ニトリHD・2026年3月期Q3、営業利益3.3%減の1,044億円——国内客数減が響くも、島忠の収益改善が進む
売上高
6,885億円
-2.5%
通期予想
9,880億円
営業利益
1,045億円
-3.3%
通期予想
1,358億円
純利益
743億円
-2.3%
通期予想
940億円
営業利益率
15.2%
売上高は前年同期比 2.5%減、営業利益は 3.3%減 となりました。国内のニトリ事業で 客数の減少 が響きましたが、島忠事業ではPB商品の拡大により 18.6%の大幅増益 を達成しました。通期では増収増益の計画を据え置いています。
業績のポイント
連結の売上高は 6,885億円(前年同期比 2.5%減)となりました。
営業利益は 1,044億円(同 3.3%減)と、わずかに前年を下回りました。
国内ニトリ事業において、客数が前年を下回ったことが主な原因です。
物価上昇により消費者の 買い控え が続いており、厳しい環境です。
一方で、コスト削減や商品の小型化による輸送効率の向上を進めています。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- ニトリ事業: 売上高 6,131億円(前年同期比 1.5%減)、利益 964億円(同 4.8%減)。店舗数は増えましたが、客数の減少を補えませんでした。新たな商品提案が不足していたと分析しており、新商品の投入を急いでいます。
- 島忠事業: 売上高 860億円(前年同期比 7.6%減)、利益 81億円(同 18.6%増)。売上は減りましたが、利益は大きく増えました。プライベートブランド(PB)商品の比率が高まり、利益率が改善 したためです。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ニトリ事業 | 6,131億円 | 89% | 964億円 | 15.7% |
| 島忠事業 | 860億円 | 13% | 81億円 | 9.4% |
財務状況と資本政策
総資産は 1兆5,795億円 となり、前期末より 501億円 増えました。
現金及び現金同等物は、前期末から 321億円 増えて 1,681億円 です。
配当については、2025年10月に実施した 1株につき5株の株式分割 を考慮し、実質的な増配を継続する方針です。
分割後ベースでの期末配当予想は 15.40円 となっています。
リスクと課題
- 消費意欲の低下: 耐久消費財に対する購買意欲の低下が続いています。
- コスト高の継続: 人件費の高騰や、原材料価格・物流コストの上昇が利益を圧迫します。
- 外部環境の変化: 米国の通商政策や、為替市場の変動が景気の下振れリスクとなります。
- 競争の激化: 業種を超えた販売競争が激しく、常に 価格競争力 の強化が求められています。
通期見通し
通期の業績予想は、期初からの数値を据え置いています。
売上高 9,880億円(前期比 6.4%増)、営業利益 1,358億円(同 15.4%増)を目指します。
年度末に向けて、全商品の約3分の1を新商品に入れ替えることで、客数の回復を狙う戦略です。
ニトリHDは、今回の決算で「お客様の期待に十分応えられていなかった」と極めて率直な自己分析を示しています。この危機感こそが同社の強みであり、商品開発の組織変更や新商品比率の大幅な引き上げ(3月末に3分の1まで拡大)といった具体的な打ち手へのスピード感に繋がっています。
注目すべきは島忠事業の変貌です。売上が減少する中でも大幅な増益を達成しており、ニトリ流のPB開発と経営効率化が着実に浸透していることが伺えます。
今後は、2025年10月の1:5という大規模な株式分割により投資家層が広がる中で、下半期に掲げた「新商品投入による客数奪還」がどれだけ数字に現れるかが焦点となります。円安やコスト高という逆風下で、いかに「お、ねだん以上。」を再定義できるかが試されています。
