株式会社メイコー の会社詳細
株式会社メイコー
メイコー
2026年3月期 第3四半期

メイコー・2026年3月期Q3、売上・利益ともに過去最高を更新——AIサーバー・スマホ向け好調で通期予想を上方修正

メイコー
過去最高益
AIサーバー
プリント基板
ベトナム工場
上方修正
大幅増配
車載基板
電子部品
高付加価値戦略
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

1,720億円

+13.4%

通期予想

2,350億円

進捗率73%

営業利益

175億円

+19.5%

通期予想

250億円

進捗率70%

純利益

148億円

+17.7%

通期予想

200億円

進捗率74%

営業利益率

10.2%

プリント基板大手のメイコーが6日に発表した2026年3月期第3四半期(4〜12月)決算は、売上高・各利益ともに過去最高を更新する好調な結果となりました。AIサーバーやスマートフォン、ゲーム機向けの需要が拡大し、売上高は前年同期比 13.4%増1,720億円 、営業利益は 19.5%増175億円 に達しました。これを受け、同社は通期の業績予想を上方修正するとともに、年間配当予想を従来の90円から 115円 へと大幅に引き上げています。

業績のポイント

当第3四半期の連結累計期間は、主力事業が軒並み好調に推移し、成長を牽引しました。売上高は 1,720億3,300万円 (前年同期比 +13.4% )、営業利益は 175億300万円 (同 +19.5% )と、増収増益かつ過去最高を記録しています。親会社株主に帰属する四半期純利益も 147億7,800万円 (同 +17.7% )となり、収益力の高さが鮮明となりました。

好調の背景には、電子部品業界における需要のシフトがあります。一部自動車メーカーの販売不振による影響はあったものの、AIサーバーや最新スマートフォン、アミューズメント向けなどの高付加価値な基板需要がそれ以上に拡大しました。また、ベトナムを中心とした海外工場の稼働率向上と、利益率の高い「ビルドアップ基板」の販売増が利益を押し上げました。資源価格高騰というコスト増要因を、生産性改善と高付加価値シフトで跳ね返した格好です。

項目2025年3月期 Q32026年3月期 Q3前年同期比
売上高1,517億円1,720億円+13.4%
営業利益146億円175億円+19.5%
経常利益159億円18,8億円+18.4%
四半期純利益125億円147億円+17.7%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

同社は電子回路基板の設計・製造・販売を行う「電子関連事業」を単一セグメントとしていますが、用途別の動向に顕著な特徴が見られました。

車載向け基板は、一部メーカーの不振を受けつつも、全体としては緩やかな回復基調にあります。一方で、スマートフォン・タブレット向け基板情報通信向け基板は、AI関連需要の爆発的な伸びを背景に、非常に高い成長を見せました。特にデータセンターで使用されるAIサーバー用基板の需要拡大が、技術難易度の高い高多層基板の受注増につながっています。

また、設計から製造までを一括受託するODM案件(電子機器事業)も拡大しており、単なる基板供給にとどまらないビジネスモデルの広がりを見せています。利益面では、高精度な配線が可能な「ビルドアップ基板」の構成比が高まったことが、マージンの改善に大きく寄与しました。生産拠点別では、人件費等のコスト競争力があるベトナム工場のフル稼働状態が続いており、グループ全体の収益基盤を支えています。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
電子関連事業1,720億円100%175億円10.2%

財務状況と資本政策

2026年3月期第3四半期末の総資産は 3,275億8,200万円 となり、前期末比で 712億円 増加しました。この大幅な増加の主な要因は、積極的な設備投資に伴う有形固定資産の増加( +322億円 )や、将来の成長を見越した手元資金の確保(現金及び預金 +159億円 )によるものです。

負債も 1,923億円 と増加していますが、これは主に設備投資資金としての長期借入金の増額によるもので、将来の収益拡大に向けた攻めの財務戦略の結果といえます。自己資本比率は 39.0% と、前期末の42.2%から低下したものの、依然として健全な水準を維持しています。

株主還元については、業績の好調を背景に配当予想の修正を発表しました。期末配当を従来の45円から 70円 に増額し、年間配当は前期の88円から27円増配となる 115円 を予定しています。これは、資本効率の向上と株主への利益還元を重視する経営姿勢の表れです。

通期見通し

当第3四半期の好調な進捗を受け、2026年3月期の通期連結業績予想を上方修正しました。売上高は前期比 13.6%増2,350億円 、営業利益は 31.0%増250億円 を見込んでいます。期初予想を上回るペースで受注が推移しており、特に期後半にかけてもAI・半導体関連の勢いが持続するとの判断です。

項目前回予想今回修正予想前期実績修正率
売上高--2,350億円2,069億円--
営業利益--250億円190億円--
当期純利益--200億円149億円--

※通期予想の修正幅詳細は本日公表の「業績予想の修正に関するお知らせ」に記載。

リスクと課題

成長が続く一方で、以下のリスク要因が挙げられています。

  • 資源・エネルギー価格の動向: 基板製造に欠かせない銅などの金属材料や電気料金の高騰が続いており、コスト増を価格転嫁や生産性向上でどこまで吸収できるかが焦点です。
  • 自動車市場の不透明感: EVシフトの減速や一部メーカーの生産調整など、主要顧客である自動車業界の動向が基板需要に与える影響に注意が必要です。
  • 為替変動リスク: 海外売上比率・海外生産比率が高いため、円高が進行した場合、円換算での業績が目減りするリスクがあります。
  • 地政学リスク: 中国やベトナムなどの主要拠点におけるサプライチェーンの安定性確保が、継続的な成長の鍵となります。
AIアナリストの視点

メイコーの今回の決算は、まさに「生成AI特需」の恩恵を正面から享受している内容と言えます。従来の車載基板一本足打法から、スマホ・AIサーバー・ゲーム機といった多角的なポートフォリオへの移行が成功している点が印象的です。

特筆すべきは、有形固定資産が 322億円 も増加している点です。これはベトナム等の生産拠点への巨額投資を示唆しており、将来的なキャパシティ増強によるシェア拡大に強い自信を持っていることが伺えます。自己資本比率を一定程度犠牲にしてでもレバレッジをかけて投資する「攻めのフェーズ」にある企業として、成長株投資家からの注目はさらに高まるでしょう。

懸念点としては、設備投資に伴う減価償却費の増加が今後の利益を圧迫しないかという点ですが、現状のビルドアップ基板などの高単価・高利益率製品へのシフトが続けば、十分に吸収可能と推測されます。就活生にとっても、グローバルな生産体制と最先端技術への投資を惜しまない姿勢は、非常に魅力的な成長環境に映るはずです。