朝日インテック株式会社 の会社詳細
朝日インテック株式会社
朝日インテック
2026年6月期 第2四半期

朝日インテック・2026年6月期Q2、営業利益40.1%増の243億円——海外好調とM&A寄与で通期予想を上方修正

朝日インテック
医療機器
ガイドワイヤー
上方修正
増収増益
増配
M&A
ニッタモールド
自己株買い
中計
第2四半期累計期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

713億円

+15.9%

通期予想

1,411億円

進捗率50%

営業利益

244億円

+40.1%

通期予想

422億円

進捗率58%

純利益

172億円

+40.4%

通期予想

306億円

進捗率56%

営業利益率

34.2%

医療用ガイドワイヤー世界大手の朝日インテックが発表した2026年6月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比 15.9%増712億66百万円 、営業利益が同 40.1%増243億72百万円 と大幅な増収増益となりました。世界的な血管内治療の需要回復に加え、新中期経営計画の初年度として推進する海外販売強化やM&Aによる事業拡大が奏功しています。好調な業績を背景に、通期の利益予想を上方修正したほか、記念配当を含む増配も発表し、株主還元の姿勢を一段と強めています。

業績のポイント:主力の医療事業が牽引し過去最高水準を更新

朝日インテックの当中間期業績は、主力のメディカル事業、デバイス事業ともに二桁増収を記録する極めて力強い内容となりました。売上高は 712億66百万円 (前年同期比 +15.9% )、営業利益は 243億72百万円 (同 +40.1% )に達しています。利益面では、増収効果に加えて生産性改善による原価率の低減が寄与し、売上総利益が 503億11百万円 (同 +21.1% )と大幅に拡大しました。

販管費において、米国での販売体制強化に向けた人件費や研究開発費の投入を継続しているものの、それらを上回る粗利の伸びが利益を押し上げています。経常利益は 241億43百万円 (同 +43.5% )、親会社株主に帰属する中間純利益は 172億14百万円 (同 +40.4% )となりました。純利益については、投資有価証券売却益という特筆すべき特別利益の計上も増益に寄与しています。

項目2025年6月期 Q22026年6月期 Q2前年同期比
売上高61,491百万円71,266百万円+15.9%
営業利益17,395百万円24,372百万円+40.1%
経常利益16,821百万円24,143百万円+43.5%
中間純利益12,261百万円17,214百万円+40.4%

セグメント別動向:M&A効果でデバイス事業が急成長

メディカル事業は、売上高 626億65百万円 (前年同期比 +12.4% )、セグメント利益 239億48百万円 (同 +29.3% )と堅調な伸びを見せました。循環器領域において、主力のPCIガイドワイヤーが北米や欧州、アジアなど全地域で伸長しています。特に非循環器領域では、国内で末梢血管用の仕入製品が好調だったほか、海外でも末梢・腹部血管系製品が拡大しました。中国市場においては、脳・腹部血管系製品の一部で苦戦が見られたものの、グローバル全体での成長がそれを十分にカバーしています。

デバイス事業は、売上高 86億円 (前年同期比 +50.2% )、セグメント利益 43億92百万円 (同 +78.7% )と驚異的な成長を遂げました。この急拡大の背景には、ニッタモールド社の連結子会社化があります。同社の合流により医療部材および産業部材の売上が上積みされたほか、米国企業向けの循環器系検査用カテーテル部材の取引が増加したことも寄与しました。自社技術と買収先の技術を融合させることで、メディカル事業に次ぐ収益の柱としての存在感を高めています。

セグメント売上高 (前年比)利益 (前年比)備考
メディカル事業62,665百万円 (+12.4%)23,948百万円 (+29.3%)全地域でPCIワイヤー好調
デバイス事業8,600百万円 (+50.2%)4,392百万円 (+78.7%)ニッタモールド連結化が寄与

財務状況と資本政策:自己資本比率80%超の強固な基盤と株主還元

財務面では、総資産が前期末比で 26億82百万円 増加し、 1958億70百万円 となりました。設備投資として、建物や構築物の取得を積極的に進める一方で、自己資本比率は 80.6% (前期末は77.9%)と極めて高い水準を維持しています。負債面では、長期・短期借入金の返済が進み、財務の健全性はさらに向上しました。

資本政策においては、機動的な株主還元と資本効率の向上を目的とした 自己株式の取得(434万株)および消却(630万株) を実施しました。これに伴い利益剰余金が減少したものの、一株当たりの価値向上を図っています。配当については、業績の上方修正を受けて期末配当予想を従来の24.23円から 46.10円 へ大幅に引き上げました。これには普通配当の増額に加え、設立30周年等の記念配当5.79円が含まれており、積極的な利益還元の姿勢が鮮明となっています。

通期見通し:利益目標を大幅上方修正、純利益は前期比2.4倍へ

足元の好調な業績と想定より円安で推移している為替環境を鑑み、同社は通期の連結業績予想を上方修正しました。売上高は前回予想から約81億円上乗せの 1411億42百万円 、営業利益は同87億円上乗せの 422億20百万円 を見込んでいます。

特筆すべきは純利益の修正幅で、前回予想から75億円引き上げた 305億56百万円 と、前期実績(127億35百万円)に対し 139.9%増(約2.4倍) という極めて高い目標を掲げています。これは本業の成長に加え、中間期に計上した投資有価証券売却益などの特殊要因も含まれますが、新中期経営計画のロケットスタートを印象付ける内容となっています。

項目前回予想今回修正前期実績 (24/6期)
売上高133,000百万円141,142百万円120,011百万円
営業利益33,500百万円422,20百万円30,064百万円
親会社株主純利益23,000百万円305,56百万円12,735百万円

リスクと課題

今後の懸念材料として、以下のリスクが挙げられています。

  • 為替変動リスク: 海外売上比率が高いため、想定(1ドル=150円台)を上回る円高が進行した場合、円建ての収益が目減りする可能性があります。
  • 中国市場の不透明感: 医療機器の集中購買(VBP)制度や現地競争の激化により、一部の血管系製品において売上成長が鈍化するリスクが継続しています。
  • 原材料・物流コスト: グローバルな供給網における原材料価格の高騰や物流費の変動が、売上総利益率を圧迫する要因となり得ます。
  • 研究開発の成否: 循環器以外の新領域(脳血管、消化器等)への展開において、開発の遅延や競合他社の先行が事業計画に影響を与える可能性があります。
AIアナリストの視点

朝日インテックの決算は、まさに「文句なし」の好決算と言えます。特に営業利益率が中間期で 34.2% に達しており、製造業としては異例の高収益体質を維持しています。

注目すべきは、単なる「円安による追い風」だけでなく、ニッタモールド社の買収によるデバイス事業の垂直立ち上げに成功している点です。これにより、一本足打法になりがちなメディカル事業のリスク分散と、部材供給から製品製造までのサプライチェーン強化を同時に進めている戦略性が伺えます。

就活生にとっても、グローバルシェアを背景とした高い利益率と、積極的な投資・還元を行う姿勢は非常に魅力的に映るはずです。今後の焦点は、今回の大幅な上方修正値をどれだけ上振れて着地できるか、そして中国以外の新興国市場でどれだけシェアを拡大できるかに集まるでしょう。