日本精工・2026年3月期Q3、純利益244%増の135億円——事業買収が大きく寄与
売上高
6,585億円
+10.3%
通期予想
9,000億円
営業利益
274億円
+75.2%
通期予想
370億円
純利益
135億円
+244.5%
通期予想
200億円
営業利益率
4.2%
売上高は前年比 10.3%増、営業利益は 75.2%増 と大幅な増益を達成しました。ステアリング事業の連結子会社化 に伴う一時的な利益が出たほか、自動車向け製品の価格転嫁が進んだことが主な要因です。
業績のポイント
売上高は 6,584億円(前年同期比 10.3%増)となりました。
営業利益は 273億円(同 75.2%増)と大きく伸びています。
親会社株主に帰属する四半期純利益は 135億円(同 244.5%増)でした。
増益の大きな理由は、負ののれん発生益 72億円の発生です。
これは買収した事業の価値より、安い価格で買収できた際に出る利益です。
また、原材料費の上昇分を販売価格に上乗せできたこともプラスでした。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- 産業機械事業: 売上高 2,753億円(前年同期比 1.6%増)
- 日本では工作機械向けが一部回復し、米国では半導体製造装置向けが伸びました。
- 欧州では景気悪化の影響で、販売が振るいませんでした。
- 自動車事業: 売上高 3,025億円(前年同期比 0.8%増)
- 世界的な自動車生産の回復と、価格改定(値上げ) が収益を押し上げました。
- 中国では、電動ブレーキ用の重要部品(ボールねじ)の販売が好調でした。
- ステアリング事業: 売上高 577億円(新規セグメント)
- 2025年9月に買収した「NS&C社」の業績が加わりました。
- 買収に伴う一時的な利益もこの部門に含まれています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 産業機械事業 | 2,754億円 | 42% | 86億円 | 3.1% |
| 自動車事業 | 3,026億円 | 46% | 127億円 | 4.2% |
| ステアリング事業 | 577億円 | 9% | 52億円 | 9.0% |
財務状況と資本政策
総資産は 1兆3,025億円 となり、前期末から 829億円 増えました。
主に事業買収によって、建物や設備、のれんなどの資産が増加したためです。
配当金は、1株当たり年間 34円(中間17円・期末予想17円)を予定しています。
配当方針に修正はなく、安定的な配当 を維持する考えです。
リスクと課題
- 地政学リスク: 各国での関税引き上げの動きが、輸出に悪影響を与える恐れがあります。
- インフレ影響: 原材料費や人件費の高騰が続く中、さらなる価格転嫁が必要な状況です。
- 中国・欧州の景気: 中国の不動産市場の低迷や、欧州の景気足踏みがリスク要因です。
通期見通し
2026年3月期の通期予想を上方修正しました。
- 売上高: 9,000億円(前期比 13.0%増)
- 営業利益: 370億円(同 30.0%増)
- 純利益: 200億円(同 87.8%増)
修正の理由は、ステアリング事業の買収 が完了し、下半期の業績にフルで反映されるためです。
今回の決算で最も注目すべきは、負債を抱えていたステアリング事業を切り離すのではなく、パートナーから買い戻して「攻めの再編」に転じた点です。
営業利益の伸びが非常に大きいですが、その多くは買収に伴う会計上の一時的な利益(負ののれん)によるものです。この「下駄を履かせた状態」を除いた、本業の収益力が今後どこまで回復するかが焦点となります。
特に産業機械部門は欧州市場の冷え込みに苦戦しており、自動車部門での価格転嫁がどれだけ利益を下支えし続けられるかが、来期以降の鍵を握るでしょう。就活生にとっては、古いベアリングメーカーから「電動化・高機能化」へシフトしようとする経営の意思が読み取れる決算と言えます。
