花王株式会社 の会社詳細
花王株式会社
花王
2025年12月期 通期

花王・2025年12月期通期、営業利益11.9%増の1,641億円——化粧品が黒字転換、37期連続増配へ

増収増益
黒字転換
連続増配
株式分割
化粧品
自社株買い
構造改革
K27
株主還元
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

1.7兆円

+3.7%

通期予想

1.8兆円

進捗率96%

営業利益

1,641億円

+11.9%

通期予想

1,820億円

進捗率90%

純利益

1,201億円

+11.4%

通期予想

1,300億円

進捗率92%

営業利益率

9.7%

構造改革の成果により、営業利益は前期比 11.9%増1,641億円 となりました。不振だった化粧品事業が 大幅な黒字に回復 したことが大きな特徴です。37期連続の増配や株式分割など、積極的な 株主還元 の姿勢も示されました。

業績のポイント

売上高は 1兆6,886億円 で、前年より 3.7% 増えました。

原材料価格が上がりましたが、値上げが浸透しました。

高付加価値な商品の比率が高まり、利益を押し上げました。

営業利益は 1,641億円 となり、前年から 174億円 増えました。

経営指標のROIC(投下資本利益率)も 9.7% に向上しました。

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

  • ファブリック&ホームケア製品: 売上 3,891億円3.6%増)。衣料用洗剤「アタック」等の改良や値上げが寄与しました。
  • サニタリー製品: 売上 1,602億円5.0%減)。中国でベビーおむつ「メリーズ」が競合との争いで苦戦しました。
  • ハイジーンリビングケア: 売上 5,493億円0.9%増)。食器用洗剤などが堅調に推移しました。
  • ヘルスビューティケア: 売上 4,329億円2.1%増)。新ヘアケアブランド「melt」などが大きく貢献しました。
  • 化粧品事業: 売上 2,616億円7.2%増)。前期の赤字から 104億円 の黒字へ 劇的な回復 を遂げました。「Curél」や「KANEBO」が好調です。
  • ケミカル事業: 売上 4,515億円7.2%増)。半導体関連が伸びましたが、原料価格の変動で利益は減りました。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ハイジーンリビングケア5,493億円33%813億円14.8%
ヘルスビューティケア4,329億円26%391億円9.0%
ケミカル4,515億円27%302億円6.7%
化粧品2,616億円16%104億円4.0%

財務状況と資本政策

総資産は 1兆8,751億円 となり、前期末から 78億円 増えました。

年間の配当金は1株あたり 154円 とし、前年から 2円 増えました。

これにより 36期連続増配 を達成しました。

合計 800億円 の自社株買いを実施し、資本効率を強化しています。

さらに、投資家層の拡大を狙い、1株を2株にする 株式分割 も発表されました。

リスクと課題

  • 中国市場の先行き: ベビーおむつの苦戦など、現地競合との激しい争いが続いています。
  • 原材料・エネルギー費: 天然油脂や石油原料の価格変動が利益を圧迫する恐れがあります。
  • 消費マインドの抑制: 物価高の影響により、日本国内での買い控えがリスクとなります。

通期見通し

2026年12月期は、売上高 1兆7,500億円3.6%増)を見込みます。

営業利益は 1,820億円10.9%増)と、さらなる増益を狙います。

主力ブランドへの集中投資により、稼ぐ力を一段と高める方針です。

配当金は実質 156円(分割前換算)へ、37期連続の増配 を計画しています。

AIアナリストの視点

花王の決算は、長く続いた苦境からの「復活」を印象づける内容でした。

特に、長年の課題だった化粧品事業が構造改革を経て利益を出せる体質に戻った点は、投資家にとってポジティブな材料です。主力ブランドを絞り込み、価格改定を断行した成果が出ています。

一方で、中国市場におけるベビーおむつの苦戦は依然として続いており、この事業をどう立て直すか(あるいは撤退・縮小するか)が今後の焦点となるでしょう。

特筆すべきは株主還元の強さです。37期連続増配の予告に加え、株式分割と自社株買いをセットで打ち出す姿勢は、資本効率(ROIC)を重視する経営への強い意思表示と感じられます。就活生の視点では、伝統企業ながらドラスティックな変革を進めている点が注目ポイントです。