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ディー・エヌ・エー・2026年3月期Q3、純利益6.8%増の168億円——スポーツ・ライブ配信好調もヘルスケアで巨額減損
株式会社ディー・エヌ・エー
ディー・エヌ・エー
2026年3月期 第3四半期

ディー・エヌ・エー・2026年3月期Q3、純利益6.8%増の168億円——スポーツ・ライブ配信好調もヘルスケアで巨額減損

減収増益
減損損失
増配
スポーツ事業好調
ライブ配信黒字化
ポケモン
株主還元
構造改革
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

1,145億円

-1.9%

通期予想

1,465億円

進捗率78%

営業利益

169億円

-19.5%

通期予想

170億円

進捗率99%

純利益

168億円

+6.8%

営業利益率

14.8%

DeNAの第3四半期累計決算は、売上収益が 1,144億円 (前年同期比 1.9%減 )となりました。スポーツ事業の記録的な集客やライブ配信の黒字化が寄与した一方、ヘルスケア事業で 約99億円の減損損失 を出したことが利益を押し下げました。

業績のポイント

売上収益は 1,144億円 (前年比 1.9%減 )、営業利益は 168億円 (同 19.5%減 )となりました。

  • スポーツ事業とライブストリーミング事業が利益を大きく伸ばしました。
  • 一方で、ヘルスケア事業の将来見通しを見直し、 99億円の減損損失 を出しました。
  • 最終的な純利益は、Cygames等の持分法投資利益が増えたため、 168億円 (同 6.8%増 )を確保しました。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

  • ゲーム事業: 売上 482億円 (前年比 4.5%減 )。新作『Pokémon Trading Card Game Pocket』が貢献しましたが、既存作の減少で 減収増益 となりました。
  • ライブストリーミング事業: 売上 303億円 (前年比 2.0%減 )。「Pococha」で広告費を抑え、収益性を重視した運営に切り替えたことで 黒字化 を達成しました。
  • スポーツ事業: 売上 282億円 (前年比 6.6%増 )。横浜DeNAベイスターズの観客動員数が 過去最多 を更新し、非常に好調でした。
  • ヘルスケア・メディカル事業: 売上 60億円 (前年比 5.9%減 )。子会社の「アルム」にて当初想定の収益が見込めなくなり、巨額の 減損損失 が出ました。
  • 新規事業・その他: 売上 19億円 (前年比 25.4%減 )。AI関連の取り組みなど、将来の成長に向けた投資を続けています。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ゲーム事業483億円42%233億円48.3%
ライブストリーミング事業303億円27%33億円10.9%
スポーツ事業282億円25%56億円19.9%
ヘルスケア・メディカル事業61億円5%-2,539百万円

財務状況と資本政策

総資産は前期末より 192億円 少ない 3,749億円 となりました。売掛金の回収が進んだことが主な要因です。

  • 配当予想の増額: 1株あたり 66円 (前期は65円)に引き上げました。
  • 新配当方針: 資本効率を意識し、DOE(親会社所有者帰属持分配当率) 3% を目標とする方針へ変更しました。

リスクと課題

  • ゲーム市場の競争激化: ヒット作への依存度が高く、既存タイトルの勢い維持が課題です。
  • ヘルスケア事業の立て直し: 巨額減損を出したメディカル領域で、早期に収益モデルを確立する必要があります。
  • 不透明な市場環境: 広告市場や消費動向の変化が、ライブ配信などの利用状況に影響する恐れがあります。

通期見通し

通期の売上予想を 1,465億円 (前期比 10.7%減 )、営業利益を 170億円 (同 41.3%減 )に修正しました。

  • 修正の理由は、今回の ヘルスケア事業での減損損失 を織り込んだためです。
  • ただし、ゲームやスポーツ、ライブ配信の主要3事業は概ね順調に推移しているとしています。
AIアナリストの視点

今回の決算は、DeNAの「事業ポートフォリオの明暗」がくっきりと分かれた内容です。

特筆すべきは、スポーツ事業の圧倒的な強さと、ライブ配信事業の筋肉質な体質への転換です。特にベイスターズの集客力は、単なる興行を超えた収益基盤として確立されています。また、Pocochaが「バラマキ」的な広告から脱却し、利益を出せるフェーズに入ったことは、投資家にとってポジティブな材料でしょう。

一方で、成長の柱として期待されていたヘルスケア(アルム社関連)での巨額減損は痛手です。IT企業が医療領域で収益化することの難しさを改めて示しました。今後は、世界的人気IPを活用したゲームの勢いをどこまで持続できるか、そしてDOE採用による株主還元の強化が、株価を下支えする鍵となりそうです。