業界ダイジェスト
株式会社ラウンドワン の会社詳細
株式会社ラウンドワン
ラウンドワン
2026年3月期 通期

ラウンドワン・2026年3月期通期、営業利益9.7%増の287億円——国内コラボ施策が奏功、27年3月期は15%超の増収を予想

ラウンドワン
増収増益
レジャー業界
クレーンゲーム
海外展開
米国市場
増配
IFRS
過去最高益
コラボ戦略
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

1,895億円

+7.1%

通期予想

2,191億円

進捗率87%

営業利益

288億円

+9.7%

通期予想

331億円

進捗率87%

純利益

166億円

+7.9%

通期予想

183億円

進捗率91%

営業利益率

15.2%

複合レジャー大手のラウンドワンが13日に発表した2026年3月期連結決算(IFRS)は、売上収益が前期比7.1%増1,895億4,800万円、営業利益が同9.7%増287億7,300万円となった。国内で実施した人気アーティストやアニメとの期間限定コラボキャンペーンが若年層や新規顧客の集客に大きく寄与し、主力のクレーンゲーム部門が収益を牽引した。米国市場ではインフレによる人件費増や設備投資負担から利益面で苦戦したものの、積極的な多店舗展開によりグループ全体の成長を維持している。

業績のポイント

当連結会計年度の業績は、売上・利益ともに過去最高水準を更新する堅調な結果となった。売上収益は1,895億4,800万円(前年同期比+7.1%)、営業利益は287億7,300万円(同+9.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は166億2,100万円(同+7.9%)を記録した。

好調の背景には、日本国内における徹底した「体験型エンターテインメント」の強化がある。物価上昇による個人消費の鈍化という逆風下、同社は人気コンテンツとのコラボレーションや、小中学生無料キャンペーンなどの販促を積極的に展開した。これにより、ボウリングやカラオケといった既存事業の客足が戻ったほか、需要が高いクレーンゲームでの景品拡充が奏功し、売上総利益率の改善に繋がった(前年14.8%→今回15.2%)。

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

日本セグメントは、売上収益が1,086億8,900万円(前年比+6.1%)、セグメント利益が228億1,000万円(同+34.1%)と、大幅な増益を達成した。クレーンゲームでのオリジナル景品の投入や、スポッチャへの新アイテム導入により、幅広い客層の獲得に成功している。特に利益率の改善が顕著で、オペレーションの効率化が実を結んだ形だ。

米国セグメントは、売上収益が796億6,200万円(同+9.0%)と成長を続けたが、セグメント利益は85億8,200万円(同-25.7%)と減益に沈んだ。ミニクレーンゲーム機や音楽ゲームの増設により集客は維持しているものの、現地での人件費高騰や、新規出店に伴う減価償却費の増加が利益を圧迫した。今後は時期を見た戦略的な価格改定により、コスト増を吸収する方針だ。

セグメント売上収益前年比営業利益利益率
日本1,086億円+6.1%228億円21.0%
米国796億円+9.0%85億円10.8%
その他11億円-△26億円-
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
日本1,087億円57%228億円21.0%
米国797億円42%86億円10.8%
その他12億円1%-2,619百万円

財務状況と資本政策

当期末の資産合計は、前期末比499億7,300万円増の3,098億8,800万円となった。米国での新規出店に向けた有形固定資産や使用権資産の増加が主な要因だ。親会社所有者帰属持分比率は26.7%(前期は25.7%)と、1ポイント改善している。

株主還元については、好調な業績を背景に年間配当を前期比2円増の18円(配当性向28.4%)とした。同社は配当性向25%前後を基準としており、2027年3月期も同水準の18円を維持する計画だ。機動的な利益配分を行うため、基準日を年4回設ける四半期配当制度を継続している。

通期見通し

2027年3月期の通期見通しは、売上収益が前期比15.6%増2,190億9,000万円、営業利益が同14.9%増330億5,000万円と、さらなる二桁成長を見込んでいる。国内での99店舗体制の安定稼働に加え、米国での大型モールへの出店加速が寄与する見通しだ。

また、新事業「ラウンドワンデリシャス」の海外展開準備を進めており、日本食のクオリティを維持した複合施設としてのブランド力向上を目指す。米国・中国に次ぐ第3の海外市場開拓も視野に入れ、グローバルな成長スピードをさらに加速させる意向だ。

項目2026年3月期実績2027年3月期予想増減率
売上収益1,895億円2,190億円+15.6%
営業利益287億円330億円+14.9%
親会社株主純利益166億円182億円+9.9%

リスクと課題

同社が挙げた主なリスク要因は以下の通り。

  • 地政学的リスクと為替動向: 米国市場の比率が高まる中、為替の変動が円建ての業績に与える影響が拡大している。
  • 人件費・エネルギー価格の変動: 日米両国でのインフレ継続により、店舗運営コストの増大が利益率の押し下げ要因となる可能性がある。
  • 国内人口減少への対応: 日本国内での若年層人口の減少を見据え、ファミリー層やシニア層の獲得、および海外市場へのさらなるシフトが急務となっている。
AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、日本国内セグメントの利益率(21.0%)の高さです。コロナ禍を経て、従来のボウリング頼みから、コンテンツコラボを軸とした「景品ビジネス(アミューズメント)」への構造転換に成功したことが明確に数字に表れています。

一方で、今後の焦点は米国市場の収益性改善に移るでしょう。売上高は順調に拡大していますが、コストプッシュインフレにより利益率が日本セグメントの半分程度に留まっている点は、投資家が注視するポイントです。2027年3月期の強気な予想を達成できるかは、米国での価格転嫁と新事業「ラウンドワンデリシャス」の立ち上がりが鍵を握ります。

就職活動中の学生にとっては、国内の店舗運営だけでなく、グローバル展開や新規事業(食×エンタメ)といった「成長領域」での活躍の場が広がっている点が魅力的に映る決算内容と言えます。