リクルートHD・2026年3月期Q3、営業利益21%増の4,956億円——HRテック好調で通期予想を上方修正
売上高
2.7兆円
+1.5%
通期予想
3.7兆円
営業利益
4,957億円
+21.1%
通期予想
5,906億円
純利益
3,949億円
+15.6%
通期予想
4,809億円
営業利益率
18.1%
売上収益は 2兆7,367億円(前年比 +1.5%)、営業利益は 4,956億円(同 +21.1%)でした。主力の HRテクノロジー事業 が想定を超えて成長し、円安も利益を押し上げました。好調な進捗を受け、通期の利益予想を 上方修正 しています。
業績のポイント
売上収益は 2兆7,367億円(前年比 1.5%増)となりました。
営業利益は 4,956億円(前年比 21.1%増)と大きく伸びています。
利益が大幅に増えた主な理由は2つあります。
1つ目は「Indeed」などの求人サービスが、米国を中心に好調だったことです。
2つ目は、想定よりも為替が円安で推移し、海外利益を押し上げたことです。
これらの好調を受け、通期の営業利益予想を 5,906億円 に引き上げました。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- HRテクノロジー事業:売上収益は 1兆550億円(前年比 4.1%増)です。
米国の求人広告市場が底堅く、効率的な運営で利益率も向上しました。
- 人材派遣事業:売上収益は 1兆2,575億円(前年比 1.9%増)です。
日本国内は人手不足を背景に好調ですが、欧米や豪州は景気の影響で弱含みました。
- マーケティング・マッチング・テクノロジー事業:売上収益は 4,241億円(前年比 5.1%増)です。
飲食店予約や美容などのサービスが、個人ユーザーの利用増加で順調に伸びました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| HRテクノロジー | 1.1兆円 | 39% | 3,950億円 | 37.4% |
| 人材派遣 | 1.3兆円 | 46% | 851億円 | 6.8% |
| マーケティング・マッチング・テクノロジー | 4,242億円 | 16% | 1,392億円 | 32.8% |
財務状況と資本政策
総資産は 2兆6,950億円 となり、前期末より少し減りました。
これは自己株式の取得により、資本が減少したためです。
配当は1株あたり年間 25円 とし、前年より 1円増やす 予定です。
さらに、2,500億円 を上限とする大規模な 自社株買い を進めています。
稼いだ利益を積極的に株主へ戻す姿勢を鮮明にしました。
リスクと課題
- 世界的な景気後退により、企業の求人意欲が冷え込むリスクがあります。
- 為替レートが急激に円高へ進むと、円換算の利益が目減りします。
- 各国の労働法制やAI利用に関する規制の変化が事業に影響する可能性があります。
戦略トピック
2025年4月付で、組織の枠組みを大きく変更しました。
旧「マッチング&ソリューション」の人材領域を「HRテクノロジー」へ統合しています。
これにより、求人サービスを世界レベルで一本化し、開発を加速させる狙いです。
リクルートの「稼ぐ力」の源泉が、完全に海外(HRテクノロジー)へ移行していることが鮮明になった決算です。
特に、広告単価の最適化やコスト抑制が功を奏し、売上の伸びを大きく上回るペースで営業利益が増えている点は高く評価できます。就職活動中の学生にとっては、同社が単なる「リクナビ」の会社ではなく、世界最先端のデータ分析とAIを駆使するグローバルテック企業へと変貌している点は重要です。
注目すべきは 2,500億円規模の自社株買い です。これは日本企業の中でもトップクラスの規模であり、株主重視の姿勢が非常に強いことを示しています。今後は、円高に転じた際の利益への影響を、事業自体の成長でどこまでカバーできるかが焦点となるでしょう。
