イオン株式会社 の会社詳細
イオン株式会社
イオン
2026年2月期 第3四半期

イオン・2026年2月期Q3、営業利益23.1%増の1,447億円——営業収益・営業利益ともに過去最高を更新、ツルハHDを子会社化

過去最高益
増収増益
ツルハHD
M&A
株式分割
ドラッグストア再編
トップバリュ
ブラックフライデー
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

7.7兆円

+3.7%

通期予想

10.7兆円

進捗率72%

営業利益

1,447億円

+23.1%

通期予想

2,750億円

進捗率53%

純利益

-10,928百万円

通期予想

600億円

進捗率-18%

営業利益率

1.9%

累計期間の営業収益は前年比 3.7%増7兆7,494億円営業利益23.1%増1,447億円と過去最高を超えました。PB商品「トップバリュ」の拡充や大規模セールが奏功したほか、ツルハHDの連結子会社化によりドラッグストア業界での圧倒的シェア確立へ舵を切っています。

業績のポイント

収益と本業の儲けを示す利益の両方で、第3四半期として過去最高の数字を出しました。

  • 営業収益7兆7,494億円(前年同期は 7兆4,705億円)に届きました
  • 営業利益1,447億円(前年比 23.1%増)と大きく伸びました
  • 物価高による節約志向に対し、PB商品の値下げや増量企画で客数を維持しました
  • 一方で親会社株主に帰属する利益は 109億円の赤字ですが、前年の 174億円の赤字から改善しています

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

すべての事業部門で増収を達成し、特に金融やディベロッパー事業が全体の利益を押し上げました。

  • GMS(総合スーパー)事業: 営業損失は 116億円。PB拡充で利益率は改善したが、衣料品などの苦戦で赤字が残りました
  • SM(スーパーマーケット)事業: 営業利益は 132億円(前年比 13.5%増)。「いなげや」の連結化や価格訴求が寄与しました
  • DS(ディスカウントストア)事業: 営業利益は 44億円。低価格戦略で客数は伸びたが、物流費上昇が響き、前年をわずかに下回りました
  • ヘルス&ウエルネス事業: 営業利益は 273億円(前年比 20.7%増)。処方箋枚数の増加やPB商品の好調が利益を支えました
  • 総合金融事業: 営業利益は 404億円(前年比 5.5%増)。国内のカードショッピング取扱高が 5兆8,717億円と好調でした
  • ディベロッパー事業: 営業利益は 493億円(前年比 27.5%増)。ブラックフライデー等の集客イベントが成功し、過去最高益です
  • サービス・専門店事業: 営業利益は 208億円(前年比 25.8%増)。「イオンファンタジー」等の既存店売上が大きく伸びました
  • 国際事業: 営業利益は 57億円。ベトナムは好調でしたが、マレーシアでの節約志向や中国の競争激化が重荷となりました
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
GMS事業2.7兆円35%-11,645百万円
SM事業2.3兆円30%132億円0.6%
DS事業3,227億円4%45億円1.4%
ヘルス&ウエルネス事業1.0兆円13%273億円2.7%
総合金融事業4,188億円5%405億円9.7%
ディベロッパー事業3,868億円5%493億円12.7%
サービス・専門店事業5,660億円7%209億円3.7%

財務状況と資本政策

ツルハHDの買収に関連する資産増が見られますが、財務の安定性は維持されています。

  • 総資産14兆6,927億円。銀行業の貸出金増や有価証券の増加で前期末より増えています
  • 自己資本比率7.9%。金融事業を除くベースでは 14.8% となっています
  • 配当は年間で実質増配の予定です。2025年9月に1株を3株にする株式分割を実施しました
  • 分割考慮後の期末配当予想は 7円。分割前換算では中間 20円+期末 21円=合計 41円となり、前期の 40円から増えます

リスクと課題

好調な業績の一方で、外部環境の変化によるコスト増が課題となっています。

  • 人件費や物流費、エネルギーコストの上昇による販管費の増加
  • 消費者の節約志向の強まりによる、小売部門の荒利益率の低下懸念
  • 中国経済の減速や地政学リスクに伴う海外事業の先行き不透明感

戦略トピック:ツルハHDの連結子会社化

2026年1月にツルハHDへの公開買付け(TOB)が成立しました。

  • ウエルシアHDとツルハHDを統合し、2032年に売上高 3兆円、アジアNo.1を目指します
  • ドラッグストアの調達・物流網を共通化し、圧倒的なコスト競争力を生み出す計画です
  • 地域の「生活インフラ」としての機能を強め、調剤やヘルスケア領域で収益を拡大させます
AIアナリストの視点

イオンの底力が示された決算です。物価高で家計が苦しい中、PB「トップバリュ」の値下げや増量という『顧客の味方』を徹底した姿勢が、結果的に過去最高の営業収益につながりました。

最大の注目点は、ついに完了したツルハHDの連結子会社化です。これにより、イオングループは小売だけでなく「ヘルス&ウエルネス」という巨大な成長エンジンを手に入れました。ドラッグストア業界の再編は同社が主導する形となり、今後は調達の規模を活かした利益率の改善がどこまで進むかが焦点となります。

懸念されるのは、利益の多くをディベロッパーや金融といった「小売以外」が稼いでいる構造です。本業のGMS事業での黒字定着と、海外(特に中国)事業の立て直しが、グループ全体の純利益をプラスに乗せるための不可欠な課題と言えるでしょう。