2025年度 第3四半期
NTT・2025年度Q3、営業利益4.1%増の1兆4,571億円——海外事業が利益を牽引、住信SBIネット銀行を子会社化
増収増益
海外展開
子会社化
銀行業参入
ドコモ
配当増額
スマートライフ
通信業界
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
10.4兆円
+3.7%
通期予想
14.2兆円
進捗率74%
営業利益
1.5兆円
+4.1%
通期予想
1.7兆円
進捗率88%
純利益
9,261億円
+8.9%
通期予想
9,650億円
進捗率96%
営業利益率
14.0%
売上高・利益ともに前年を上回る増収増益を達成しました。特に海外事業の利益が約6割増と大きく伸び、国内の競争激化をカバーしています。また、10月に住信SBIネット銀行を連結子会社化し、金融ビジネスを新たな成長の柱に据える動きが鮮明となりました。
業績のポイント
全体の業績は堅調に推移しました。
- 営業収益は 10兆4,210億円 (前年比 3.7%増)となりました。
- 営業利益は 1,457,145百万円 (前年比 4.1%増)と増益を確保しました。
- 四半期利益は 926,060百万円 (前年比 8.9%増)で着地しました。
海外でのデジタル化需要を捉えたことで、グローバル事業が収益の伸びを支えています。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
各事業で明暗が分かれる結果となりました。
- 総合ICT事業(ドコモ等): 収益は 4兆6,596億円 ( 2.0%増 )ですが、利益は 10.6%減 です。成長への投資や競争対応が響きました。
- グローバル・ソリューション事業: 収益は 3兆6,438億円 ( 6.9%増 )、利益は 62.8%増 と急成長しました。海外企業のIT投資が活発でした。
- 地域通信事業(NTT東・西): 収益は 2兆3,467億円 ( 2.9%増 )、利益も 2.6%増 と安定しています。効率的な運営が実を結びました。
- その他(不動産・エネ等): 収益は 1兆2,183億円 ( 1.4%増 )で、利益はほぼ横ばいの 0.1%減 でした。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 総合ICT事業 | 4.7兆円 | 45% | 7,454億円 | 16.0% |
| グローバル・ソリューション事業 | 3.6兆円 | 35% | 3,842億円 | 10.5% |
| 地域通信事業 | 2.3兆円 | 23% | 3,032億円 | 12.9% |
財務状況と資本政策
銀行の連結化により、バランスシートが大きく変化しました。
- 総資産は 46兆8,347億円 となり、前期末から約 16.7兆円 増えました。
- 住信SBIネット銀行の子会社化により、銀行業の貸出金や預金が計上されています。
- 配当は1株あたり年間 5.3円 を予定し、前期(5.2円)から 増配 する方針です。
- 自己株式の取得も進めており、株主還元への姿勢を維持しています。
戦略トピック:金融事業の本格強化
今決算の最大のトピックは、住信SBIネット銀行の連結子会社化です。
- 2025年10月に、NTTドコモを通じて子会社化を完了しました。
- 銀行業務のノウハウを取り込み、ドコモの経済圏(スマートライフ領域)を広げます。
- 通信だけでなく、金融を軸とした新しい収益源の構築を急ぐ経営判断です。
リスクと課題
成長の一方で、以下のリスクに注視が必要です。
- 国内の携帯電話市場における激しい料金競争の継続。
- 銀行業参入に伴う、金融特有のリスク管理の重要性。
- 大規模な投資に伴う、利払い負担の増加。
AIアナリストの視点
NTTの今決算で最も注目すべきは、単なる増収増益という数字よりも、「通信会社から金融・ITサービス企業への変貌」が加速した点です。
住信SBIネット銀行をグループに引き込んだことで、総資産が46兆円規模まで膨らんでおり、財務構造はもはや通信会社の枠を超えています。ドコモのdポイント経済圏に本格的な銀行機能を組み合わせることで、解約率の低下や手数料収入の拡大を狙う戦略は合理的です。
懸念点は、主力である総合ICT事業(ドコモ等)の利益が2ケタ減となったこと。海外事業が絶好調なうちに、国内の金融シナジーをどれだけ早く数字に繋げられるかが、今後の株価と成長の焦点になるでしょう。
