は 32.1%増 と大幅な伸びを達成しました。半導体向け部材やメガネレンズの販売が好調なほか、一過性の利益も大きく貢献しています。株主還元として 上限1,000億円の自社株買い を決定し、成長と還元の両立を打ち出しました。
業績のポイント
売上・利益ともに過去の業績を上回るペースで推移しています。
- 売上収益は 6,996億円(前年同期は 6,492億円)で 7.8%増 となりました。
- 税引前利益は 2,500億円 に達し、前年比で 30.1%増 と大幅に伸びています。
- 中国の合弁会社を予定より安く買収できたため、一過性の利益が出ました。
- 前年にあった減損損失(資産価値の引き下げ)がなくなった反動も影響しています。
- 税引前利益率は35.7% と、製造業として極めて高い水準を維持しています。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
主力である2つの事業がともに増収を確保しました。
- ライフケア事業: 売上 4,356億円(6.1%増)、利益 1,024億円(66.0%増)
- メガネレンズ:欧州で高機能な累進レンズの販売が安定しています。
- コンタクトレンズ:新店効果に加え、自社ブランド品の販売が好調です。
- 医療用内視鏡:欧州は好調ですが、米国では価格競争による影響が出ました。
- 眼内レンズ:日本と欧州で着実に成長が続いています。
- 情報・通信事業: 売上 2,616億円(11.1%増)、利益 1,419億円(8.4%増)
- 半導体用マスク部材:最先端のEUV向け需要が非常に高く、大幅増収です。
- HDD用ガラス基板:データセンター向けが堅調で、2.5型から3.5型への転換が進んでいます。
- 映像関連:ミラーレスカメラ向けレンズの需要が安定して推移しました。
- その他: 音声合成ソフト事業を2025年10月に売却したため、売上は減少しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ライフケア | 4,356億円 | 62% | 1,025億円 | 23.5% |
| 情報・通信 | 2,617億円 | 37% | 1,419億円 | 54.2% |
| その他 | 23億円 | 0% | 43億円 | 186.4% |
財務状況と資本政策
盤石な財務基盤を背景に、積極的な株主還元を継続しています。
- 自己資本比率は 78.7% と、前年末から引き続き高い水準にあります。
- 中間配当は1株 125円(前年同期は 45円)に増額されました。
- 1,000億円を上限とする自社株買い を発表しました(2026年7月まで)。
- 取得した自己株式は、将来的にすべて消却(無効化)する予定です。
リスクと課題
好決算の一方で、以下の懸念点についても言及されています。
- 米国市場での医療用内視鏡における価格低下の圧力。
- 医薬用フィルター(クロマトグラフィー)の一部顧客による在庫調整。
- 世界的な景況感の変化や、為替レートの急激な変動による影響。
- 情報・通信分野における最終製品(スマホ・PC等)の需要動向。
通期見通し
今回、初めて通期の連結業績予想を公表しました。
- 売上収益:9,400億円(前年比 8.5%増)
- 税引前利益:3,240億円(前年比 24.6%増)
- 純利益:2,540億円(前年比 25.7%増)
- 2024年に発生したシステム障害からの回復に加え、円安基調も追い風になる見込みです。
AIアナリストの視点
HOYAの強みである「ニッチ市場での圧倒的シェア」が数字に表れた決算です。特に半導体露光用のマスクブランクス(EUV向け)は世界シェアが極めて高く、AI需要の恩恵を直接的に受けています。
注目すべきは 35%を超える税引前利益率 です。これは一般的な製造業の数倍にあたる驚異的な収益力です。また、今回発表された 1,000億円の自社株買い は、手元資金を有効活用し、ROE(自己資本利益率)を高めようとする経営陣の強い意志を感じさせます。
今後の焦点は、米国での内視鏡価格競争の行方と、データセンター向けHDD基板の伸びがどこまで続くかでしょう。財務的な不安要素は少なく、投資家・就活生ともに「超優良企業」としての評価は揺るがない内容と言えます。
