ソフトバンク株式会社 の会社詳細
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク
2026年3月期 第3四半期

ソフトバンク・2026年3月期Q3、純利益11.2%増の4,855億円——全事業で増収、通期予想を上方修正

増収増益
PayPay
通信キャリア
上方修正
生成AI
DX需要
株式分割
高配当
LINEヤフー
日本経済
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

5.2兆円

+8.0%

通期予想

7.0兆円

進捗率75%

営業利益

8,841億円

+7.6%

通期予想

1.0兆円

進捗率87%

純利益

4,855億円

+11.2%

通期予想

5,430億円

進捗率89%

営業利益率

17.0%

売上高・利益ともに第3四半期として過去最高を更新しました。全セグメントで増収を達成し、特に金融事業の利益が2倍に急成長しています。好調な業績を受け、通期の純利益予想を 5,430億円 へ上方修正しました。

業績のポイント

売上高は前年比 8.0%増5兆1,954億円 でした。
営業利益は前年比 7.6%増8,841億円 となりました。

  • 通信料値下げの影響を乗り越え、主力事業が完全に回復しました。
  • 全セグメントで増収を達成する 「全方位の成長」 が続いています。
  • 11.2%の増益により、通期の純利益予想を 5,430億円 に引き上げました。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

  • コンシューマ(個人向け): 売上高 2兆2,532億円(前年比 3.3%増)。「ワイモバイル」を中心に契約数が増えました。スマホ販売も伸びて、利益は前年より 278億円 増えています。
  • エンタープライズ(法人向け): 売上高 7,332億円(前年比 8.8%増)。企業のデジタル化(DX)需要を捉えました。クラウドやセキュリティ関連の売上が 13.1%増 と好調です。
  • ディストリビューション(商材流通): 売上高 7,736億円(前年比 25.6%増)。PCやICT関連の販売が急増しました。GIGAスクール構想の第2期に向けた需要も追い風です。
  • メディア・EC(LINEヤフー): 売上高 1兆2,261億円(前年比 0.8%増)。広告事業は堅調でしたが、システム障害の影響などで利益は前年比 2.5%減 となりました。
  • ファイナンス(PayPay等): 売上高 2,954億円(前年比 23.9%増)。PayPayの決済額が増え、利益は前年の 326億円 から 660億円 へと 2倍以上 になりました。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
コンシューマ2.3兆円43%4,683億円20.8%
エンタープライズ7,332億円14%1,581億円21.6%
ディストリビューション7,736億円15%308億円4.0%
メディア・EC1.2兆円24%2,063億円16.8%
ファイナンス2,954億円6%660億円22.4%

財務状況と資本政策

総資産は 18兆2,437億円 で、前年度末より 2兆1,415億円 増えました。
PayPay銀行での貸付金増加や、海外企業の買収によるものです。

  • 配当金:1株あたり年間 8.60円(株式分割調整後)を予定しています。
  • 資本政策:10月に実施した 1対10の株式分割 により、投資しやすい環境を整えました。

戦略トピック:AIへの投資加速

「AI革命」を次の成長の柱に据え、積極的な投資を続けています。

  • OpenAIとの提携: OpenAIの技術を活用した法人向けサービスを開始します。
  • 国産LLM開発: 日本語に強いAI「Sarashina」の提供を始めました。
  • データセンター投資: AIの計算基盤となる施設へ、年間数百億円規模の投資を継続します。

リスクと課題

  • 金利上昇: 有利子負債が多いため金利負担が懸念されますが、負債の9割を固定金利にするなど対策を済ませています。
  • 競争激化: 通信市場での価格競争や、ポイント経済圏を巡る他社との争いが激しくなっています。
  • システムリスク: LINEヤフー等での大規模なシステム障害は、ブランド毀損や利用控えにつながるリスクがあります。
AIアナリストの視点

ソフトバンクの決算で特筆すべきは、もはや「通信会社」という枠を超えた収益構造の確立です。

特にファイナンス事業の利益倍増は、PayPayが単なる決済手段から、手数料収入や金融サービスを稼ぎ出す「収益の柱」に昇華したことを示しています。メディア・EC事業でアスクルのシステム障害による一時的な利益押し下げがあったものの、法人向けDXや商材流通が2桁成長しており、事業ポートフォリオのバランスが非常に優れています。

今後の注目は、OpenAIとの提携を含むAI戦略です。莫大なデータセンター投資が、短期的なキャッシュフローを圧迫する懸念はありますが、日本のAIインフラを独占できれば長期的な優位性は揺るぎません。投資家にとっては、増配の継続性とAI投資の回収時期が次の焦点となるでしょう。

就活生にとっては、通信という安定基盤の上で、金融やAIといった最先端の挑戦ができる「メガベンチャー的」な側面がより強まった決算と言えます。