ベイカレント・2026年2月期通期、営業利益19.5%増の509億円——生成AI需要で過去最高、300億円の自社株買いも発表
売上高
1,483億円
+27.8%
通期予想
1,900億円
営業利益
509億円
+19.5%
通期予想
648億円
純利益
378億円
+23.0%
通期予想
481億円
営業利益率
34.3%
コンサルティング大手のベイカレントが14日に発表した2026年2月期通期決算は、売上収益が前年比 27.8%増 の 1,483億3,200万円、営業利益が同 19.5%増 の 509億3,100万円 となり、大幅な増収増益を達成しました。旺盛なDX需要に加え、生成AIを活用した企業変革支援が新たな成長エンジンとなり、業績を大きく押し上げました。好調な業績を背景に、同社は上限 300億円 の大規模な自社株買いと、次期のさらなる増配方針を打ち出し、積極的な株主還元姿勢を鮮明にしています。
ベイカレント 2026年2月期 通期決算
さくら × けんじ の対話形式解説
業績のポイント
当連結会計年度の業績は、コンサルティング業界への強い追い風を受け、主要指標が軒並み過去最高を更新しました。売上収益は 1,483億3,200万円(前年比 +27.8%)、営業利益は 509億3,100万円(前年比 +19.5%)と、高い成長率を維持しています。親会社の所有者に帰属する当期利益も 378億4,000万円(前年比 +23.0%)に到達しました。
増益の背景には、企業のデジタル投資が従来のIT導入から、生成AIを活用したビジネスモデルの抜本的改革へとシフトしていることがあります。同社は中期経営計画で掲げる「リーディングカンパニーの経営課題を解決する総合的なパートナー」としての地位を確立しつつあり、高単価な戦略案件の受注が利益率を支えました。人材面でも、コンサルタント数の拡大と育成が計画通りに進捗し、稼働率も高水準を維持しています。
| 項目 | 2025年2月期(実績) | 2026年2月期(実績) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,160億円 | 1,483億円 | +27.8% |
| EBITDA | 434億円 | 521億円 | +19.9% |
| 営業利益 | 426億円 | 509億円 | +19.5% |
| 当期利益 | 307億円 | 378億円 | +23.0% |
業績推移(通期)
セグメント別動向
同社はコンサルティング事業の単一セグメントですが、その内訳は極めて強固です。既存のコアクライアントに対するサービス深掘りを進める「コアクライアント戦略」が奏功し、1社あたりの取引規模が拡大しました。特に金融、製造、通信といった大手企業における全社横断的なDXプロジェクトの受注が売上成長を牽引しています。
利益面では、売上総利益率が 56.6% と、前期の53.8%からさらに上昇しました。これは、コンサルタントの熟練度向上によるプロジェクト収益性の改善が要因です。一方で、将来の成長に向けた採用活動を加速させた結果、販売費及び一般管理費は 330億6,900万円(前年比 +66.6%)と大きく増加しましたが、売上の拡大がこれを十分に吸収しました。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 売上総利益率 | 53.8% | 56.6% | 2.8pt上昇 |
| EBITDAマージン | 37.5% | 35.1% | 計画の範囲内 |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| コンサルティング事業 | 1,483億円 | 100% | 509億円 | 34.3% |
財務状況と資本政策
財務基盤は一段と強化されており、総資産は前期末比 328億2,000万円 増の 1,574億8,500万円 となりました。潤沢なキャッシュフローを背景に、同社は極めて積極的な資本政策を発表しています。2026年2月期の年間配当は 100円(前期は62円)とし、大幅な増配を実施しました。配当性向は 40.1% となり、株主還元の強化が明確になっています。
さらに投資家を驚かせたのが、発行済株式数の4.3%に相当する 660万株、総額 300億円 を上限とする自社株買いの決定です。取得期間は2026年4月15日から7月31日までと短期間に集中しており、需給面でのインパクトも期待されます。取得した株式は全数消却する予定で、資本効率(ROE)の向上と1株当たり利益(EPS)の増大に対する経営陣の強いコミットメントが示されました。
通期見通し
2027年2月期の連結業績予想についても、引き続き強気な成長を見込んでいます。売上収益は 1,900億円(前期比 +28.1%)、営業利益は 648億円(同 +27.2%)を計画しています。世界経済の先行きには不透明感があるものの、国内企業のIT投資意欲は依然として旺盛であり、コンサルティング需要の拡大は継続すると判断しています。
次期の年間配当についても、中間・期末ともに65円の合計 130円 を予定しており、さらなる増配を目指す方針です。優秀な人材の確保が成長の鍵を握るため、引き続き採用・教育への投資を継続しつつ、生成AIなどの先端テクノロジー領域での差別化を加速させる構えです。
| 項目 | 2026年2月期(実績) | 2027年2月期(予想) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,483億円 | 1,900億円 | +28.1% |
| 営業利益 | 509億円 | 648億円 | +27.2% |
| 当期利益 | 378億円 | 481億円 | +27.1% |
| 年間配当 | 100円 | 130円 | +30円 |
リスクと課題
同社の成長を左右する最大のリスク要因は、コンサルタントの採用と離職率の管理です。業界全体で人材獲得競争が激化しており、採用コストの上昇や待遇改善による人件費負担の増加が利益率を圧迫する可能性があります。また、経済環境の急激な悪化による企業の投資抑制や、地政学リスクに伴う不確実性の高まりも、大口案件の進捗に影響を与える潜在的なリスクとして言及されています。
ベイカレントの今回の決算は、コンサルティング業界の勝ち組としての実力を改めて見せつけた内容です。
- 特筆すべきは、単なる業績の伸びだけでなく、300億円という巨額の自社株買いを決定した点です。これは、同社がキャッシュ創出力に絶対的な自信を持っており、株価形成を強く意識している証拠と言えます。
- 就活生の視点では、売上総利益率の改善が「コンサルタント1人あたりの付加価値向上」を意味しており、人材育成の仕組みが高度に機能していることが伺えます。
- 生成AIという新しい武器を手に入れたことで、従来の業務改善型コンサルからビジネス変革型コンサルへのシフトが加速しており、他社との差別化要因になっています。
- 懸念点としては、積極的な採用に伴う販管費の大幅増(+66.6%)が挙げられますが、売上の伸びがそれを上回る「先行投資が実を結ぶフェーズ」にあるため、現時点では成長へのポジティブなアクセルと見てよいでしょう。
