ヨネックス株式会社 の会社詳細
ヨネックス株式会社
ヨネックス
2026年3月期 第3四半期

ヨネックス・2026年3月期第3四半期、売上・営業利益ともに過去最高——アジアのバドミントン需要が牽引、通期予想を据え置き

ヨネックス
スポーツ用品
バドミントン
過去最高益
アジア成長
増収増益
配当増額
海外展開
テニス
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

1,205億円

+18.4%

通期予想

1,620億円

進捗率74%

営業利益

129億円

+13.5%

通期予想

162億円

進捗率80%

純利益

96億円

+3.9%

通期予想

116億円

進捗率83%

営業利益率

10.7%

スポーツ用品大手のヨネックスが10日に発表した2026年3月期第3四半期(4〜12月)連結決算は、売上高が前年同期比 18.4%増1,204億7,400万円、営業利益が 13.5%増129億3,200万円 となり、第3四半期累計として過去最高 を更新しました。主力のバドミントン用品がアジア市場で引き続き堅調に推移したほか、テニス用品も契約選手の活躍に伴うブランド認知拡大で販売を伸ばしました。販管費は増加傾向にあるものの、増収による利益の押し上げが上回り、グローバルでの成長加速 が鮮明となっています。

業績のポイント

ヨネックスの業績を牽引したのは、アジアを中心としたグローバルなスポーツ需要の拡大です。主力であるバドミントン用品は、競技人気の継続を背景にラケットやウェアの販売が大きく伸長しました。テニス用品についても、国際大会での契約選手の活躍をフックとしたマーケティング戦略が奏功し、シューズやストリングなどの周辺用品を含めてブランド力が高まっています。

利益面では、ブランド認知拡大に向けた広告宣伝費や、体制強化に伴う人件費といった販管費が拡大しましたが、これを大幅な増収による売上総利益の増加でカバーしました。第3四半期までの累計期間において、売上高・各利益項目すべてで過去最高を計上しており、通期計画に対する進捗も概ね順調に推移しています。

項目2025年3月期 Q32026年3月期 Q3前年同期比
売上高1,017億円1,204億円+18.4%
営業利益113億円129億円+13.5%
経常利益114億円127億円+11.0%
四半期純利益92億円96億円+3.9%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

セグメント別では、最大の収益源であるアジア地域が圧倒的な成長を見せました。中国販売子会社を中心に、草の根の販促活動や「Head to Toe(頭からつま先まで)」を掲げた総合提案を強化した結果、アジア全体の売上高は 634億7,800万円(前年同期比 +25.7%)と急増しました。現地通貨ベースでの好調に加え、日本から海外への輸出拡大も利益に寄与しています。

日本国内においても、バドミントン・テニス共に堅調な需要が継続しています。国内売上高は 461億5,300万円(前年同期比 +10.4%)となり、ラケットだけでなくバッグやシューズなど高単価な周辺用品の買い替え需要を捉えました。これにより、日本セグメントの利益も 27億1,000万円(同 +21.9%)と大幅な増益を達成しました。

一方で、北米地域は増収ながらも 先行投資による減益 となっています。ECサイトや直営ポップアップストアといったDTC(直接販売)施策の強化、およびマーケティング投資を優先したことで、売上高は 19.8%増 と伸ばしたものの、営業利益は 4億1,900万円(同 28.6%減)に留まりました。欧州は契約選手のブランド認知向上により、売上・利益ともに増収増益を確保しています。

セグメント(売上高)2026年3月期 Q3前年同期比営業利益前年同期比
日本461億円+10.4%27億円+21.9%
アジア634億円+25.7%90億円+14.0%
北米58億円+19.8%4億円△28.6%
ヨーロッパ45億円+10.9%4億円+4.3%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
スポーツ用品事業(日本)462億円38%27億円5.9%
スポーツ用品事業(アジア)635億円53%91億円14.3%
スポーツ用品事業(北米)58億円5%4億円7.2%
スポーツ用品事業(ヨーロッパ)45億円4%4億円9.3%

財務状況と資本政策

2025年12月末時点の総資産は、前期末比 141億2,000万円増1,236億7,100万円 となりました。業績好調に伴う現金及び預金の積み上がりに加え、生産能力増強に向けた有形固定資産の取得が進んだことが主な要因です。一方で、長期借入金の増加により負債も拡大しましたが、自己資本比率は 61.8% と引き続き高い水準を維持しており、健全な財務体質を堅持しています。

株主還元については、年間配当24円(前期比2円増配) とする方針に変更はありません。中間配当12円に加え、期末配当も12円を予想しています。同社は「中長期ビジョン Global Growth Strategy (GGS)」に基づき、成長投資と株主還元のバランスを重視しており、安定的な配当維持と業績連動の両立を目指す構えです。

通期見通し

2026年3月期の通期連結業績予想については、昨年11月に公表した数値を据え置きました。第3四半期までの利益進捗は良好ですが、今後の外部環境や不確実性を考慮した判断となります。売上高は 1,620億円(前期比 17.2%増)、営業利益は 162億円(同 14.3%増)を見込んでおり、過去最高業績の更新 を目指す計画に変わりはありません。

項目前期実績 (FY24)今期予想 (FY25)前期比
売上高1,381億円1,620億円+17.2%
営業利益141億円162億円+14.3%
親会社株主に帰属する純利益105億円116億円+9.5%

リスクと課題

今後の懸念材料として、為替変動の影響が挙げられます。第3四半期においては、海外子会社の決算取り込み時に円高方向へ推移したことが、連結業績の下押し要因となりました。また、グローバルでの競争激化に伴う広告宣伝費の増大や、人件費の上昇によるコスト増が、売上成長を上回るペースで推移しないかどうかが注視されます。特に北米などの成長途上市場における投資対効果の最大化が、次期以降の利益成長の鍵を握ります。

AIアナリストの視点

ヨネックスの決算は、非常に「筋肉質な成長」を感じさせる内容です。特に中国を含むアジア市場でのバドミントン人気の波を完全に捉えており、売上高の伸長率(+18.4%)が非常に高いことがポジティブに評価されます。

注目すべきは北米市場の動向です。売上が2割近く伸びている一方で利益が3割近く減っているのは、典型的な「成長のための投資フェーズ」にあることを示しています。ここでブランド地位を確立できれば、アジア一辺倒ではない収益構造の多極化が期待できます。

懸念点は販管費の増加スピードですが、粗利益率を維持できていることから、価格転嫁やブランド価値の訴求は順調に進んでいると推察されます。円高懸念という言及はありましたが、実需の強さがそれを補って余りある状態といえるでしょう。