株式会社サイバーエージェント の会社詳細
株式会社サイバーエージェント
サイバーエージェント
2026年9月期 第1四半期

サイバーエージェント・2026年9月期Q1、営業利益181%増の233億円——ゲーム事業が急成長、「ABEMA」は初の四半期黒字化

増収増益
ABEMA黒字化
ゲーム事業急成長
過去最高益
サイバーエージェント
ネット広告
メディアミックス
配当増額
アニメIP
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

2,324億円

+14.0%

通期予想

8,800億円

進捗率26%

営業利益

234億円

+181.8%

通期予想

500億円

進捗率47%

純利益

125億円

+145.7%

通期予想

250億円

進捗率50%

営業利益率

10.1%

サイバーエージェントが発表した2026年9月期第1四半期(2025年10〜12月)の連結決算は、売上高が前年同期比 14.0%増2,323億円、営業利益が同 181.8%増233億円 となり、第1四半期として過去最高業績を更新しました。主力のゲーム事業で既存タイトルや海外展開が爆発的な収益を生んだほか、長年投資を続けてきたテレビ配信サービス「ABEMA」を運営する子会社が設立以来初の四半期営業黒字を達成したことが、大幅な増益に寄与しました。ネット広告事業の苦戦を他事業が完全にカバーする、強固な事業ポートフォリオが鮮明となっています。

サイバーエージェント・2026年9月期Q1、営業利益181%増の233億円——ゲーム事業が急成長、「ABEMA」は初の四半期黒字化

業績のポイント

当第1四半期の決算は、売上高・利益ともに力強い成長を遂げ、通期目標に対する好調な滑り出しを見せました。売上高は 2,323億7,700万円(前年同期比 +14.0%)、営業利益は 233億9,500万円(同 +181.8%)と急拡大しています。特に、親会社株主に帰属する四半期純利益は 124億6,200万円(同 +145.7%)に達し、前年同期の 50億7,100万円 から倍以上の水準へと躍進しました。

この好業績を牽引したのは、メディアミックス戦略の成功高い収益性を誇るゲーム事業の復活です。アニメIP(知的財産)と連動したビジネスが国内外で急成長しており、「ABEMA」を中心としたメディア事業の収益基盤が固まってきたことが、全体の利益水準を一段押し上げました。昨今の広告市場の停滞や大型顧客の離脱といった逆風がありながらも、エンターテインメント領域での成長がそれを補って余りある結果となりました。

指標2025年9月期 Q12026年9月期 Q1前年同期比
売上高2,038億円2,323億円+14.0%
営業利益83億円233億円+181.8%
経常利益88億円242億円+174.9%
四半期純利益50億円124億円+145.7%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

セグメント別では、ゲーム事業とメディア事業が顕著な成長を示した一方で、インターネット広告事業が足踏みする対照的な結果となりました。

ゲーム事業は、売上高 647億2,200万円(前年同期比 +69.2%)、営業利益 176億7,500万円(同 +427.2%)という驚異的な伸びを記録しました。既存タイトルの安定した運営に加え、戦略的な海外展開が功を奏し、セグメント利益率は 27.3% と極めて高い水準を維持しています。主力IPのグローバル展開が利益の源泉となりました。

メディア&IP事業では、悲願の「ABEMA」黒字化が達成されました。売上高は 626億1,700万円(同 +12.5%)、営業利益は 49億円(同 +246.1%)と大幅増益です。ABEMA本体に加え、公営競技投票サービスの「WINTICKET」やアニメIP関連事業が重層的に収益を積み上げ、2015年の設立以来、四半期ベースで初の営業黒字を計上したことは、同社の経営戦略における大きな転換点と言えます。

インターネット広告事業は、売上高 1,146億4,200万円(同 2.7%減)、営業利益 43億7,900万円(同 27.2%減)と減収減益となりました。これは、前期の第3四半期に発生した大型顧客1社の離脱影響が残っているためです。市場環境の変化に対し、AIを活用した広告運用の効率化などの対策を進めていますが、利益面では依然として回復の途上にあります。

セグメント売上高 (前年比)営業利益 (前年比)利益率
メディア&IP626億円 (+12.5%)49億円 (+246.1%)7.8%
インターネット広告1,146億円 (-2.7%)43億円 (-27.2%)3.8%
ゲーム647億円 (+69.2%)176億円 (+427.2%)27.3%
投資育成2億円 (-55.1%)△5億円 (赤字転換)---
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
メディア&IP事業626億円27%49億円7.8%
インターネット広告事業1,146億円49%44億円3.8%
ゲーム事業647億円28%177億円27.3%

財務状況と資本政策

当第1四半期末の総資産は 5,246億9,200万円 となり、前期末から 324億7,000万円減少 しました。この主な要因は、法人税の支払いや配当金の実施に伴い、現金及び預金が減少したことによるものです。一方で、負債も未払法人税等の減少により 242億7,300万円減少 しており、財務の健全性は保たれています。

自己資本比率は前期末の 32.3% から 34.8% へと改善しました。同社は株主還元にも積極的な姿勢を示しており、今期の年間配当は前期から 2円増配 となる 1株当たり19円 を予想しています。投資家への還元を強化しつつ、成長投資に必要なキャッシュを確保するバランスの取れた資本政策を維持しています。なお、今四半期はキャッシュ・フロー計算書の作成を省略していますが、現預金残高は 1,891億円 を確保しており、機動的な投資が可能な状態にあります。

通期見通しとリスク要因

2026年9月期の通期連結業績予想については、2025年11月に公表した数値を据え置いています。Q1時点での進捗は極めて良好ですが、ゲーム事業のヒットサイクルや広告市場の変動を考慮し、慎重な見通しを維持しています。

項目通期予想 (下限〜上限)前期実績対前期増減率 (下限)
売上高8,800億円8,744億円+0.7%
営業利益500〜600億円717億円△30.3%
純利益250〜300億円316億円△21.1%

今後のリスクと課題として、以下の点が挙げられます。

  • 広告事業の回復速度: 大型顧客離脱の影響を払拭し、新規顧客開拓とAI活用による単価向上をどれだけ早く進められるか。
  • ゲーム事業の継続性: Q1は極めて好調でしたが、既存タイトルの勢い維持と新規タイトルのヒット率が通期業績を左右します。
  • ABEMAの収益安定化: 初の黒字化を達成したものの、コンテンツ投資と収益のバランスを維持し、安定的な黒字基盤を構築できるかが焦点となります。
AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、長年の「赤字の象徴」であったABEMAがついに営業黒字を達成した点です。単なる配信プラットフォームから、周辺ビジネス(WINTICKETやアニメ出資)を巻き込んだ収益モデルへと進化した証と言えます。

また、ゲーム事業の利益率27%超という数字は、同社の開発・運用能力が依然として業界トップクラスであることを示しています。広告事業の落ち込みをメディアとゲームが完全にカバーした格好で、かつての「広告一本足打法」からの脱却が完全に完了した印象を受けます。

投資家にとっては、増配の継続とABEMAの黒字化定着が今後の大きな買い材料になるでしょう。就活生にとっても、メディア、広告、ゲームという3つの強力な柱を持つ同社の安定感と挑戦的な企業姿勢は、改めて魅力的に映るはずです。