業界ダイジェスト
コムシスホールディングス株式会社 の会社詳細
コムシスホールディングス株式会社
コムシスホールディングス
2026年3月期 通期

コムシスHD・2026年3月期、営業利益10.7%増の509億円——IT・モバイル堅調で計画超過、27年3月期も増収増益へ

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コムシスホールディングス
増収増益
通信建設
ITソリューション
5G投資
DX推進
計画超過
受注好調
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

6,306億円

+2.6%

通期予想

6,700億円

進捗率94%

営業利益

509億円

+10.7%

通期予想

540億円

進捗率94%

純利益

363億円

+20.7%

通期予想

378億円

進捗率96%

営業利益率

8.1%

通信建設国内最大手のコムシスホールディングスが12日に発表した2026年3月期通期決算は、営業利益が前期比 10.7%増509億円 となった。ITソリューション事業の二桁成長に加え、NTTドコモ向けのモバイル工事などの 受注が想定を上回り、期初計画(450億円)を 13.1% 上回る着地となった。親会社株主に帰属する当期純利益も前期比 20.7%増363億円 と大幅に伸びており、底堅いインフラ需要を背景に収益性が向上している。

業績のポイント

2026年3月期の業績は、売上高が前期比 2.6%増6,306億円 、営業利益が 10.7%増509億円 と増収増益を達成した。特筆すべきは、利益率の改善である。売上高営業利益率は前期の 7.5% から 8.1% へと上昇し、効率的な工事進捗とコスト管理が功を奏した形だ。

期初に掲げていた通期計画に対しても、売上高で 1.7% 、営業利益で 13.1% の上振れとなった。受注高についても前期比 7.3%増6,856億円 と好調に推移しており、次期への繰越高も 3,199億円 (前期比 20.7%増 )と高い水準を確保している。これにより、中長期的な収益の安定性がさらに高まっている。

項目2025年3月期(実)2026年3月期(実)前期比計画比
受注高6,388億円6,856億円+7.3%+5.5%
売上高6,146億円6,306億円+2.6%+1.7%
営業利益459億円509億円+10.7%+13.1%
当期純利益300億円363億円+20.7%+17.1%

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

主力である通信キャリア事業は、売上高が前期比 1.5%増2,828億円 、営業利益が 13.5%増271億円 となった。このうちNTT設備事業のモバイル分野では、受注高が前期比 44.3%増 と爆発的に伸びており、 5Gネットワークの高度化やエリア拡大需要 を着実に取り込んでいる。一方で、NCC(新電電)設備事業は売上高が 11.4%減 と苦戦したが、NTT向けの堅調さが全体をカバーした。

成長領域と位置付けるITソリューション事業は、売上高が前期比 11.3%増1,386億円 、営業利益が 15.1%増105億円 と二桁の増収増益を記録した。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資やクラウド移行支援が追い風となり、グループ内の「コムシス情報システム」の受注高が 62.9%増 と急拡大したことが大きく寄与している。

社会システム関連事業については、売上高が前期比 1.0%減2,092億円 と微減となったものの、利益面では 2.2%増132億円 を確保した。再生可能エネルギー関連や都市インフラ整備など、公共性の高い案件において選別受注や不採算案件の抑制が進んだことが、利益の安定につながったとみられる。

セグメント売上高前期比営業利益前期比
通信キャリア2,828億円+1.5%271億円+13.5%
ITソリューション1,386億円+11.3%105億円+15.1%
社会システム関連2,092億円▲1.0%132億円+2.2%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
通信キャリア事業2,828億円45%271億円9.6%
ITソリューション事業1,386億円22%105億円7.6%
社会システム関連事業2,092億円33%132億円6.3%

財務状況と資本政策

当期純利益が 363億円 (前期比 +20.7% )と大きく伸びたことで、自己資本の蓄積が進んでいる。同社は継続的な株主還元を重視しており、利益成長に伴う増配や、機動的な自社株買いへの期待も高まる内容となった。

受注高の増加に伴い、期末の 繰越高は3,199億円 まで積み上がっている。これは年間の売上高の約半分に相当する規模であり、次期の稼働を支える強力な裏付けとなっている。特にモバイル分野やIT分野での受注残が厚くなっており、工事の平準化と施工体制の効率化が今後のキャッシュフロー創出の鍵を握る。

通期見通し

2027年3月期の連結業績予想は、売上高を前期比 6.2%増6,700億円 、営業利益を 6.1%増540億円 とし、 さらなる増収増益 を見込む。引き続きITソリューション事業の成長を見込むほか、NTTグループの構造改革に伴うアウトソーシング需要の拡大を狙う。

利益率については、施工DXの推進やグループ再編による間接部門の効率化を通じて、 8.1% の高水準を維持する方針だ。原材料費や人件費の高騰といった外部リスクはあるものの、豊富な受注残を背景に、着実な利益成長を継続する意欲を示している。

項目2026年3月期(実)2027年3月期(予)伸び率
売上高6,306億円6,700億円+6.2%
営業利益509億円540億円+6.1%
当期純利益363億円378億円+4.3%

リスクと課題

今後の懸念材料として、以下の要因が挙げられる。

  • 建設DXへの投資負担: 施工の効率化は急務だが、システム導入や教育コストが短期的には販管費を押し上げる可能性がある。
  • 人材確保と労務コスト: 業界全体での人手不足を背景に、優秀な技術者の確保に向けた賃金アップや、協力会社への支払い増加が利益を圧迫するリスクがある。
  • 通信キャリアの投資抑制: NTTなどの主要顧客が設備投資を抑制した場合、受注の成長鈍化につながる。これをITや社会システム分野でいかに補うかが継続的な課題となる。
AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、単なる増益にとどまらず、「計画比で営業利益が13%も上振れた」という点です。特にNTTモバイル向けの受注が期末にかけて急伸し、繰越高を前年比2割も増やしたことは、次期の業績に対する非常に強い先行指標となります。

また、コムシス情報システムを中心としたITソリューション事業の成長速度(受注+62.9%)は、同社がもはや「電柱を立てる会社」から「ITインフラを構築する会社」への変貌を加速させていることを示唆しています。就職活動中の学生にとっても、通信インフラという安定基盤を持ちつつ、最先端のDX案件に触れられる環境は魅力的に映るでしょう。

懸念点としては、NCC(新電電)向けの売上減少が続いており、特定の顧客への依存度をどう分散させていくかが中長期的な焦点となります。しかし、全体として非常にバランスの取れた、強い決算内容と言えます。