
日揮HD・2026年3月期Q3、営業利益267億円で黒字浮上——大型案件の採算改善、自社株消却も発表
売上高
5,668億円
-6.2%
通期予想
7,400億円
営業利益
267億円
通期予想
310億円
純利益
299億円
通期予想
300億円
営業利益率
4.7%
売上高は大型プロジェクトの完了により 5,668億円 (前年比 6.2%減 )となりました。一方、不採算案件の収束や工事の採算改善により、営業利益は 267億円 と 大幅な黒字 に転換しています。発行済株式の約6%にあたる 自社株消却 も発表し、株主還元を強める姿勢を見せました。
業績のポイント
前年に出た多額の損失がなくなり、利益が急回復しました。
- 売上高は 5,668億円 (前年比 6.2%減 )となりました。
- 営業利益は 267億円 (前年は 192億円の赤字 )と黒字に戻りました。
- 純利益は 299億円 (前年は 39億円の赤字 )を確保しています。
売上の減少は、複数の大型案件がピークを過ぎたことが理由です。利益面では、進行中の工事でコスト管理が徹底されたことが貢献しました。また、円安の影響で受取利息などが増えたことも、最終利益を押し上げています。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- 総合エンジニアリング: 売上高 5,207億円 (前年比 7.2%減 )、セグメント利益 261億円 (前年は 198億円の赤字 )でした。海外の大型プロジェクトが順調に進み、採算が良くなったことで 劇的なV字回復 を遂げました。
- 機能材製造: 売上高 427億円 (前年比 7.3%増 )、セグメント利益 57億円 (前年比 0.9%減 )となりました。半導体向けなどの材料販売は堅調でしたが、原材料費の高騰などが利益をわずかに圧迫しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 総合エンジニアリング事業 | 5,207億円 | 92% | 262億円 | 5.0% |
| 機能材製造事業 | 427億円 | 8% | 58億円 | 13.6% |
財務状況と資本政策
財務の健全性はさらに高まっています。
- 総資産は 8,309億円 となり、前期末から 468億円 増えました。
- 自己資本比率は 51.6% (前期末は 49.8% )に向上しています。
- 配当は年 40円 の予想を据え置きました。
特筆すべきは、2026年2月27日付で 1,550万株 の 自社株消却 を実施することです。これは発行済株式の 5.97% に相当し、1株あたりの価値を高める判断を下しました。
リスクと課題
- 為替変動のリスク: 海外売上比率が高いため、急激な円高は利益を減らす要因になります。
- 資材価格の変動: 鋼材などの価格が想定を超えて上がると、工事の利益が減る恐れがあります。
- 地政学リスク: 中東などの不安定な情勢により、工事の遅延や中断が起きる可能性があります。
通期見通し
2026年3月期の通期予想を 上方修正 しました。
- 営業利益は前回予想から 50億円 上積みの 310億円 を見込みます。
- 純利益は前回予想から 60億円 上積みの 300億円 を目指します。
下期もプロジェクトの採算改善が続くと判断したためです。ただし、売上高については案件の進捗を見直し、前回予想から 1,000億円 下げて 7,400億円 としています。
今回の決算で最も注目すべきは、前年の巨額赤字からの鮮やかな復活です。不採算案件の膿を出し切り、既存プロジェクトの利益率を向上させた経営努力が見て取れます。
また、約6%もの大規模な自社株消却をこのタイミングで打ち出したことは、投資家に対して「資本効率の向上」と「自信」を強くアピールする材料となります。
就活生の視点では、単なる建設業ではなく、エネルギートランジション(脱炭素など)へ注力している点や、海外という広大なフィールドで稼ぐグローバルな稼ぎ方に注目すると、同社の強みが理解しやすいでしょう。
