株式会社クリエイトSDホールディングス の会社詳細
株式会社クリエイトSDホールディングス
クリエイトSDホールディングス
2026年5月期 第3四半期

クリエイトSD・2026年5月期Q3、純利益9.1%増の122億円——調剤好調と食品スーパーM&Aが寄与

クリエイトSD
3148
ドラッグストア
増収増益
M&A
調剤薬局
増配
食品スーパー
自己資本比率
EDLP
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

3,662億円

+7.9%

通期予想

4,915億円

進捗率75%

営業利益

171億円

+4.1%

通期予想

241億円

進捗率71%

純利益

122億円

+9.1%

通期予想

163億円

進捗率75%

営業利益率

4.7%

ドラッグストア中堅のクリエイトSDホールディングスが発表した2026年5月期第3四半期(2025年6月〜2026年2月)の連結決算は、売上高が前年同期比7.9%増3,662億1,800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が9.1%増122億500万円となった。既存店における「エブリデイ・ロープライス(EDLP)」戦略の徹底や、収益性の高い調剤部門の伸長、さらに食品スーパーなどのM&Aによる連結範囲の拡大が業績をけん引した。同社は通期でも増収増益を見込んでおり、年間配当は前期比12円増90円を計画している。

業績のポイント

当第3四半期累計期間の業績は、売上高が3,662億1,800万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は171億1,000万円4.1%増)と、着実な成長を遂げた。経常利益についても180億3,600万円6.4%増)となり、すべての段階利益で前年を上回った。国内景気は雇用・所得環境の改善により緩やかな回復傾向にあるものの、物価高騰による消費者の生活防衛意識は根強く、同社が推進する低価格戦略が支持を集める結果となった。

利益面では、光熱費や人件費などの販売管理費が増加したものの、増収による粗利益の積み上げがこれを吸収した。特に調剤部門における処方箋枚数の増加や、各種加算の算定強化が利益率の維持に貢献している。また、前年同期に流行した風邪やインフルエンザの反動減があったものの、生活必需品を中心とした物販部門の既存店売上高が前年を上回って推移したことが、収益の安定感を支えている。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

同社はドラッグストア事業が売上高の9割以上を占めるため、セグメント別の詳細記載は省略しているが、事業別の売上実績からは多角化の進展が見て取れる。主力のドラッグストア事業は売上高3,605億9,400万円(前年同期比7.4%増)と好調だった。新規出店は21店舗、閉鎖は6店舗となり、期末時点の店舗数は802店舗に達した。特に調剤併設型の展開を加速させており、併設薬局数は436店舗(開局20、閉鎖1)まで拡大している。

スーパーマーケット事業は、売上高37億2,100万円(前年同期比99.0%増)と大幅な伸びを記録した。これは2025年10月に栃木県で食品スーパーを展開する「株式会社八百半ホールディングス」を連結子会社化した影響が大きく、生鮮食品のノウハウ取り込みとドミナントエリアの拡大を図っている。介護事業も売上高17億4,600万円4.5%増)と堅調で、接遇の強化により有料老人ホームやデイサービスの稼働率が高水準で推移した。

事業部門売上高(百万円)前年同期比構成比
ドラッグストア事業360,594107.4%98.5%
スーパーマーケット事業3,721199.0%1.0%
介護事業1,746104.5%0.5%
連結合計366,218107.9%100.0%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ドラッグストア事業3,606億円99%
スーパーマーケット事業37億円1%
介護事業17億円1%

財務状況と資本政策

2026年2月末時点の総資産は、前連結会計年度末比48億6,600万円増の2,414億2,800万円となった。新規出店やM&Aに伴い有形固定資産が114億9,100万円増加した一方で、効率的な在庫管理により商品は減少している。負債合計は長期借入金の増加などはあったものの、未払法人税等の減少により15億円減の923億4,000万円に抑制された。

自己資本比率は前期末の60.3%から61.8%へと向上しており、ドラッグストア業界内でも高い財務健全性を維持している。株主還元については、中間配当を45円実施済みであり、期末配当予想の45円と合わせて年間90円を予定している。これは前期実績の78円から実質的な大幅増配となり、安定した収益力を背景に積極的な還元姿勢を示している。

リスクと課題

今後の経営環境において、会社側は以下のリスクを注視している。まず、業界内での大手同士によるM&Aや再編の動きが活発化しており、競合他社との出店競争や価格競争が一段と激しくなることが予想される。これに対し同社は、新中期経営計画「NextSTAGE2030」に基づき、生鮮食品の強化や調剤専門薬局の買収を通じた差別化を急いでいる。

外部環境では、断続的な物価上昇による個人消費の冷え込みが最大のリスク要因である。原材料価格の上昇が仕入価格に波及するなか、消費者の支持を維持するための「EDLP(低価格)」と「利益率の確保」の両立が重要な経営課題となる。また、介護事業や店舗運営における人手不足に伴う人件費の上昇も、中長期的な収益圧迫要因として挙げられている。

通期見通し

2026年5月期の通期連結業績予想について、同社は期初予想を据え置いた。第3四半期までの進捗は売上高で74.5%、営業利益で71.0%となっており、概ね計画通りに推移している。第4四半期に向けても、新規出店効果のフル寄与や、買収した食品スーパーのPMI(買収後の統合プロセス)による相乗効果を見込んでいる。

項目通期予想前期実績増減率
売上高491,500457,327+7.5%
営業利益24,10022,624+6.5%
経常利益24,90023,430+6.3%
当期純利益16,30015,695+3.9%
AIアナリストの視点

クリエイトSDの決算は、派手さはないものの非常に手堅い内容です。特に注目すべきは、ドラッグストアを基盤としつつ、「調剤」と「生鮮食品」の両輪で来店頻度と収益性を高めている点です。

今回、東京都府中市の「サンエフ(調剤薬局)」と栃木県の「八百半(食品スーパー)」を立て続けに買収したことは、単なる規模拡大ではなく、既存店舗の生鮮・調剤機能を強化するための「ノウハウ獲得」としての側面が強いと考えられます。業界再編(ツルハとウエルシアの統合協議など)が加速する中、同社は独自のドミナント戦略を深掘りすることで、大手連合に対抗する姿勢を鮮明にしています。

財務面でも自己資本比率60%超、かつ増配を維持しており、投資家にとっても安心感のある銘柄と言えます。今後は、買収した異業態の統合がどれだけ迅速に進み、主力店舗へのシナジーとして現れるかが焦点となるでしょう。