株式会社大塚商会 の会社詳細
株式会社大塚商会
大塚商会
2025年12月期 通期

大塚商会・2025年12月期、売上高1.3兆円で過去最高——3年連続の増収増益、AI活用でSI事業が24%増と急伸

大塚商会
増収増益
過去最高
DX
AI
IT投資
配当増額
ストックビジネス
中堅中小企業
Windows10
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

1.3兆円

+19.4%

通期予想

1.3兆円

進捗率101%

営業利益

899億円

+21.0%

通期予想

900億円

進捗率100%

純利益

643億円

+20.2%

通期予想

611億円

進捗率105%

営業利益率

6.8%

大塚商会が2日発表した2025年12月期連結決算は、売上高が前期比 19.4%増1兆3,227億円 となり、3年連続で過去最高を更新した。企業の旺盛なIT投資需要を背景に、パソコンの更新やAIを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)提案が奏功し、営業利益も 21.0%増899億円 と大幅な増益を記録した。同社は「オフィスまるごと」を掲げる独自の伴走型支援により、人手不足に悩む中堅・中小企業のデジタル化需要を確実に取り込んでいる。

業績のポイント

2025年12月期の連結業績は、売上高が 1兆3,227億9,100万円(前期比 19.4%増)、営業利益が 899億4,300万円(同 21.0%増)、純利益が 643億300万円(同 20.2%増)と、全ての主要指標で過去最高を塗り替えた。国内経済が緩やかに回復する中、生産性向上やコスト削減を目的とした企業のソフトウェア投資が引き続き高い水準で推移したことが追い風となった。

同社は2025年度のスローガンに「DXとAIでお客様と共に成長する」を掲げ、AIを活用した営業プロセスの効率化を推進した。自社内でのAI活用事例を顧客への提案に活かすことで、中堅・中小企業でも導入しやすいAIソリューションの提供に成功している。売上高営業利益率は 6.8%(前期は 6.7%)と微増し、販管費の増加を増収による利益増で十分に吸収した形だ。

指標2024年12月期(実績)2025年12月期(実績)前期比
売上高1兆1,076億円1兆3,227億円+19.4%
営業利益743億円899億円+21.0%
経常利益759億円915億円+20.5%
当期純利益534億円643億円+20.2%

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

主力であるシステムインテグレーション(SI)事業は、売上高 9,029億1,500万円(前期比 24.1%増)と驚異的な伸びを見せた。Windows 10のサポート終了に伴うパソコンの更新需要を的確に捉えたほか、パッケージソフトウェアの販売も非常に好調に推移した。ハードウェアからソフトウェアまでを一括で提供できる強みが、企業の複雑化するIT投資ニーズに合致している。

サービス&サポート(S&S)事業は、売上高 4,198億7,500万円(前期比 10.5%増)と着実に成長を続けている。オフィスサプライ通販「たのめーる」や、保守・サポートサービス「たよれーる」などのストック型ビジネスが底堅く推移し、安定した収益基盤として機能した。導入後のフォローを通じて顧客との接点を維持し、次のSI案件へ繋げる好循環が確立されている。

セグメント売上高前期比営業利益前期比
SI事業9,038億円+24.0%735億円+15.1%
S&S事業4,216億円+10.6%294億円+31.9%

※セグメント売上高は内部売上高を含む合計値

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
システムインテグレーション事業9,039億円68%736億円8.1%
サービス&サポート事業4,216億円32%295億円7.0%

財務状況と資本政策

連結財政状態については、総資産が前期末比 552億円 増の 7,292億円 となった。手許現預金の増加に加え、売上拡大に伴う売掛金や契約資産が増加したことが主な要因である。自己資本比率は 54.1%(前期末は 55.0%)と、積極的な投資や株主還元を行いながらも高い健全性を維持している。

株主還元にも積極的な姿勢を見せており、2025年12月期の年間配当は前期から10円増配の 90円(中間45円、期末45円)とした。連結配当性向は 53.1% となり、利益成長に合わせた増配を実現している。さらに、次期(2026年12月期)の年間配当は、さらなる増配となる 95円(連結配当性向 58.9% 予想)を計画しており、安定的な配当継続への強い意志が示された。

リスクと課題

経営環境のリスクとして、地政学的リスクの高まりや世界経済の下振れ懸念、国内での物価上昇が個人消費や企業活動に与える影響に注視が必要としている。特にIT業界においては、深刻な人手不足が顧客企業の投資意欲を削ぐ可能性があり、それに対する省人化投資の提案力が試される局面にある。

  • 情報漏洩リスク: 多数の個人情報・企業情報を保有しており、サイバー攻撃への対応が不可欠。ISMS等の認証維持とセキュリティ対策の継続的な見直しを挙げている。
  • 調達リスク: 特定の調達先における製品供給の停滞や、代替品の確保が困難になった場合、顧客への提供機会を損失する恐れがある。
  • IT投資動向の変化: 経済情勢により多くの顧客が同時にIT投資を抑制した場合、業績に直接的な影響を及ぼす可能性がある。

通期見通し

2026年12月期の通期見通しは、売上高 1兆3,110億円(前期比 0.9%減)、営業利益 900億円(同 0.1%増)と、ほぼ横ばいの水準を見込む。前期のパソコン特需による反動を慎重に見積もる一方で、Windows 10のサポート終了に伴う更新需要は継続すると予測している。AIソリューションによる付加価値の向上により、微減収ながらも営業増益を維持する方針だ。

項目2025年12月期(実績)2026年12月期(予想)前期比
売上高1兆3,227億円1兆3,110億円△0.9%
営業利益899億円900億円+0.1%
当期純利益643億円611億円△4.9%
AIアナリストの視点

大塚商会の決算は、まさに「デジタル化の波を最も効率的に収益化した」内容と言えます。

特筆すべきはSI事業の爆発的な成長です。単なるPCの販売代理店に留まらず、AIやセキュリティを組み合わせた「オフィスまるごと」の提案が、IT人材不足に悩む中小企業のニーズを完璧に射抜いています。24%を超える増収は、この規模の企業としては異例の成長スピードです。

懸念点としては、2026年期の予想が「踊り場」となっている点です。これは2025年期の大幅増収の反動を保守的に見積もった結果と見られますが、ストック収益であるS&S事業が2桁成長を続けている限り、収益の底堅さは揺るがないでしょう。投資家にとっては、成長性と安定した配当利回りのバランスが取れた銘柄としての評価がさらに高まりそうです。

就活生にとっても、AI活用の最前線を顧客に提案できる同社の立ち位置は、非常に魅力的なキャリアフィールドとして映るはずです。