業界ダイジェスト
フューチャー株式会社 の会社詳細
フューチャー株式会社
フューチャー
2026年12月期 第1四半期

フューチャー・2026年12月期Q1、純利益18%増の23億円——金融向け大型案件が牽引、DX需要底堅く増収増益

増収増益
DX投資
金融DX
AIアクセラレータ
赤字縮小
自己資本比率高
増配予想
SBI新生銀行
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

183億円

+5.4%

通期予想

806億円

進捗率23%

営業利益

34億円

+3.0%

通期予想

175億円

進捗率20%

純利益

24億円

+18.0%

通期予想

118億円

進捗率20%

営業利益率

18.8%

フューチャーが発表した2026年12月期第1四半期(1〜3月)の連結決算は、売上高が前年同期比 5.4%増182億6,200万円 、親会社株主に帰属する四半期純利益が同 18.0%増23億5,700万円 となった。主力のITコンサルティング事業において、金融機関向けの次世代基幹システム導入など 大規模なDXプロジェクト が順調に推移したことが増益に寄与した。また、不採算事業の整理やコスト管理の徹底により、ビジネスイノベーション事業の赤字幅が大幅に縮小したことも利益を押し上げる要因となった。

業績のポイント

当第1四半期の連結業績は、売上高 182億6,200万円 (前年同期比 +5.4% )、営業利益 34億3,300万円 (同 +3.0% )と、着実な成長を維持した。企業によるAIを活用したビジネスモデル変革への投資意欲は依然として高く、同社の得意とする IT技術と経営戦略を融合させたコンサルティング が評価されている。

利益面では、売上高成長に加えて 持分法による投資利益 の増加や法人税負担の適正化などが寄与し、最終的な純利益は 23億5,700万円 (同 +18.0% )と大幅な増益を達成した。前年同期に計上された一部子会社の一過性利益が剥落したものの、グループ全体での収益基盤の強化が数字に表れた格好だ。

主要な経営指標の推移は以下の通りである。

項目前年同期実績当期実績前年同期比
売上高173億円182億円+5.4%
EBITDA42億円42億円+1.1%
営業利益33億円34億円+3.0%
純利益19億円23億円+18.0%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

主力である「ITコンサルティング&サービス事業」は、売上高 165億4,200万円 (前年同期比 +6.5% )、セグメント利益 35億4,400万円 (同 -0.4% )となった。金融機関向けクラウド型基幹システム「次世代バンキングシステム」のSBI新生銀行への新規導入が決定するなど、 高単価な大型案件 が成長を牽引している。利益面では、一部子会社での大型案件終了や前年同期の成功報酬の反動減があったものの、主力会社の好調でほぼ前年並みを維持した。

「ビジネスイノベーション事業」は、売上高 16億9,200万円 (前年同期比 -5.1% )、セグメント損失 2,500万円 (前年同期は1億1,800万円の損失)と、 収益性が劇的に改善 した。スポーツ・eコマース事業を展開するYOCABITOにおいて、販売商材の厳選や固定費削減を進めたことが奏功している。ライブリッツでのAI活用推進や、キュリオシティのラグジュアリーブランド向けストアデザイン案件も順調に推移し、黒字化に向けた足固めが進んでいる。

セグメント名売上高前年比営業利益前年比
ITコンサル165.4億円+6.5%35.4億円-0.4%
ビジネスイノベ16.9億円-5.1%△0.2億円赤字縮小
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ITコンサルティング&サービス事業165億円91%35億円21.4%
ビジネスイノベーション事業17億円9%-25百万円-1.5%

財務状況と資本政策

2026年3月末時点の総資産は、前連結会計年度末比 34億7,100万円減少940億1,900万円 となった。主な要因は、配当金の支払いおよび法人税等の支払いにより、現金及び預金が 47億6,900万円減少 したことによるものだ。一方で、利益の積み上げにより利益剰余金が増加し、純資産は 633億5,800万円 (同 6億300万円増 )に拡大した。

自己資本比率は、前年末の 64.4% から 67.4% へと上昇し、極めて 健全な財務体質 を維持している。株主還元については、2026年12月期の年間配当を前年実績から2円増配となる 48円 (中間24円、期末24円)とする予想を据え置いた。キャッシュの創出力を背景に、安定的な配当維持と成長投資の両立を図る経営姿勢が鮮明となっている。

リスクと課題

同社は今後のリスク要因として、以下の点を挙げている。

  • AI技術の急速な進化: 米アンソロピック社の次世代AIモデル公表などを受け、AIによる自律的なソフトウェア開発が普及することで、従来のITサービスモデルが選別される懸念がある。
  • 地政学リスクと物価上昇: 中東情勢によるエネルギー価格高騰や国内の長期金利上昇、深刻な人手不足が顧客の投資判断に影響を及ぼす可能性がある。
  • 人的資本への投資負担: ビジネスモデルの変革に伴い、高度なAIスキルを持つ人材の獲得・育成コストが増加傾向にある。

通期見通し

2026年12月期の通期連結業績予想は、期初公表の数値を据え置いた。売上高は前期比 6.1%増806億円 、営業利益は同 8.2%増175億円 を見込む。第1四半期において、主力のITコンサル事業が計画通りに推移しているほか、AIアクセラレータ「Mark-Ⅰ」の独自開発など 技術的優位性の構築 も進んでおり、通期目標の達成に自信を見せている。

項目前回予想今回修正前期実績
売上高806.0億円806.0億円759.9億円
営業利益175.0億円175.0億円161.7億円
純利益118.0億円118.0億円117.1億円
AIアナリストの視点

フューチャーの今決算で特筆すべきは、単なる数字の伸び以上に「次世代バンキングシステム」という難易度の高い金融DX領域でのプレゼンス拡大です。SBI新生銀行への導入決定は、同行の信頼性を証明する強力な実績(レファレンス)となり、今後の他行展開への強力な武器になるでしょう。

懸念点としては、市場で囁かれる「SaaS不要論」や「AIによる受託開発の代替」ですが、同社は自社でAIアクセラレータ「Mark-I」を開発するなど、むしろ技術の深掘りで差別化を図る戦略をとっています。また、足を引っ張っていたビジネスイノベーション事業の赤字が「その他」の利益貢献によって相殺されつつある点は、投資家にとって安心材料です。

  • コンサルティング単価の維持と、AIによる開発効率向上のバランスが今後の焦点
  • 自己資本比率67%超という盤石な財務を活かした、次なるM&Aや戦略的投資にも注目