株式会社しまむら の会社詳細
株式会社しまむら
しまむら
2026年2月期 通期

しまむら・2026年2月期通期、売上高が初の7,000億円突破で過去最高更新——PB強化と価格改定が奏功、1対3の株式分割も実施

しまむら
最高益更新
株式分割
プライベートブランド
アパレル
増収増益
株主還元
台湾展開
インフルエンサーコラボ
デジタル化
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

7,000億円

+5.2%

通期予想

7,292億円

進捗率96%

営業利益

615億円

+3.8%

通期予想

668億円

進捗率92%

純利益

445億円

+6.1%

通期予想

473億円

進捗率94%

営業利益率

8.8%

衣料品販売大手のしまむらが30日に発表した2026年2月期連結決算は、売上高が前期比 5.2%増7,000億3,400万円 となり、創業以来初めて7,000億円の大台を突破した。高付加価値なプライベートブランド(PB)の拡充やインフルエンサーとのコラボ企画が寄与し、営業利益も同 3.8%増614億8,300万円 と過去最高を更新している。消費者の節約志向が根強い中、<u>「価値と価格のバランス」を重視した商品戦略</u>が支持を集め、増収増益を達成した。

業績のポイント

2026年2月期の業績は、売上高が 7,000億3,400万円(前期比 +5.2%)、営業利益が 614億8,300万円(前期比 +3.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益が 444億6,000万円(前期比 +6.1%)といずれも過去最高を更新した。期前半は記録的な猛暑により夏物が好調に推移した一方、秋口の気温低下が遅れたことで苦戦を強いられた。しかし、11月以降の防寒需要を的確に捉えた冬物の販売が伸び、通期での増収増益を確保している。

利益面では、原材料価格の高騰や物流費の上昇という逆風があったものの、ASEAN地域での生産比率拡大による仕入原価の抑制が奏功した。また、主力PB「CLOSSHI(クロッシー)」において、機能性と付加価値を高めた高価格帯商品の展開を強化したことで、一点単価の上昇につながった(前期比 +X%)。

項目2025年2月期2026年2月期前期比
売上高6,653億円7,000億円+5.2%
営業利益592億円614億円+3.8%
経常利益605億円636億円+5.1%
当期純利益418億円444億円+6.1%

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

主力の「しまむら事業」は、売上高が 5,196億5,800万円(前期比 +4.4%)と堅調に推移した。夏場の「FIBER DRY(ファイバードライ)」や冬場の「FIBER HEAT(ファイバーヒート)」といった季節の看板商品が高い支持を得たほか、姿勢サポートブラジャーなどの新ヒット商品も誕生した。オンラインストアでは「店舗受取サービス」の利用率が高水準を維持し、EC経由の来店客による<u>「あわせ買い」が実店舗の売上を押し上げる相乗効果</u>も見られた。

ヤングカジュアルを展開する「アベイル事業」は、売上高 703億5,200万円(前期比 +6.6%)と高い伸びを示した。インフルエンサーや人気キャラクターとのコラボレーション商品を一段と拡大したことが、若年層の集客に直結している。ベビー・子供用品の「バースデイ事業」も、売上高 813億9,400万円(前期比 +6.4%)と順調だった。25周年記念企画や地域特性に応じた品揃えの徹底が奏功し、競合他社との差別化が進んでいる。

海外(台湾)の「思夢樂事業」は、売上高 103億3,200万円(前期比 +17.3%)と大きく伸長した。日本企画のPBやJB(共同開発ブランド)の導入に加え、台北市内への新規出店が成功し、現地での認知度が急速に向上している。

セグメント名売上高前期比営業利益営業利益率
しまむら事業5,196億円+4.4%473億円9.1%
アベイル事業703億円+6.6%46億円6.5%
バースデイ事業813億円+6.4%71億円8.7%
思夢樂(台湾)103億円+17.3%6億円5.8%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
しまむら事業5,197億円74%474億円9.1%
アベイル事業704億円10%46億円6.5%
バースデイ事業814億円12%71億円8.7%
思夢樂事業(台湾)103億円2%6億円5.8%

財務状況と資本政策

総資産は前期末比 124億7,700万円減5,546億6,700万円 となった。これは主に、自己株式の取得による現金及び預金の減少(-720億1,500万円)によるものである。一方で、新規出店や既存店改装に伴う建物及び構築物は 79億4,600万円 増加しており、成長投資は着実に継続している。自己資本比率は 88.1% と極めて高い水準を維持し、盤石な財務基盤を誇っている。

株主還元については、大幅な拡充を打ち出している。2026年2月期の年間配当は前期比15円増の 215円(中間100円・期末115円)とした。さらに、2026年2月21日付で 1対3の株式分割 を実施した。これにより、投資単位当たりの金額を引き下げ、<u>個人投資家の売買活性化と投資家層の拡大</u>を図る狙いだ。分割後の次期配当予想は年間 80円 としており、実質的な増配基調を維持する経営判断を示した。

リスクと課題

今後の経営課題として、しまむらは以下のリスク要因を挙げている。第一に、原材料価格の高騰と為替変動の影響である。ASEAN生産の拡大でコスト抑制を図るものの、円安が進行した場合には仕入原価の上昇が避けられない。第二に、記録的な猛暑や暖冬といった異常気象への対応だ。気温変化による需要の乖離を最小限に抑えるため、<u>「気温に左右されにくい売上作り」</u>に向けた商品サイクルや販促の精度向上が急務となっている。

また、物流業界の「2024年問題」に伴う物流費の上昇も懸念材料である。同社は物流センターの再構築やデジタル化による配送効率の向上を進めているが、コスト増を吸収しきれるかが焦点となる。競争環境においては、国内の人口減少に伴う市場縮小を見据え、都市部への出店強化やECと実店舗を融合させた「オムニチャネル戦略」の加速が持続的成長の鍵を握る。

通期見通し

2027年2月期の連結業績予想は、売上高 7,291億9,300万円(前期比 +4.2%)、営業利益 668億4,200万円(前期比 +8.7%)と、さらなる最高益更新を見込む。中期経営計画2027の最終年度として、既存店売上の伸長と積極的な新規出店(グループ計65店舗を予定)を推進する。デジタル技術を活用した店舗オペレーションの効率化により、労働生産性の向上も図る方針だ。

項目前期実績今期予想増減率
売上高7,000億円7,291億円+4.2%
営業利益614億円668億円+8.7%
親会社株主に帰属する純利益444億円473億円+6.4%
AIアナリストの視点

しまむらの決算は、消費者の実質賃金が伸び悩む中で「安さ」だけでなく「品質・機能性」を両立させたPB戦略が完全に定着したことを示しています。

特筆すべきは、1対3の株式分割と、それに伴う投資家層の拡大への意欲です。小売セクターの中でも極めて高い自己資本比率(88.1%)を背景に、強気な還元姿勢を見せています。

懸念点としては、決算短信でも触れられている「天候依存度」の高さです。今期も秋口の気温低下遅延がリスクとして顕在化しており、商品投入サイクルのさらなる柔軟化が、さらなる高み(売上高7,000億円超の維持)への条件となるでしょう。

就活生の視点では、デジタル化(自動釣銭機や床清掃ロボットの導入)による徹底的な効率化と、海外展開(台湾の好調)が今後のキャリアにおける成長分野として注目ポイントになります。