住友不動産株式会社 の会社詳細
住友不動産株式会社
住友不動産
2026年3月期 第3四半期

住友不動産・2026年3月期Q3、純利益19.2%増の1,748億円——オフィス賃貸が好調、13期連続の最高益へ

過去最高益
増配
自社株買い
株式分割
オフィスビル
マンション販売
構造改革
不動産大手
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

7,791億円

-0.5%

通期予想

1.1兆円

進捗率74%

営業利益

2,384億円

+10.5%

通期予想

2,950億円

進捗率81%

純利益

1,749億円

+19.2%

通期予想

2,100億円

進捗率83%

営業利益率

30.6%

売上高は前年並みですが、利益面では第3四半期の過去最高を更新しました。都心のオフィス賃貸が絶好調なうえ、マンション販売の利益率も上がっています。大幅な増配自社株買いも実施し、株主への還元を一段と強めた決算です。

業績のポイント

売上高は 7,791億円 (前年比 0.5%減 )とほぼ横ばいでした。

一方で、営業利益は 2,383億円 (同 10.5%増 )と大きく伸びています。

営業・経常・純利益のすべてで、第3四半期としての過去最高を塗り替えました。

都心のオフィス需要が強く、空室率が改善したことが利益を押し上げています。

通期でも13期連続の純利益の最高益更新に向けて、順調なペースです。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

  • 不動産賃貸:売上高 3,437億円 (同 7.2%増 )。東京の既存ビルの空室率が 5.0% (前年末は5.8%)に改善。賃料値上げも浸透し、過去最高益を記録しました。
  • 不動産販売:売上高 2,407億円 (同 9.0%減 )。引き渡し戸数は 2,458戸 (同766戸減)と減りましたが、販売価格の上昇で利益率はさらに良くなりました。
  • ハウジング:売上高 1,325億円 (同 2.9%減 )。受注は苦戦しましたが、来期の回復に向けて営業活動を強化しています。
  • ステップ(仲介):売上高 559億円 (同 2.8%増 )。中古マンションの価格が上がり、1件あたりの手数料(取扱単価)が増えたことで増益となりました。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
不動産賃貸3,438億円44%1,594億円46.4%
不動産販売2,407億円31%687億円28.6%
ハウジング1,326億円17%89億円6.7%
ステップ559億円7%188億円33.5%

財務状況と資本政策

総資産は 7兆932億円 で、前期末から 3,708億円 増えました。

2026年1月付で 1株を2株にする株式分割 を実施しています。

配当は実質的に 16円の増配 (年間86円、前年は70円)を予定しています。

また、約 369億円の自社株買い を実施し、株主還元に積極的な姿勢を見せました。

自己資本比率は 34.1% と、前期末の32.3%から向上しています。

リスクと課題

  • 金利上昇による影響:支払利息が前年より 54億円 増えており、今後の金利動向が利益を削るリスクがあります。
  • ハウジング事業の立て直し:受注棟数が前年を大きく下回っており、新会社による事業強化が急務です。
  • インド事業への投資:インド子会社への追加出資など、海外展開の成否が今後の焦点となります。

戦略トピック

2025年4月付で、リフォームと注文住宅を統合した「住友不動産ハウジング」を分社化します。

両事業の施工体制を共通化し、業務を効率化するのが狙いです。

早期に売上高を5割増やし、 3,000億円 を目指す高い目標を掲げています。

「新築そっくりさん」のブランド力を活かし、成長市場であるリフォーム需要を取り込む戦略です。

AIアナリストの視点

今回の決算で特筆すべきは、売上の伸びを追わず「利益率」を徹底して追求している点です。マンション販売では戸数が減りながらも、価格転嫁によってセグメント利益を 8.9% 伸ばしています。

また、株主還元への意欲が非常に高いです。株式分割と合わせた大幅増配、さらに369億円もの自社株買いは、資本効率の向上を意識している証拠と言えます。

懸念点は有利子負債に伴う利息負担の増加ですが、都心オフィスの空室率が改善傾向にあるため、本業のキャッシュフローで十分にカバーできる範囲内と見られます。ハウジング事業の分社化による立て直しが、来期以降のもう一つの柱になるか注目です。