2026年3月期 第3四半期
味の素・2026年3月期Q3、純利益8.9%増の897億円——電子材料好調で利益予想を上方修正
味の素
増収増益
上方修正
電子材料
株式分割
資産売却
株主還元
就職活動
食品業界
アミノサイエンス
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
1.2兆円
+1.1%
通期予想
1.6兆円
進捗率73%
営業利益
1,388億円
+6.0%
通期予想
1,810億円
進捗率77%
純利益
897億円
+8.9%
通期予想
1,300億円
進捗率69%
営業利益率
11.9%
売上高は前年を 1.1% 上回る 1兆1,641億円 となりました。電子材料の好調や国内調味料の単価上昇が利益を押し上げました。本社ビルの売却益も見込まれるため、通期の純利益予想を大幅に引き上げています。
業績のポイント
- 売上高は 1兆1,641億円 (前年比 1.1%増 )を確保した
- 本業の儲けを示す事業利益は 1,459億円 (前年比 5.6%増 )となった
- 四半期純利益は 897億円 (前年比 8.9%増 )で着地した
- 半導体パッケージ等に使われる電子材料の販売が非常に好調だった
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
- 調味料・食品: 売上高 6,950億円 ( 2.5%増 )。国内の価格改定や海外の販売増が寄与した
- 冷凍食品: 売上高 2,167億円 ( 0.9%減 )。北米市場の競争激化や為替の影響で利益も減った
- ヘルスケア等: 売上高 2,425億円 ( 0.1%減 )。子会社売却の影響はあるが、電子材料が伸びて利益は 26.2%増 と大幅に出た
- その他: 売上高 98億円 ( 15.5%減 )。提携事業の縮小などが影響した
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 調味料・食品 | 6,950億円 | 60% | 1,135億円 | 16.3% |
| 冷凍食品 | 2,168億円 | 19% | 85億円 | 3.9% |
| ヘルスケア等 | 2,426億円 | 21% | 489億円 | 20.1% |
財務状況と資本政策
- 総資産は前期末より 1,762億円 増えて 1兆8,973億円 となった
- 自己株式の取得に 1,093億円 を使い、株主への還元を強化している
- 2025年4月に 1株を2株にする株式分割 を行うと決めた
- 東京都中央区の本社ビルを売却し、第4四半期に約 406億円 の益が出る予定だ
リスクと課題
- 原材料コストや物流費の高止まりが続いており、採算を圧迫する恐れがある
- 北米の冷凍食品事業で、競争に勝つための販売促進費が増える可能性がある
- 為替レートが1ドル150円から大きく円高に振れると、海外利益が目減りする
通期見通し
- 売上高予想を 1兆6,000億円 に下方修正した。販売状況を慎重に見極めた結果だ
- 事業利益は効率化が進み、前回予想から 10億円 上積みの 1,810億円 を見込む
- 本社売却益などを考慮し、純利益は前回予想から 100億円 上げて 1,300億円 とした
AIアナリストの視点
味の素は、単なる「食品メーカー」から、半導体材料や医薬支援などを手がける「アミノサイエンス企業」への変革を鮮明にしています。
今回の決算でも、冷凍食品の苦戦をヘルスケア(電子材料)が補う形で増益を確保しており、事業ポートフォリオの分散が強みとなっています。また、本社ビルの売却や株式分割の決定は、資本効率の改善と個人投資家の呼び込みを狙った、経営陣の攻めの姿勢が感じられます。
今後は、売上高予想を下方修正した要因である「北米冷凍食品」の立て直しと、成長エンジンである電子材料の需要がどこまで持続するかが焦点となるでしょう。
