株式会社良品計画 の会社詳細
株式会社良品計画
良品計画
2026年8月期 第1四半期

良品計画・2026年8月期Q1、純利益47.4%増の220億円——海外事業が大幅伸長、政策保有株式を全て売却

良品計画
無印良品
7453
増収増益
海外展開
中国市場
政策保有株式売却
株式分割
小売業界
決算レポート
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

2,282億円

+15.4%

通期予想

8,600億円

進捗率27%

営業利益

284億円

+29.3%

通期予想

790億円

進捗率36%

純利益

220億円

+47.4%

通期予想

530億円

進捗率42%

営業利益率

12.4%

株式会社良品計画が14日に発表した2026年8月期第1四半期(2025年9月〜11月)の連結決算は、営業収益が前年同期比 15.4%増2,282億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同 47.4%増220億円 と大幅な増収増益となりました。国内外での積極的な出店に加え、中国や東南アジアを中心とした海外事業が収益を牽引しました。また、経営効率化の一環として保有していた政策保有株式を全て売却したことで、特別利益を計上し最終利益を押し上げました。

業績のポイント

良品計画の当第1四半期は、国内外での「無印良品」のブランド力が改めて証明される結果となりました。営業収益は 2,282億2,700万円(前年同期比 +15.4%)、営業利益は 283億8,300万円(同 +29.3%)と、いずれも二桁の成長を記録しています。増益の大きな要因は、売上高の拡大に伴う規模の経済に加え、生産体制の内製化による原価率の低減が進んだことにあります。これにより、営業利益率は前年同期の 11.1% から 12.4% へと向上しました。

特筆すべきは最終利益の伸び率です。親会社株主に帰属する四半期純利益は 220億4,700万円(同 +47.4%)に達しました。これは好調な本業の利益に加え、コーポレートガバナンス・コードへの対応として進めてきた政策保有株式の売却完了に伴い、投資有価証券売却益を特別利益として計上したことが寄与しています。1株当たり四半期純利益も、2025年9月に実施した株式分割(1株→2株)を考慮した遡及調整後で 41.56円 と、前年同期の 28.24円 から大きく増加しています。

指標2025年8月期 Q12026年8月期 Q1前年同期比
営業収益1,976億円2,282億円+15.4%
営業利益219億円283億円+29.3%
経常利益212億円291億円+36.8%
四半期純利益149億円220億円+47.4%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

国内事業は、営業収益 1,332億6,700万円(前年同期比 +9.1%)、セグメント利益 183億6,100万円(同 +22.1%)と堅調でした。10月中旬に発生したシステム障害の影響でEC販売が一時停止するという逆風があったものの、郊外の生活圏を中心とした 20店舗 の新規出店や、大型セール「無印良品週間」が来店動機を強力に創出しました。また、商品面では衣料品や生活雑貨の内製化比率を高めたことで、物価高騰下においても利益率を確保できる体質へと改善しています。

海外事業は、特に東アジアと東南アジアが爆発的な成長を見せています。東アジア事業は営業収益が同 25.7%増679億円 となり、中国大陸における「ダブルイレブン(双11)」商戦の成功や、スキンケア用品・食品のヒットが大きく貢献しました。東南アジア・オセアニア事業では、タイやベトナムでの旗艦店出店が奏功し、セグメント利益は同 59.3%増 と驚異的な伸びを示しています。欧米事業もオンライン販売が好調で、在庫管理の徹底により欠品を防いだことが既存店売上の伸長につながりました。

セグメント営業収益(前年比)セグメント利益(前年比)利益率
国内事業1,332億円 (+9.1%)183億円 (+22.1%)13.8%
東アジア679億円 (+25.7%)142億円 (+27.9%)20.9%
東南アジア・オセアニア144億円 (+33.4%)18億円 (+59.3%)12.5%
欧米事業124億円 (+17.1%)28億円 (+25.3%)22.6%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
国内事業1,333億円58%184億円13.8%
東アジア事業680億円30%142億円20.9%
東南アジア・オセアニア事業145億円6%18億円12.5%
欧米事業125億円6%28億円22.6%

財務状況と資本政策

2025年11月末時点の総資産は、前連結会計年度末から 567億円 増加し 6,195億円 となりました。店舗網の拡大に伴う有形固定資産の増加(+85億円)に加え、旺盛な需要に対応するための在庫確保や、売上伸長に伴う現金・預金の蓄積が資産を押し上げています。自己資本比率は 59.2% と、前年度末の 59.0% から微増し、高い財務健全性を維持しています。

資本政策においては、2025年9月1日付で実施した1対2の株式分割が大きなトピックです。投資家層の拡大を目的としたこの施策に加え、配当についても積極的な姿勢を維持しています。2026年8月期の年間配当予想は、分割後ベースで1株当たり 28.00円(中間14円、期末14円)としています。これは分割前換算で 56.00円 相当となり、前期の 50.00円 から実質的な増配となります。政策保有株式を全て売却したことで得たキャッシュを、今後の成長投資や株主還元に充てる方針が鮮明になっています。

リスクと課題

好決算の一方で、今後の経営課題も浮き彫りになっています。まず一点目は、当期中に発生したシステム障害への対応です。国内のEC販売停止は機会損失を招いただけでなく、顧客の利便性にも影響を与えました。ITインフラの刷新と安定運用の徹底が、オムニチャネル戦略の成否を分ける鍵となります。

二点目は外部環境のリスクです。同社は決算短信の中で、米国における関税率引き上げの影響など、世界経済の先行き不透明感に言及しています。特に海外売上比率が高まっている中で、地政学リスクや為替変動が収益に与えるインパクトを注視する必要があります。また、中国市場への依存度も高まっており、現地の消費動向の変化に対して、店舗のスクラップアンドビルドを機動的に行えるかどうかが問われています。

通期見通し

2026年8月期の連結業績予想については、2025年10月に公表した数値を据え置いています。第1四半期の進捗は極めて順調ですが、下期に向けた不透明感を考慮し、慎重な姿勢を崩していません。通期の営業収益は 8,600億円(前期比 +9.6%)、営業利益は 790億円(同 +7.0%)を見込んでいます。現在のペースで推移すれば、期中での上方修正も視野に入る好調な滑り出しと言えます。

項目当期予想(通期)前期実績(通期)前期比
営業収益8,600億円7,845億円+9.6%
営業利益790億円738億円+7.0%
当期純利益530億円508億円+4.2%
1株当たり利益99.91円95.84円(分割調整後)+4.2%
AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、良品計画が「国内の生活雑貨店」から「グローバルな製造小売業(SPA)」へと完全に脱皮し、高い収益性を確保し始めた点です。

特に東南アジア事業の利益率改善(前年比+59.3%)は、タイやベトナムでの旗艦店戦略がブランド価値を向上させ、定価販売の維持に成功していることを示唆しています。また、政策保有株式を全て売却するという決断は、資本効率(ROE)を意識した経営への強い意志を感じさせ、機関投資家からも高く評価されるでしょう。

懸念点としては、国内ECのシステム障害に見られるITガバナンスの脆さです。実店舗の出店余地が限られてくる中で、デジタル領域の安定性は今後の成長持続に不可欠です。就職活動中の学生にとっても、単なる「おしゃれな雑貨屋」ではなく、世界を舞台にしたサプライチェーン改革とデータ経営に挑むテック企業としての一面を理解することが重要です。