野村総合研究所・2026年3月期Q3、営業利益16%増の1,187億円——金融・IT基盤が好調、増配も継続
売上高
6,023億円
+6.0%
通期予想
8,100億円
営業利益
1,188億円
+16.0%
通期予想
1,500億円
純利益
832億円
+15.9%
通期予想
1,040億円
営業利益率
19.7%
売上高は前年比 6.0%増、営業利益は 16.0%増 と好調な決算です。企業の DX・AI投資 が活発で、特に金融向けシステムやIT基盤事業が全体をけん引しました。通期の配当予想も前期の63円から 74円 へ増やす計画を維持しています。
業績のポイント
売上収益は 6,023億円(前年同期は5,682億円)、営業利益は 1,187億円(前年同期は1,023億円)でした。
利益率は 19.7% と高く、前年より 1.7ポイント 改善しています。システム開発の効率化が進んだほか、不採算案件が減ったことが利益を押し上げました。
特に、金融業界や産業界でのDX(デジタル変革)需要が強く、AI活用による業務変革 を求める顧客が増えています。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- コンサルティング: 売上高 501億円(6.5%増)。AIなどの新技術を活用した企業変革の支援が伸びました。
- 金融ITソリューション: 売上高 2,993億円(8.0%増)。証券や保険業界向けのシステム開発・運用が好調に推移しました。
- 産業ITソリューション: 売上高 2,098億円(0.6%増)。国内の製造・サービス業向けは堅調ですが、海外事業の減収 が響き、営業利益は 1.1%減 となりました。
- IT基盤サービス: 売上高 1,629億円(10.9%増)。クラウド利用の増加に加え、前年に出たデータセンター設備の処分費用がなくなったため、利益が 31.3%増 と大きく伸びました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| コンサルティング | 501億円 | 8% | 139億円 | 27.6% |
| 金融ITソリューション | 2,994億円 | 50% | 547億円 | 18.3% |
| 産業ITソリューション | 2,099億円 | 35% | 199億円 | 9.5% |
| IT基盤サービス | 1,629億円 | 27% | 296億円 | 18.2% |
財務状況と資本政策
総資産は 9,485億円 となり、前期末から 200億円 増えました。
自己資本比率は 52.9% で、前期末の46.7%から大きく改善し、財務の健全性が高まっています。
配当は年間で1株あたり 74円 を予定しています。前年の63円から 11円の増配 となり、株主への還元姿勢を強めています。
リスクと課題
- 米国の通商政策や経済動向による、国内景気への悪影響
- 為替変動が先行き不透明なことによる、企業の投資抑制
- 海外事業(特に北米・豪州)の収益性向上と体制整備
- 巧妙化するサイバー攻撃へのセキュリティ対策コストの増加
通期見通し
2026年3月期の通期予想は据え置きました。
売上高は 8,100億円(前期比 5.9%増)、営業利益は 1,500億円(前期比 11.2%増)を見込んでいます。
DX需要の継続により、期末にかけても堅調な業績が続く見通しです。
野村総合研究所(NRI)の強みである「コンサルとITの融合」が、現在のDX・AIブームに完全に見合っている印象です。
特に金融ITソリューションの利益率改善と、IT基盤サービスの収益急拡大が業績を押し上げています。前年に発生した一過性の損失が消えたことも寄与していますが、それを除いても巡航速度は非常に速いです。
懸念点は「産業IT」における海外事業の停滞です。国内が絶好調なうちに、海外(特に北米)での成長シナリオをどう再構築できるかが今後の焦点となるでしょう。
就活生の視点では、単なるシステム開発ではなく「ビジネスモデルの変革」に深く食い込んでいる点が他社との差別化要因であり、高い利益率の源泉であることを理解しておくとよいでしょう。
