オリックス株式会社 の会社詳細
オリックス株式会社
オリックス
2026年3月期 第3四半期

オリックス・2026年3月期Q3、純利益43%増の3,896億円——投資売却益が大きく寄与、配当予想も実質増額へ

オリックス
8591
増収増益
投資売却益
配当増額
ROE改善
環境エネルギー
Greenko
金融業界
就職活動
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

2.4兆円

+11.8%

営業利益

3,663億円

+26.0%

純利益

3,897億円

+43.4%

通期予想

4,400億円

進捗率89%

営業利益率

15.2%

オリックスが発表した2026年3月期第3四半期(2025年4〜12月)の連結決算は、純利益が前年同期比 43.4%増3,896億7,500万円 と大幅な増益を記録しました。再生可能エネルギー事業を展開するGreenko Energy Holdingsの株式譲渡に伴う 多額の売却益計上 が業績を強力に押し上げたほか、生命保険やサービス収益も堅調に推移しました。好調な業績を背景に、通期純利益予想の 4,400億円 を達成した場合、1株当たり年間配当は前期比大幅増となる 153.67円 に達する見通しです。

業績のポイント

当第3四半期累計期間の営業収益は、前年同期比 11.8%増2兆4,089億円 となりました。増収の主因は、インドの再生可能エネルギー大手であるGreenko社の株式譲渡に関連した 有価証券売却益の計上 です。加えて、生命保険事業における保険料収入の増加や、アセットマネジメント業務を中心とするサービス収入の伸長が収益基盤を底上げしました。

利益面では、営業利益が前年同期比 26.0%増3,662億8,400万円 、税引前四半期純利益は 48.1%増5,677億1,900万円 となりました。営業費用も生命保険費用や一般管理費の増加(前年比 +10%)により増大したものの、それ以上に投資売却や持分法投資損益(前年比 +81%)によるプラス幅が上回りました。その結果、投資家の注目指標であるROE(自己資本利益率)は前年同期の 9.0% から 12.0% へと大きく改善し、資産効率の向上を鮮明にしています。

項目2025年3月期 Q32026年3月期 Q3前年同期比
営業収益2兆1,544億円2兆4,089億円+11.8%
営業利益2,907億円3,662億円+26.0%
税引前純利益3,833億円5,677億円+48.1%
当社株主帰属純利益2,717億円3,896億円+43.4%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計

セグメント別動向

全10セグメント中、特に「環境エネルギー」と「事業投資・コンセッション」の伸びが際立つ内容となりました。環境エネルギーセグメント は、セグメント利益が前年同期比 8倍以上 となる 1,222億円 に急増しました。これはGreenko社の株式譲渡による約831億円の売却益や評価益が寄与したもので、オリックスが進める 「投資・回収」のサイクル が理想的な形で機能した結果と言えます。

事業投資・コンセッション も好調で、セグメント利益は前年比 42%増939億円 となりました。前年に計上された子会社売却益の反動はあったものの、持分法投資損益や不動産売上の増加がこれを補いました。また、法人営業・メンテナンスリース はリース収益や金融収益の増加により同 21%増801億円 を確保。保険セグメント も運用益の改善により同 20%増741億円 と堅調です。

一方で、ORIX USA(米国事業) は苦戦を強いられました。セグメント利益は前年同期比 50%減139億円 に留まっています。これは前年に高水準だった投資売却益が減少したことに加え、事業拡大に伴う販売費および一般管理費が増加したことが響きました。金利環境や不動産市況の変化に対し、米州市場での出口戦略のタイミングを慎重に見極めている様子が伺えます。

セグメント利益2025年3月期 Q32026年3月期 Q3増減率
環境エネルギー131億円1,222億円+828%
事業投資・コンセ661億円939億円+42%
保険617億円741億円+20%
ORIX USA278億円139億円△50%
アジア・豪州279億円392億円+41%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
法人営業・メンテナンスリース3,659億円15%802億円21.9%
不動産3,926億円16%569億円14.5%
事業投資・コンセッション3,110億円13%940億円30.2%
環境エネルギー1,590億円7%1,222億円76.8%
保険4,725億円20%741億円15.7%
ORIX USA1,558億円7%140億円9.0%

財務状況と資本政策

総資産は、前連結会計年度末から 1兆2,593億円 増加し、18兆1,256億円 となりました。営業貸付金やオペレーティング・リース投資、投資有価証券が着実に積み上がっており、積極的な投資姿勢が継続しています。負債面では預金や借入金が増加した一方、株主資本も利益の積み上げにより 4兆5,849億円(前期末比 12%増)に拡大し、株主資本比率は 25.3% と健全な水準を維持しています。

注目の資本政策については、「配当性向39%」または「1株当たり120.01円」のいずれか高い方 を配当する方針を堅持しています。現在の通期純利益予想である 4,400億円 が達成された場合、配当性向39%を適用した年間配当金は 153.67円 となる見込みです。これは前期実績の 120.01円 を大幅に上回る水準であり、成長に伴う利益を積極的に株主へ還元する姿勢を改めて強調しました。また、自己株式の取得も期中に実施されており、総還元性向を意識した経営判断が下されています。

リスクと課題

好調な決算の一方で、今後の懸念材料も短信から読み取れます。第一に、金利上昇リスク への対応です。金融収益が増加する一方、支払利息も前年同期比 16%増(1,445億円)となっており、資金調達コストの上昇が利益を圧迫する要因となり得ます。

第二に、投資出口の不確実性 です。今期の好業績はGreenko社の売却益という「一過性の利益」に大きく依存しています。持続的な成長のためには、今後も適正な価格で資産を売却し、新たな成長分野へ再投資する「投資サイクル」を継続できるかが鍵となります。

第三に、海外事業、特に米国市場の動向 です。ORIX USAの利益半減が示す通り、インフレや景気後退懸念が続く中でのアセットマネジメント事業や不動産投資の採算性維持が、中長期的な課題として浮上しています。

通期見通し

2026年3月期の通期連結業績予想について、オリックスは期初予想を据え置きました。当社株主に帰属する当期純利益は、前期比 25.1%増4,400億円 を見込んでいます。第3四半期時点での進捗率は 88.5% に達しており、通期計画の達成は極めて射程圏内にあると言えます。

ただし、第4四半期(1〜3月)における追加の投資案件の精査や、金融市場のボラティリティ、為替変動の影響を考慮し、現時点での上方修正は見送られました。投資家にとっては、期末に向けたさらなる利益の上積みや、それに伴う 増配幅の確定 が焦点となります。

項目前回予想今回予想前期実績
税引前純利益6,400億円6,400億円4,806億円
当社株主帰属純利益4400億円440,000百万円351,684百万円
1株当たり純利益---392.05円308.28円
AIアナリストの視点

オリックスの「投資銀行的な側面」が色濃く出た決算です。Greenko社の売却という大きなディールが、収益構造のバランスを一時的に変えるほどのインパクトを与えました。セグメント別の数字を見ると、従来のリース業から、資産を育てて売る「事業投資モデル」への転換が完全に定着したことを示唆しています。

注目すべきは、米国市場(ORIX USA)の減益です。他セグメントが投資収益で沸き立つ中でここが沈んでいるのは、米国の不動産市況や金利環境の厳しさを反映しており、ここからの反転が来期の焦点になるでしょう。

就活生や投資家にとっては、同社を単なる「リース会社」ではなく、「高度な投資サイクルを持つ金融コンソーシアム」として捉え直す必要があります。配当性向39%という明確なコミットメントは、現在の高水準な進捗率から見て、非常に強力な株主還元メッセージとして機能しています。