ソニー生命、顧客への不適切行為で進捗状況を発表 営業社員の金銭授受が判明
ソニーフィナンシャルグループ傘下のソニー生命保険は28日、顧客への不適切行為に関する調査の進捗状況を発表した。営業社員による投資話の持ち掛けや金銭の借り入れなど、不適切な金銭授受が4件確認され、顧客保護の観点から弁護士等の専門家と対応を検討する。
不適切事案の概要
ソニー生命保険は、専属代理店および営業社員による顧客との金銭に関わる不適切な行為について、社内調査を進めている。2026年4月24日までに顧客から31件の申し出があり、内訳は営業社員に関するものが22件、専属代理店に関するものが9件。22件の営業社員に関する申し出のうち、18名については事実確認が完了しており、保険料や保険金の詐取などの保険業務における金銭不祥事は確認されなかった。一方で、4名に関しては、顧客への投資話の持ち掛けや金銭の借り入れといった不適切な金銭の授受が確認された。営業社員が顧客から受け取った金額は約4030万円に達する。その内訳は、投資または儲け話を持ち掛けたケースが約3800万円、金銭の借り受けなどが約230万円となっている。同社は、対象となった顧客に対して、弁護士等の専門家の見解を確認しながら、個別の状況に応じて真摯に対応を検討する方針を示す。
| 区分 | 事実認定したお申し出数 | 関わった営業社員数 | 営業社員が受け取った金額 |
|---|---|---|---|
| 保険業務における金銭不祥事(詐欺、横領) | 0名 | - | - |
| 投資または儲け話 | 1名 | 1名 | 約3,800万円 |
| 金銭の借り受けなど | 3名 | 3名 | 約230万円 |
| 合計 | 4名 | 4名 | 約4,030万円 |
顧客への確認状況と今後の対応
ソニー生命は、専属代理店が担当する約9万人の顧客に対し、2026年4月28日から契約状況や金銭に関する不審な点がないかどうかの確認を開始した。営業社員が担当する約270万人の顧客に対しては、2026年5月27日からメールでの連絡を開始し、順次、郵送や電話等での連絡も実施する。すべて顧客への確認完了は2026年11月末を見込んでいる。顧客への確認範囲や調査プロセスについては、弁護士等外部の専門家の見解を確認しながら進めるとしている。今回の事態を受け、2026年10月以降、顧客の契約を担当する営業社員に加え、本社から顧客への直接コンタクトを強化する。
また、既に不適切な金銭授受が複数確認されていることを踏まえ、顧客と営業社員の「密室化」を回避するため、営業社員が担当する顧客への連絡を順次開始しており、確認完了後も継続して本社が顧客とコンタクトし続ける体制を構築する。
今後の見通し
ソニー生命は、今回の不適切事案を受け、2017年度以降継続的に進めてきた各種手続きの改善や営業社員の制度変更、内部管理体制の強化に加え、2026年10月以降は、顧客と営業社員の「密室化」を防ぐための対策を強化する。具体的には、営業社員の専門資格や取扱可能商品等に応じた情報を顧客に開示するほか、資産形成商品など全て申込みについて、本社から顧客に電話確認する頻度を高めていく方針だ。次回の進捗報告は、2026年9月中旬を目途に、専属代理店が担当する顧客への確認結果、営業社員が担当する顧客への確認状況等を公表する予定。今回の事案が同社の連結業績に与える影響については、現時点では未定としている。
ソニー生命の今回の開示は、顧客保護に対する企業の姿勢を示す重要な一歩と言える。しかし、確認完了が2026年11月末と長期にわたる点や、いまだ事実確認中の事案が残っている点は懸念される。投資家は、今後の進捗報告を注視し、ソニー生命がどのように再発防止策を講じ、顧客との信頼回復に努めるかを見極める必要がある。就職活動中の学生にとっては、コンプライアンス体制の強化や企業文化の変革が不可欠であることを認識し、企業の取り組みを慎重に評価することが重要だ。
