ファナック・2026年3月期Q3、純利益13.7%増の1,168億円——中国のEV向けロボットが好調、通期売上を上方修正
売上高
6,233億円
+6.5%
通期予想
8,407億円
営業利益
1,277億円
+15.6%
通期予想
1,729億円
純利益
1,169億円
+13.7%
通期予想
1,580億円
営業利益率
20.5%
売上高は前年より 6.5%増 の 6,233億円 となりました。中国での EV関連向けロボット やインドのIT需要が業績を大きく引っ張っています。世界的な設備投資の回復を背景に、通期の売上予想も上方修正しました。
業績のポイント
全体の売上高は 6,233億円 (前年比 6.5%増 )となりました。
本業のもうけを示す営業利益は 1,277億円 (前年比 15.6%増 )です。
中国やインドでの需要が、欧州の落ち込みをカバーしました。
効率的な経営と拡販により、大幅な増益を達成しています。
最終的な利益も 1,168億円 (前年比 13.7%増 )と好調です。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- FA(工場自動化)部門: 売上高 1,536億円 (前年比 4.2%増 )。
欧州は低迷しましたが、中国やインドの工作機械向け需要が好調でした。
- ロボット部門: 売上高 2,692億円 (前年比 11.1%増 )。
中国の EV(電気自動車)関連向け が大きく伸び、成長をけん引しました。
- ロボマシン部門: 売上高 965億円 (前年比 4.0%増 )。
インドのIT市場で、小型切削加工機の「ロボドリル」がよく売れました。
- サービス部門: 売上高 1,039億円 (前年比 1.5%増 )。
ITを活用した保守体制の強化により、安定して収益を出しています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FA部門 | 1,536億円 | 25% | — | — |
| ロボット部門 | 2,692億円 | 43% | — | — |
| ロボマシン部門 | 965億円 | 16% | — | — |
| サービス部門 | 1,039億円 | 17% | — | — |
財務状況と資本政策
自己資本比率は 88.7% となり、極めて健全な状態を維持しています。
中間配当は 51.33円 とし、前年の44.51円から増額しました。
2025年4月には、約360億円分の 自社株消却 を実施しています。
手元の現金も 6,611億円 あり、攻めの投資ができる体力を持ちます。
通期見通し
通期の売上高予想を 8,407億円 へと上方修正しました。
中国などの需要が想定を上回るペースで推移しているためです。
一方で、営業利益予想は 1,729億円 へわずかに下方修正しました。
今後の為替レートは1ドル 145円 、1ユーロ 170円 を想定しています。
リスクと課題
- 米国の関税影響: 米国政府による新たな関税が世界経済に与える影響。
- 地政学リスク: 不透明な国際情勢による物流や部材調達への不安。
- 欧州市場の停滞: 景気低迷が続く欧州での需要回復の遅れ。
- 為替の変動: 急激な円高に振れた際の利益押し下げリスク。
ファナックの強みである「圧倒的な財務の健全性」が際立つ決算です。自己資本比率約89%という数値は、製造業の中でもトップクラスの安定感を示しています。
今回の注目点は、中国市場の復活です。特にEV関連向けのロボット需要が、懸念されていた欧州の不振を完全にかき消す形となりました。また、インドのIT需要を捉えた「ロボドリル」の伸びも、新たな成長の柱として期待が持てます。
一方で、売上高を上方修正しながら営業利益を微減させた点は、原材料費の高騰や競争激化による利益率への圧力を示唆しています。今後は米国の関税政策が具体化する中で、北米市場のシェアをどう維持するかが焦点となるでしょう。
