空運
航空会社
2026年3月期 第3四半期
2社航空大手2社・2026年3月期 第3四半期決算――高収益のJAL、規模のANA、明暗分かれた利益成長率
航空
日本航空
ANA
JAL
インバウンド
ビジネス需要
貨物輸送
LCC
円安影響
2026年3月期
今期の総括
ビジネス需要の復活で、JALの収益性がANAを圧倒
航空業界は本格的な成長フェーズに突入しました。ANAホールディングスは売上高1.8兆円超えで規模の強さを誇示。対する日本航空(JAL)は、ビジネス需要を捉え純利益24.9%増という驚異の伸びを記録しました。円安やコスト増を跳ね除け、両社ともに過去最高水準の利益を確保する力強い決算です。
業界全体の動き
空運業界を牽引したのは、回復が遅れていた日本発のビジネス需要です。
- インバウンド(訪日客)需要が引き続き高い水準を維持しました。
- 日本発の出張など、ビジネス客の戻りが想定を超えて加速しました。
- 円安によるコスト増を、航空運賃への転嫁や費用削減で補いました。
- 貨物事業は底打ちし、物流需要も収益を下支えする形となりました。
売上高ランキング
1位 業界平均
売上規模ではANAがJALを3,000億円以上引き離しています。日本貨物航空の連結化が、規模の拡大を後押しする結果となりました。
売上高 前年同期比
1位 業界平均
両社ともに約10%の増収と好調。インバウンド需要の恩恵を業界全体が均等に享受していることが分かります。
純利益 前年同期比
1位 業界平均
JALの24.9%増に対し、ANAは3.9%増。コスト構造の差が、最終的な利益の伸びにおいて大きな差となって現れました。
勝者と敗者:利益成長で突き放したJAL
収益性の「質」で上回ったのは日本航空(JAL)です。
- JALの純利益は1,137億円(前年比24.9%増)と爆発的に伸びました。
- 営業利益率でも11.8%を記録し、ANAの9.6%を圧倒しています。
- 対するANAは売上こそ首位ですが、純利益は3.9%増に留まりました。
- 規模のANAに対し、効率で稼ぐJALという構図が鮮明になっています。
勝者
日本航空(JAL)
苦戦
ANAホールディングス(利益成長率で劣後)
営業利益ランキング
1位 業界平均
営業利益は1,800億円前後で両社が拮抗。ANAの規模の利益に対し、JALが徹底した効率経営で肉薄している状況が読み取れます。
営業利益率ランキング
1位 業界平均
JALが11.8%と二桁台を維持し、収益性で勝利。高単価なビジネス需要をJALが効率的に取り込んでいる証拠といえます。
注目の動き・戦略比較
両社は異なるアプローチで成長の柱を築いています。
- ANAは日本貨物航空(NCA)を子会社化し、「貨物」を第2の柱に据えました。
- ANAは財務体質も劇的に改善し、自己資本比率を37.7%まで引き上げています。
- JALはZIPAIRなどのLCC事業を強化中ですが、利益面ではまだ苦戦しています。
- JALは徹底したコスト削減で、円安による燃料費増を跳ね除けました。
業界共通のリスク
好決算の裏には、無視できないリスクも潜んでいます。
- 深刻な人手不足に伴う、人件費の上昇が利益を圧迫し始めています。
- 原油価格の変動と、歴史的な円安水準による燃油コストの増大です。
- LCC(格安航空)との競争激化による、チケット価格の下落懸念です。
- 地政学リスクに伴う、国際線航路の変更や制限の影響です。
就活生・転職希望者へ
航空業界は今、最もダイナミックな変化の中にあります。
- 規模と多角化を重視するなら、貨物や財務強化に動くANAが魅力的です。
- 少数精鋭で高い収益性を追求したいなら、JALの経営方針が合います。
- 単なる「空の旅」だけでなく、データ活用や物流への関心が不可欠です。
