東京海上HD・2026年3月期Q3、純利益0.5%増の8,992億円——海外事業が成長をけん引、通期予想を上方修正
売上高
6.7兆円
+6.8%
営業利益
1.2兆円
-1.4%
通期予想
1.4兆円
純利益
8,993億円
+0.5%
通期予想
1.0兆円
営業利益率
18.0%
東京海上ホールディングスの第3四半期決算は、売上にあたる経常収益が前年より 6.8% 伸びました。海外事業が好調に推移し、利益はほぼ横ばいながらも 過去最高水準の利益 を維持しています。政策保有株式の売却が進むことを背景に、通期の利益予想を 1,100億円 上乗せしました。
業績のポイント
全体の業績は、売上高が 6兆6,742億円 (前年比 6.8%増 )となりました。
利益面では、経常利益が 1兆2,024億円 (前年比 1.4%減 )とわずかに減りました。
一方で、最終的な儲けを示す純利益は 8,992億円 (前年比 0.5%増 )とプラスを確保しました。
国内での収益が一部落ち込みましたが、海外事業の成長 がそれを補う形となりました。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- 国内損害保険事業: 利益は 6,904億円 (前年より 1,330億円 減った)でした。保険料の収入が減ったことが主な原因です。
- 国内生命保険事業: 利益は 1,172億円 (前年より 813億円 増えた)でした。資産の運用がうまくいき、大幅に利益が伸びました。
- 海外保険事業: 利益は 3,863億円 (前年より 330億円 増えた)でした。北米を中心に保険料の引き上げが進み、事業が拡大しています。
- ソリューション・その他: 利益は 83億円 (前年より 19億円 増えた)でした。新しい事業領域でも着実に利益が出ています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内損害保険事業 | 2.9兆円 | 44% | 6,904億円 | 23.5% |
| 国内生命保険事業 | 4,239億円 | 6% | 1,173億円 | 27.7% |
| 海外保険事業 | 3.4兆円 | 51% | 3,863億円 | 11.4% |
財務状況と資本政策
総資産は 31兆8,541億円 となり、前期末から 6,168億円 増えました。
健全性を示す自己資本比率は 16.7% で、前期末の 16.3% から向上しています。
配当については、年間で1株あたり 211円 を予定しています。
これは前年の 172円 と比べて 39円 の大幅な増配となります。
また、持ち合い株(政策保有株式)を 7,210億円 売却する計画を立てています。
リスクと課題
- 自然災害の影響: 国内で 740億円 、海外で 730億円 の支払いを見込んでいます。
- 市場の変動: 株価の下落や金利の変化が、運用利益を減らす恐れがあります。
- 為替の動き: 円高が進むと、海外で稼いだ利益の円換算額が減ってしまいます。
通期見通し
通期の利益予想を 上方修正 しました。
最終利益の予想を従来の 9,100億円 から 1兆200億円 に引き上げています。
修正の理由は、好調な事業環境に加え、政策保有株式の売却益 が増える見込みだからです。
これにより、当初の予定よりも高い利益水準を達成する見通しとなりました。
今回の決算で最も注目すべきは、国内の減益分を海外事業でカバーする「分散の効いたビジネスモデル」の強さです。
特に、政策保有株式の売却を加速させ、それを資本効率の向上や株主還元に充てる姿勢は、投資家から高く評価されるポイントでしょう。
就活生の視点では、単なる日本の損保会社ではなく、利益の約4割を海外で稼ぎ出す「グローバル企業」としての側面を理解しておくことが重要です。
懸念点は自然災害による支払いリスクですが、これも海外事業の規模拡大によって、地域的なリスク分散が図られています。
